しかしまあ11月末だと言うのに暖かい。もう地球は温暖化が止まらないから北極や南極の氷河が溶けて十年後くらいには世界の沿岸部の都市は殆ど水没しているだろう。
さて、そんな事はどうでも良いのでこの三連休を利用して電子工作を行う事にした。
下の記事で紹介しているラッチングリレー式のアンプ・スピーカーセレクター製作プロジェクトを完成させたい。
前回記事ではPCBgogoさんで作った専用基板一枚にパーツを半田付けして動作確認したところ、無事に動作した。
当記事では、残りの基板に一気にパーツを半田付けした過程を紹介したい。
では、本題に入ろう。
六組スピーカー切り替えのラッチングリレー式スピーカーセレクター
ワテが作ろうとしているスピーカーセレクターは下図のようになる。
図 六組スピーカー切り替えスピーカーセレクター(ラッチングリレー式)
このスピーカーセレクターの特徴としては、以下の通り。
- 左右独立モノーラル構成のスピーカーセレクター
- 左右セレクターは有線ケーブル接続して連動する
- 一方のセレクターに六連のモーメンタリ型プッシュボタンスイッチを付ける
- 選択中のスピーカーに対応するLEDが点灯する
- 六組のスピーカーを切り替えられる
- ラッチングリレー(=ラッチリレー)を採用
- 将来的にはリモコン式にしたい
などか。
プッシュボタンスイッチ押下で対応するスピーカーを選択する機能は、SN74HCT00(四回路NAND)を使ってD-latch回路を構成して作成した。ラッチングリレーのセットコイルやリセットコイルの駆動はSN74HCT14(6回路シュミットトリガインバーター)を使って作成した。
まあD-latch回路の部分は、74HCT373や74HCT573などの8入力D-latchか、74HCT374や74HCT574(D-type flip-flop)を使えば、わざわざ74HCT00で作らなくても良かったし、回路も簡素化出来る。
あるいはArduinoやPICなどのマイコンICを使えば、SN74HCT14を使って発生させているコイル駆動パルス回路自体を省略できるのでIC一個に置き換えられる。
でもまあ、ワテのデジタル回路の勉強の意味も込めて74HCT00やSN74HCT14で組んでみたのだ。と言うかマイコンICをワテが使えないのでw
それに、ワテ方式だと単純に基板を増やして並列に連結すれば切り替えられるスピーカーの数は幾らでも増やせる。
さらに、このスピーカーセレクターの入出力を逆にすればアンプセレクターにも使えるので、今回はアンプセレクターも作るのだ。
と言う事で、上図のセレクターを2セット作成する。つまり、リレーが六個乗っている基板を合計8枚作ればいいのだ。
前回記事では、取り敢えず基板1枚を作成したところ無事にラッチングリレーの切り替えに成功したので、今回は残り七枚の基板を一気に作成するのだ。
残り七枚のリレー基板を一気に半田付けする
写真 PCBgogoさんに製作依頼したワテ設計のセレクター基板(ラッチングリレー搭載)
抵抗から半田付けを開始
取り敢えず1KΩの抵抗を半田付けした。秋月で買った100本入りカーボン抵抗を使い切ってしまった。
写真 セレクター基板七枚を一気に完成させる(まずは抵抗を半田付け)
ハンダリール台の使い方を間違っていた!?
ワテの場合、下写真に示す二段式ハンダリール台にΦ1.2mmとΦ0.6mmの千住スパークルハンダを付けて使っている。
で、今回大量にパーツを半田付けするので上写真のようにリールから半田を引っ張って半田付けしたのが、実は従来のワテはハンダリール台から数十センチくらいだけ半田を切り取ってそれを手に小さく巻き取って半田付けしていたのだ。
下写真のような形にしていたのだ。
でも、このように巻き取ると最後の1~2cmくらいになると半田付けし辛いので、それはピンセットで挟んで半田付けするなどしていたのだ。
ところが今日、リール台から引っ張った半田を切らずに手で持って半田付けしたのだが、それが物凄くやり易い。
なぜなら、リールから常に半田が供給されるので手で持っている半田が短くなって行くわけではないからだ。
正に眼から鱗。
ハンダリール台ってのはこう言う風に使うのかw
マスキングテープが大活躍
基板に差し込んだ抵抗が抜け落ちないようにするために、マスキングテープを貼り付けると作業がし易い。
写真 半田付け作業にはマスキングテープが必須だ
大量の抵抗やダイオードを半田付けする単純作業なので、兎に角一心不乱に作業した。
でも、ウッカリして床にパーツを落とす事もある。
あるいはニッパでカットしたリード線がどこかに飛んで行くと物凄く気になる。
で今日、何度かそんな事があったのだが、床に落ちたはずの抵抗が見当たらない。
10分くらい探したのだが見付からない。
抵抗が行方不明
足元に落ちたはずなので無くなるはずが無いのだが、見付からないのだ。
時空の隙間に吸い込まれてしまったのか?と疑うくらいに見付からない。
で、10分くらい探し回ったらようやく見付かったのだ。
下写真のように床板の隙間に嵌っていたのだ。
まるで昆虫の擬態のように、隙間に身を潜めていたカーボン抵抗。
どうやって見付けたかと言うと、部屋を暗くして懐中電灯で横から照らしたら下写真のように見付ける事が出来たのだ。
まあ、ニッパでカットしたリード線がどこかに飛んで行った場合も、床に這いつくばってそのリード線を探し回った。そんなのが五回くらいあったかな。
リード線が飛んで行かないニッパってないのかな?
