以下ではレンタルサーバーの選択で重要な項目を一つずつ見ていきたい。
- 安い
- サーバーが速い
- ネットワークが速い
- トラブルが起きない
- 定期的にバックアップを取ってくれる(出来れば無料で)
- サポートが良い
- プランが変更し易い
- 追加オプションが豊富
- OSの再インストール機能が使い易さ
- 管理画面(コントロールパネル)が使い易い
- 使いたいアプリが標準で用意されている
安い
料金に関しては、安いのに越したことは無いので、自分の予算内で各社のプランを比較してその中から自分の目的に最適な会社を見付けるのが良い。
まあ、当然である。
無料サーバー
最も安いのは、無料サーバーだ。
無料サーバーを借りればサーバー代金は無料になる。あとは30円程度で取得出来る格安ドメインを使えば30円の出費で自分のサイトを持つことが可能だ(ただし二年目以降はドメイン更新料が2000円前後は掛かる)。
まあ、ワテの経験で言うと、無料サーバーは運営元の独断で利用者のデータが行き成り削除されるなどの危険性もある。真面目に運営していても、もしうっかりその無料サーバーの規約違反となるような何かの記事とか写真を掲載してしまったような場合。
もし有料サーバーなら、相当悪質ではない限り行き成り利用者のデータを削除する事は無いと思う。まず事前に注意を促すなどのアクションが取られるだろう。でも無料サーバーの場合には、ある日突然自分のWEBサイトのデータが全部削除されてしまったなどと言う事件も有るようである(ネットの情報を見る限り)。
なので、無料サーバーはあくまで何らかの実験用サイトとして運営するなどの用途にするべきだろう。
アフィリエイトに挑戦するなら、無料サーバーはお勧めしない。
有料サーバー
有料サーバーの場合でも格安なレンタルサーバーは月額100円くらいのプランもある。
そのプランに格安ドメインを組み合わせてブログサイトを作成しても費用的には月額100円~、初期費用1000円~もあれば足りるだろう。合計すれば二千円程度で一年間は自分のサイトを持つことが可能だ。
そのようにして始めた自分のサイトでアフィリエイト収益を毎月100円以上得る事が出来ればサーバー代を払っても収益としてはプラスになるので、継続すれば良い。
無料サーバーにするか有料サーバーにするかは迷う所であるが、無料サーバーで始めて1,2年ほど経ってハードディスク容量などが足りないなどの不満が生じたら有料サーバーに引っ越してもい。
引っ越し作業は、異なる会社間では作業が複雑になるが、同じ会社であれば無料プランから有料プランへの引っ越しは申請ボタンをクリックする程度で完了するなどの場合もあるので手軽である。
ワテのお勧め
もしアフィリエイト収益を得るのが一番の目的であるならば、最初から有料サーバーでサイトを運営するのも良いと思う。サーバー代金として毎月の料金を支払う以上は、アフィリエイト収益を上げたいという前向きな気持ちになるからだ。
かつサーバーの契約を一年契約(12ヶ月契約)にして一括払いにすると料金が10%程度割引になる会社が多いから、一年契約がお勧めだ。
と言う事で、ワテのお勧めとしては取り敢えず一年契約をしてみると良いだろう。万一自分には合わないなあと思って解約しても数千円~2万円くらいの出費で抑えられるので。
サーバーが速い
サーバーが素早くWEBサイトを表示するのは理想的だ。
良くデザインされたWEBサイトであっても表示するのに5秒も10秒も掛かっていたら訪問者は途中で別のサイトに移ってしまうだろう。
一般的な常識としては、ページの読み込み完了時間は遅くても3秒以内、2秒ならまあまあ、1秒以内なら理想的だ。
しかしながらそれらの時間を計測するためには、そのサーバーに自分のサイトを作った後でないと計測が出来ない。
事前に評価する手段としては、その会社のサーバーを使って運営している他人のサイトを見つけてページ読み込み時間などを計測してみるなどの方法がある。
或いは、お試し契約をしてみて自分で実際に使ってみるのが良い。
VPSサーバーの場合には、メモリ2GB、CPUコア数4個などの仕様が記載されているが、そういう数値だけでサーバーの善し悪しを判定するのは失敗の元だ。
その辺りの理由はこのページで説明しているので参考にして下さい。
ネットワークが速い
バックボーンのネットワーク速度を公開して、当社はこんなに強力なネットワーク回線ですというのをアピールしている会社も多い。
