2015/11/13のニュース報道によると、米爆撃機のB52が南シナ海にある南沙諸島(英語名:スプラトリー諸島 Spratly Islands)の中国人工島近く飛行した。
その飛行の際に、B52は中国の地上管制官から交信を求められていたと報道されていたが、それに応答したとは書いていなかった。
米国防総省のクック報道官の記者会見でのコメントでは、
「B52は一帯の国際空域を常に飛行している。」
「中国の管制官がB52と交信を試み、同機はそのまま任務を継続した」
と述べたので、中国管制官からの交信には応答せずにそのまま飛行したのかなと思うが、事実関係は未確認です。
このところニュースで良く名前を聞く「南沙諸島」であるが、多くの人はフィリピンの近くの辺りにある小さな島らしい、という印象くらいしか無いのではないだろうか。
私も同じだ。
早速調査してみた。
南沙諸島を早速Googleマップで検索してみた
ところが、キーワード「南沙諸島」で検索してもGoogleマップでは見つからない。
一方、英語名の「スプラトリー諸島」や「Spratly Islands」では見つかる。
何故「南沙諸島」では検索でヒットしないのかは不明だ。何か政治的な意図あるいは配慮などが有るのかもしれないが私には分からない(「日本海」と「東海」の呼称問題のように)。
気になったのでYahoo地図でも検索してみたが、Googleマップと同じく「南沙諸島」では見つからない。何かおかしい。
で、マイクロソフトのBingマップでは、「南沙」まで入力したら「南沙群島 (領有権問題あり)」と候補が出たので検索したらヒットした!
うん? 「南沙諸島」ではなくて「南沙群島」が正しいのかな?
と思って「南沙群島」で再度Googleマップ検索を実行したら問題なく見つかった。
ところがYahoo地図では「南沙群島」でも見つからない。ややこしい。理由が分からない。
それならば、中国の検索エンジン百度で地図検索してみた。
そうしたら、「南沙諸島」で沢山ヒットして、
地図上の②をクリックしてみたら、こんなのが開いた。
私は中国語は読めないが、漢字の雰囲気から推測すると、海南省というところの行政区域という意味なのかな?
つまり百度(バイドゥ)の地図では南沙諸島は中国領と書いてあるのかもしれないが、私の推測なので間違っているかもしれません。
南沙諸島の位置を地図で見る
さて、前置きが長くなったが
南沙諸島の位置を地図で見ると以下の通り。
左がGoogleマップの航空写真モード、右がYahooマップの地図モードだ。これらをわれこマップで表示したものだ。 この付近を米国の爆撃機B-52が飛行した事になる。
B-52
ちなみに、米国の核兵器搭載可能な戦略爆撃機B-52に付いても調査してみた。
製造は、ボーイング社でアメリカ空軍が運用している。 初飛行が1952年で現在までに744機が生産されている。 運用開始は1955年で未だに現役だ。
と言う事は初飛行以来63年間も現役飛行を続けている事になる(2015現在)。 勿論、その間に各種の改造や機能の強化が行われているので63年前の飛行機がそのまま使われていると言う訳では無いだろう。
その派生型には以下の物がある。 XB-52 YB-52 B-52A B-52B B-52C B-52D B-52E B-52F B-52G B-52H JB-52E NB-52A NB-52B NB-52E NB-52H
この中で現在のところ71機が現役運行されているB-52Hですら1960年7月が初飛行なので、53年経っているのか。 このB-52Hは最終量産型と呼ばれているので今後は生産されることはなく、修理や改造などの延命措置を行い現役に留める計画らしい。
アメリカ空軍の発表では、2045年まで運用の予定と言う事だ。あるいはそれ以降も利用される可能性もある。そうなると100年以上も運用される航空機と言う事になる。
そのB-52Hの画像をWikipediaから引用させて頂くと下図の通り。
仕様(B-52H)[編集] Boeing B-52 STRATOFORTRESS.png
- 乗員:5名(機長、副操縦士、レーダーナビゲーター、航法士、EWO)
- 全長:48.5m
- 全幅:56.4m
- 全高:12.4m
- 翼面積:371.6m2
- エンジン:P&W社製 TF33-P-3 ターボファン ×8基
- 推力:7,710kg×8
- 空虚重量:83,250kg
- 最大離陸重量:219,600kg
- 最大ペイロード:31,500kg
- 機体内燃料搭載量:174,130リットル
- 最大速度:568kt(1,052km/h:M0.86)
- 離陸距離:2,900m
- 航続距離:16,000km
- 実用上昇限度:16,765m
- 上昇率: 915m/min
- 固定武装:M61 20mm ガトリング砲×1門(尾部)※現在では撤去されている。
- 搭載兵器
- AGM-69A空対地ミサイル又はAGM-86B巡航ミサイルを20基。
- AGM-154 JSOW空対地ミサイル
- Mk 82通常爆弾を胴体内に27発。翼下には18発搭載可能。
ジャンボジェット機は、全長70m・全幅60mくらいだから、それよりは一回りか二回りぐらい小さい。
さて、南沙諸島に付いて調査していると興味深いサイトを見つけた。
海上自衛隊幹部学校
このサイトだ。 普段、こういうサイトを見る人は少ないのでは無いだろうか。私も初めて見た。
そこに興味深い資料が有った。 そのページを画面キャプチャ-で引用させて頂くと、以下の通り ここのページには、アメリカ国務省が南沙諸島に関して
中国が南シナ海における島嶼に対する主権主張の根拠とされているいわゆる「九段線(Nine-Dash Line)」について「国連海洋法条約(以下「UNCLOS」)」に照らし合わせて正当化され得ないとする報告書を公表した
と記載されていて、その報告書をPDFで読む事が可能だ。
参考のために全24ページの報告書の最初の2ページを引用させて頂く。 もちろん全部英文だ。
私には読みこなせないが、興味ある人は読んでみると良いかも。
ということで、結論としては、
南沙諸島、南沙群島の使い分けに注意しないと検索でヒットしない場合があるので要注意だ。
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追記 2015年12月19日(土)
第二回目の進入があったようだ。
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