爪切りなら、切った爪が飛び散らないようにプラスチックケース付きの製品があるので、それを真似したようなニッパが有れば良いのに。
リードベンダーが大活躍
作業を開始して三時間くらい経っている。
もう半田付けが嫌になって来たw
でもまだまだ半田付けしなくてはならない。
ヤフオクで大量に買ったダイオードの在庫があるので、ドンドン使った。
写真 サンハヤトのリードベンダーで一心不乱にリード線を折り曲げる
ワテの場合、半田付けする前に、リード線は短くカットしておく。
カットせずに長いままで半田付けして、その後でカットする人もいるが、ワテの場合は、最近では、先にカットする派だ。
リード線を一定長さに揃えてカットしたい
前々から思っていたのだが、下写真のようにリード線をニッパーでカットする時に残すリード線の長さをどれも同じ長さに揃えたいのだ。
写真 ニッパーでカットする時に残すリード線の長さを揃えたい
現状では上写真のように目分量でカットしているので、短くカットし過ぎる事も偶にある。もし長過ぎた場合には、再度カットして適切な長さにすれば良いが、一旦短くカットし過ぎた場合にはどうしようもない。
なので、一定長さに揃えてカット出来るニッパーが有ればいいのだが。
例えば、刃先に3mmくらいの細い棒状のものを接着剤で貼り付けてみるかな(下写真)。
図 プリント基板から出たリード線を一定寸法に揃えてカット出来るニッパーの案
突起はネジ式にして、飛び出し寸法を微調整出来るようにしても良いかも。でも3mm程度の固定寸法でも良いかな。
今度試してみたい。
ニッパを買うならフジ矢がお勧めだ。
電子工作なら下写真の小さめがお勧め。
予算に余裕があれば下写真の強力なペンチも欲しい。
ラジオペンチもフジ矢で揃えたい。
そしてミルキーも
ペコちゃんの趣味は電子工作か?知らん。
コンデンサは足間隔2.54mm/5.08mmの両対応基板にしている
コンデンサは抵抗みたいにリード線を曲げる必要が無いので作業が楽だ。
でも、小さな積層セラミックコンデンサの場合、足間隔が2.54mmや5.08mmなど種類がある。
上写真のようにリード線間隔がどちらの寸法でも対応できるように基板を設計している。
その拡大写真を以下に示す。
写真 左は足間隔5.08mmの積セラ、右は足間隔2.54mmの積セラ
このような設計テクニックは些細な事だが、この手の小細工を入れておくと半田付け作業がやり易い。
取り敢えず八割方半田付け作業が完了したリレー制御基板
写真 残す作業はリレー、トランジスタ、ICなどの半田付けのみ
上写真のように、一気に半田付けした七枚の基板は、残すはリレー、トランジスタ、ジャンパー線の半田付けを残すのみとなった。
明日やるかな。
大量のリード線をカットした
ちなみに今回の作業でカットしたリード線の残骸は以下の通り。
写真 豆腐の空容器の半分くらいの高さほどあるカット済リード線
半田ヒュームは有害
半田付け作業中に発生する煙(ヒューム)は人体に有害だ。
参考までに厚生労働省のサイトから関連する情報を引用させて頂く。
「平成 26 年度厚生労働省委託事業
危険有害業務に従事する家内労働者の実態把握調査
調査報告書」
・はんだ付け作業で発生するヒュームを長期間吸入した場合、はんだに含まれている金属類やフラックスの成分によっては、じん肺、急性中毒、喘息発作等が発生するおそれがある。卓上扇風機で煙を飛ばしているとのことだが、うまく換気できない場合は、金属蒸気等を拡散する結果となってしまうおそれもある。
引用元 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000080007.pdf
ワテの場合は、窓を開けて換気扇を回しながら作業を行ったのだが、今日一日で約6時間くらい半田付け作業を行った。
なので、卓上ファンを追加するなどして強制的にヒュームを屋外に排気するなどの装置を自作したいと思っている。
白光さんのこの製品は有名だ。
でも値段が高いので、ワテの場合は何らかの安いファンを入手して自作したいと思っている。
例えば上写真のようなファンを使うなど。
あるいは下写真のような台所用換気扇の小型のタイプのやつを卓上で使うと言うアイディアでも良さそう。
まとめ
六組スピーカー切り替え可能なスピーカーセレクターと六系統アンプ切り替え可能なアンプセレクター製作プロジェクトがかなり進んだ。
今回の作業で、残り七枚の基板にパーツの半田付けを八割方完了する事が出来た。
あとはリレー、トランジスタ、ジャンパー線、CMOS ICなどの配線をすれば完了だ。
先日作成した一枚の基板で、プッシュボタンスイッチ押下でラッチングリレーが切り替わる動作確認は出来ている。なので、残り七枚の基板にはICソケットは使わずにCMOS ICを直接半田付けする予定だ。
兎に角、スピーカーセレクター&アンプセレクターを早急に完成させたい。
しかしまあセレクターを作る事自体が目的になってしまっている気がするw
ワテお勧めのアンプ・スピーカーセレクター
たまたたアマゾンを見ていて良さそうなアンプセレクター、スピーカーセレクターを見付けた。
最大で二台のパワーアンプ、四台のスピーカーを接続して切り替える事が出来るのだ。
ヘッドホンでモニター出来る機能とボリュームも付いている。
大型のスピーカー端子が24個も付いている。秋葉原の電子部品屋さんでこの端子を買えば一個200円前後はするだろう。24個ならそれだけで三千円程度の部品代だ。
なので、自作でこのようなスピーカーセレクターを作るくらいなら、上製品を買ってしまう方が安いし確実だろう。
ただし、ワテは上製品は使った事が無いので、実際に使ってみた感想は分からないw
あくまで見た目で判断した印象を述べたまでだ。
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