確かに、回線は太くて速いのに越したことは無いが、レンタルサーバーを借りてWEBサイトを作り始めたばかりの人であれば、訪問者数も微々たるものなので、訪問者が多すぎて回線がパンクするなどの心配は無い。だから、ネットワーク回線の仕様などはあまり気にしなくても良いと思う。
WEBサイトを評価する指標にPV(Page View, ページビュー)というのがある。WEBサイトのページが何回表示されたかという指標だ。
始めたばかりのサイトでは、毎日のPV数は数名~数十名程度だ。
頑張ってサイト内のコンテンツを充実させて、Google検索の上位に表示されるページが幾つか有る場合にようやく100PV~数百PV/日くらいだろう(ワテの経験では)。
それくらいのPV数を得るだけでも数か月は掛かるのが普通だ。もちろん例外もあるが。
仮に1000 PV/日になったとしても月間で3万PVだ。
それくらいのPV数ならサーバーのネットワーク回線の太さなどは全く心配する必要はないだろう。
もし月間100万PVくらいになったとしたら、遅い回線を使っているレンタルサーバーの場合には、レスポンスが悪いなどの症状が出るかもしれない。
その時はその時に考えれば良い。
トラブルが起きない
一年は何秒かと言うと、
356 * 24 * 60 * 60 = 31,536,000秒
だ。
サーバーの稼働率とダウンしている時間の関係を表にしてみた。
サーバー稼働率 | ダウンタイム |
99% | 3.65日 |
99.9% | 8.8時間 |
99.99% | 53分 |
99.999% | 5分 |
99.9999% | 32秒 |
表1 サーバー稼働率とダウンタイムの関係
サーバーはトラブルも無く止まらないのが理想的ではある。
しかしながら、まあ機械である以上は時々は故障する。故障して何日もサーバーが動かないなどの事態になるとそれは大事件だが、滅多にそんな事はない。
仮にハードウェアが故障しても、レンタルサーバー会社であれば最低でもRAIDなどの手法を使ってハードディスクを冗長化してデータの保全を図っているのが普通である。なので、サーバー稼働率が限りなく100%に近い会社が理想的ではあるが、どの会社を選んでも稼働率の数値はあまり気にしなくても良いと思う(ワテの意見)。
もし、運営しているサイトが月間百万PVなどになった場合には、一日のアフィリエイト収益も1万円以上が得られる場合もあるので、一日でもサーバーが停止すると損失は大きい。
そういう大規模サイトを運用する人は、念のために本サーバーとミラーサーバーの二台を立てて、それぞれを地理的に離れた場所に置くなどの安全対策を行うと良いだろう。
例えば北海道と東京にサーバーを借りるなどの安全対策だ。
今後起こる確率が極めて高い関東大震災が万一起こっても、北海道のサーバーが故障する確率は少ない。
定期的にバックアップを取ってくれる(出来れば無料で)
バックアップは重要だ。
自宅のパソコンでWEBサイトを作成して、それをFTPなどの手法でレンタルサーバーに送信する方式でWEBサイトを作っている人の場合には、自宅パソコンとレンタルサーバーの両方にデータが存在するので、自宅のデータがバックアップとなる。
一方、レンタルサーバー上のWordPressなどのソフトウェアを使ってWEBサイトのデータを直接書き込んでいる場合には、データはそのサーバー上にしかない。正確に言うならサーバー上のMySQLデータベースにデータが置かれている。
必要ならそのデータベースのデータを自宅パソコンに取得すれば安全ではあるが、手間が掛かる。
それとは別に、レンタルサーバー会社自身が、ユーザーデータのバックアップを取得しているのが普通である。その場合に、会社の責任でデータが消えた場合には(例えばHDD故障など)、無料でデータは復元されるであろう。一方、自分がうっかりデータを消してしまって、それを会社が取得しているバックアップデータから復元してくれるサービスもある。
通常、その手のデータ復元サービスを利用する場合には有料(数千円の手数料)になる場合が多いので、契約する前にそれらの機能の有無、料金などを確認しておくと良い。
サポートが良い
サポートの善し悪しは重要である。
もしあなたがLinux OSやApacheサーバーやネットワーク関連の専門家であれば、自由自在に設定を行ったり、必要なソフトのインストールなどを出来るだろう。
でも、初めてレンタルサーバーを借りる人でそんな人は滅多にいない。右も左も分からないと言う人が殆どだろう。そういう時に頼りになるのはカスタマーサポートだ。
こればっかりは契約をしてみて何かトラブルが有った場合にどういう対応をしてくれるのかを見てみない事には分からない。
そういう点では、お試し契約をしてその期間中にいろいろ質問をしてみて自分で確認するのがベストだろう。
お試し期間中は物凄く対応が良く、本契約に移ったとたんに対応が悪くなるなどの悪質な会社は無いと信じたい。ワテの経験では、そういう会社は無かった。お試し期間中に親切なサポートをしてくれる会社は、本契約に移ってもサポートが良かった(ワテの場合)。
と言う事で、サポートの善し悪しは重要なチェック項目だ。
一部の少数の会社には、お試し期間が無い会社がある。
そういう会社を選択する何か特別な理由でもあるなら契約をしても良いと思うが、一般論としては、お試し期間の無い会社をいきなり本契約するのは失敗の元である。
プランが変更し易い
あなたのサイトが半年後、一年後に徐々に訪問者数も増えて来て、より上位のプランに変更したいと言う時期が来る可能性もある。
- ハードディスク容量が足りなくなった。
- サイトの表示速度が遅いのでCPUコア数やメモリを増やしたい(VPSの場合)。
などだ。
あるいは逆に、無理して上位プランで契約したのだが、オーバースペックだったので安い下位プランに変更したいと言う人もいるだろう。
これらのプラン変更手続きは簡単に出来るのに越したことは無い。
具体的に言うなら、最も理想的なのは今現在利用しているデータや各種の設定環境をそのまま維持したままで、ボタン一つで別のプランに変更依頼が出来る会社が理想的だ。
中には、プラン変更をするなら別契約をして自分でデータを移す必要があるなどという会社もある。その後で、元々の契約は解約する必要がある。非常に手間が掛かる。
プランの変更は、多くても年に一回やるかどうかという程度なので、その時はその時に考えれば良いかもしれないが、簡単に出来るのかどうかを事前に調査しておく事は重要だ。
それと重要な点は、レンタルサーバー会社がプラン変更を簡単に出来る仕組みを作っていると言う事は、それだけ利用者の立場で使い易さを考えたシステム設計になっていると言う事なので、総合的に見ても他のサービスに関しても満足度が高い場合が多い。
そういう観点で各社を比較検討すると良いだろう。
追加オプションが豊富
これは上述のプラン変更にも関連するが、プランを変更しなくても同じプラン内で追加で選択出来るオプションが多いのは有り難い。
ハードディスク容量を増やす場合は、追加オプションで出来る会社が殆どだが、稀にそうでは無い会社もあるので注意が必要だ。
また、申し込み時に選択したオプションを別のオプションに変更出来ないという制限がある場合も稀にあるので、その辺りも要チェックだ。
OSの再インストール機能が使い易い
共用サーバーの場合は自分でOSをインストールをする必要はないので、これはVPSを契約したユーザー向けのアドバイスになる。
VPS初心者の人は、最初のうちは何らかのソフトのインストールに失敗してソフトが正しく動かないとか、最悪OSその物が起動しないなどのトラブルになる事も多いだろう。そういう場合に、管理画面にログインして[OS再インストール]などのボタンをクリックするだけでOSが再インストール出来て初期化出来ると安心だ。何度失敗しても再インストールすれば回復出来る。
会社によってはOSの再インストールは自分では出来ずに、レンタルサーバー会社に依頼して作業を行ってもらう必要があるケースもある。かつ料金が有料で数千円程度の費用が掛かる場合もある。
従って、VPS初心者の人は出来ればOS再インストールが簡単に出来てかつ無料の会社を選ぶのが良いだろう。
管理画面(コントロールパネル)が使い易い
共用サーバーでもVPSでも契約すると管理画面のユーザーIDとパスワードが与えられる。
そのユーザーIDとパスワードを使って管理画面にログインすると、自分が借りているサーバーに関して各種の設定や変更を行う事が出来る。管理画面はコントロールパネルとも呼ばれるが、そのデザインや機能はレンタルサーバー会社ごとに異なる。
貧相な管理画面だと、OSの起動、停止、管理者パスワードの変更くらいしか出来ない会社もある。
逆に、機能が豊富な例としては、
- OSの起動/停止/再インストール(VPSの場合)
- 各種のアプリケーションの自動インストール機能(独自ツールあるいはPleskなどで)
- 複数ドメインの管理機能(マルチドメイン)
- 追加オプションの変更機能(HDDやSSDを追加するなど)
など、様々な操作が可能だ。
ここでPleskと言うのは商用ソフトウェアで、VPSサーバーの管理機能を持っている。
VPS契約をする場合にこのPleskオプションを有料で選択出来る会社も多く、このPleskを使うと簡単にVPSサーバーを管理できる。詳細に関しては、本サイトのVPSの項目を見て頂きたい。
使いたいアプリが標準で用意されている
共用サーバーでもVPSでも、管理画面にログオンしてその中の機能を使って標準的なアプリケーションが簡単にインストール出来るのが望ましい。
例えば一つの例を紹介してみよう。
XSERVERの管理画面の例
例えばXSERVER社の共用サーバーでX10というプランがある。
月額料金1000円程度で借りられるレンタルサーバーで、格安とは言えないがサポートも良くサーバー性能も良くてストレス無く使えるお勧めのサーバーだ。実はこのサイトもX10で動いている。
このXSERVERの場合には、簡単インストールと言う独自機能が有り、世間でよく利用されている有名どころのアプリケーションを文字通り簡単にインストール出来る機能がある。
例えばWordPressの簡単インストールを実行すると、数秒でインストールや設定が完了してその直後からユーザーIDとパスワードを使ってログインして、WordPressを使ったブログサイトを作成する事が可能だ。
実は、この「われこ式レンタルサーバー比較」のサイトもそうやって簡単インストールしたWordPressを使って作成している。
もしWordPressのインストール作業を自分で行うとなると、かなりの経験と技術力が必要とされる。
具体的には以下のような作業手順となる。
- MySQLデータベースソフトのインストール
- MySQLにWordPressデータを保管する為のデータベースとテーブルを作成する
- PHPというプログラミング言語のインストールとMySQL関連の細々とした設定作業
- WordPressのインストールとMySQLとの関連付作業
これでWordPressを使う事が出来る。
ただし、MySQLデータベースはインストールしただけでは性能が出ない場合もあるので、必要に応じて設定パラメータを変更して性能向上の為のチューニング作業が必要となる。
この辺りの作業は初心者がいきなりやってもなかなか上手くは行かない泥臭い分野だ。
ところがXSERVERの簡単インストールの場合には、X10環境に最適化されたWordPressやMySQLがボタンをワンクリックするだけで一瞬でインストール出来るのだ。もちろん削除もワンクリックで出来る。それらの作業を行っている間も既存の他のWordPressサイトには影響はないのでWEBサービスが停止する事はない。
ワテ推薦の共用サーバーの一つがXSERVERだ。
最下位のX10プランでも月間100万PVくらいなら十分行けると思うが詳細はXSERVER社のサイトで確認して頂きたい。もちろん上位プランへの変更も容易に出来る。
アダルト系での利用の可否
共用サーバーでもVPSでも契約内容にアダルトサイトとしての運用を禁止している会社が多い。
多くのアダルトサイトは海外サーバーを使って運用されている場合が多い、しかしながら、少数派ではあるが一部の国内レンタルサーバー会社でもアダルトとしての運用が可能なものが有る。
もしそういう用途のサイトを構築する予定がるのなら、契約する時点で十分確認しておくと良いだろう。
一方、アダルトサイトとしての運用は考えていない人で有っても注意が必要だ。
それは、自分が契約したサーバーがアダルトサイトとしての運用か許可されている場合には、他の利用者がアダルト系のサイトを運用している可能性が高い。
そういうサイトは画像や動画を多数配信している場合が多いので、CPUやネットワークのリソースを大量に占有する危険性がある。その結果、あなた自身のサイトの表示速度が遅くなったりするなどの弊害が出るのだ。
そういう最悪なサーバーを借りてしまった場合には、解決方法は一つしかない。
別の会社に引っ越すしかない。
だから、そういう失敗が無い様に事前に十分確認しておく必要がある。
以上、大変長文になったが、レンタルサーバー会社を選定する上でチェックすべき項目をワテの経験に基づいて説明してみたので皆さんの参考にして頂きたい。