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【ワレコ調査】ロシアのドーピング疑惑問題と「永久に破られることが無い陸上女子世界記録」

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ロシア陸連が組織的なドーピングを行った疑いがあるというニュースが、陸上競技の世界を騒がせている。

世界反ドーピング機関(WADA)独立委員会は2015年11月9日、報告書を公表した上で、国際陸連(IAAF)がロシア陸連に資格停止処分を科すべきだと勧告したそうだ。今後の状況によっては、ロシアは2016年リオデジャネイロ五輪などに参加できない可能性が出てきたらしい。

 

市販の風邪薬などを飲んでも、中にはドーピング検査で引っ掛かるものもあるようなので、この手の問題は白黒付けるのはとても難しい問題だと思う。

引き続き注目して行きたい。

 

ところで皆さんは、陸上競技の世界には「永久に破られることが無い陸上女子世界記録」という言葉が有るのをご存じだろうか?

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永久に破られない陸上女子世界記録

Wikipediaの陸上競技の世界記録一覧で、女子の記録の一部を引用すると以下の通り。

種目

記録

選手

国名

日時

場所

100メートル競走

1049

フローレンス・ジョイナー  アメリカ合衆国 1988716 インディアナポリスアメリカ合衆国
200メートル競走

2134

フローレンス・ジョイナー  アメリカ合衆国 1988929 ソウル大韓民国
400メートル競走

4760

マリタ・コッホ  東ドイツ 1985106 キャンベラオーストラリア
800メートル競走

15328

ヤルミラ・クラトフビロバ  チェコスロバキア 1983726 ミュンヘンドイツ
走高跳

2.09m

ステフカ・コスタディノヴァ  ブルガリア 1987830 ローマイタリア
走幅跳

7.52m

ガリナ・チスチャコワ  ソビエト連邦 1988611 レニングラードソビエト連邦
砲丸投

22.63m

ナタリア・リソフスカヤ  ソビエト連邦 198767 レニングラードソビエト連邦
円盤投

76.80m

ガブリエレ・ラインシュ  東ドイツ 198879 モスクワソビエト連邦
やり投(旧規格)

80.00m

ペトラ・フェルケ  東ドイツ 198899 ポツダムドイツ

引用元 陸上競技の世界記録一覧 – Wikipedia

これらの記録は、女子陸上世界記録のうち今(2015)から30年以上も前の1980年代に樹立された記録で今でも破られていない記録を取り出したものだ。

100m・200mのフローレンス・ジョイナーはアメリカだが、それ以外の記録には共通点があり、すべて旧共産圏の選手なのだ。

旧共産圏は東側諸国とも呼ばれるが、具体的にはソビエト連邦および中央ヨーロッパ・東ヨーロッパの衛星国(ブルガリア、ルーマニア、ハンガリー、チェコスロヴァキア、東ドイツ、ポーランド、1960年代前半まではアルバニアも含む)の国々を指して使われる言葉だ。歴史的には第二次世界大戦以降ベルリンの壁崩壊事件(1989年11月9日)までの冷戦期間中に良く使われた言葉だ。

女子陸上の驚くべき世界記録

さて、これらの80年代に樹立された女子陸上の世界記録の中でもとりわけ注目すべきものがある。

それは女子400メートルだ。 それは何故か?

まずは、2015/8 現在の女子400メートルの世界歴代の上位10人の記録を見てみよう。

Rank

Time

Athlete

Nation

Date

Location

Ref

1. 47.60 Marita Koch  East Germany 6 October 1985  Canberra  ここから
2. 47.99 Jarmila Kratochvílová  Czechoslovakia 10 August 1983  Helsinki  
3. 48.25 Marie-José Pérec  France 29 July 1996  Atlanta  
4. 48.27 Olga Vladykina-Bryzgina  Soviet Union 6 October 1985  Canberra  
5. 48.59 Taťána Kocembová  Czechoslovakia 10 August 1983  Helsinki  
6. 48.63 Cathy Freeman  Australia 29 July 1996  Atlanta ここまで80,90年代
7. 48.70 Sanya Richards-Ross  United States 16 September 2006 Athens  ようやく2000年代
8. 48.83 Valerie Brisco-Hooks  United States 6 August 1984 Los Angeles  
9. 48.89 Ana Guevara  Mexico 27 August 2003 Paris Saint-Denis  
10. 49.05 Chandra Cheeseborough  United States 6 August 1984 Los Angeles  

引用元 Wikipedia

 

注目すべきは、1位から6位までの記録は、全て80年代90年代の記録で、2000年代に入っても上位6位以内に入る記録が一つも出ていない。

2006年にようやく7位の記録が出ているだけなのだ。8位、10位も80年代の記録だ。

つまり30年前の女子陸上の世界には、現代人には想像も出来ないスーパーアスリートが多数存在した事になる。

 

この中の1位と7位の記録を比較すると

1位    47.60    Marita Koch      East Germany 6 October 1985    Canberra
7位    48.70    Sanya Richards-Ross  United States 16 September 2006  Athens

その差は 1.1秒だ。

400mを50秒で走るとすると、秒速は

400m / 50秒 = 8m/秒

だ。

その競技で1.1秒の差というと距離で8.8mだ。0.88mではなく8.8mなのだ。

私が計算間違いをしたのかと心配になったので3回くらい再計算したくらいだ。

400mトラックを一周走って、ゴール直前で約9mもの差があるのだ。圧倒的な差だ。

そんな記録が1985年に記録されて、それ以降30年も破られていない。

 

これは、もう本当に永久に破られることはないと言う意見が出ても不思議ではないだろう。

では、その理由は何か?

永久に破られない陸上女子世界記録の理由は何か?

私には分からない。旧共産圏で国家ぐるみで行ったドーピング疑惑などの噂もあるようだが、私は陸上の専門家でも何でもなく、単にネットで見た情報を元に推測しているだけなので何とも言えない。

いずれにしても、事実として、上に書いたような驚くべき記録が有る事には間違いは無い。

これ以外にも、1990年代に世界記録を続出した馬軍団(マーぐんだん)と呼ばれる中国人選手のグループもあるので興味ある人は調べてみると良いだろう。

Marita Kochの400m世界記録の動画を発見

追記(2015/12/01)

YouTubeにそのMarita Koch400mで世界記録を出した時の動画が有った!

永久に破られない女子陸上世界記録の中でも、未来永劫、絶対に破られないだろうと思われている最も有名な記録だ。

マリタコッホ選手は第2レーン(内側後方から2番目)だ。

確かにレース中盤の牛蒡抜きは、人間業には見えない!

ジェットエンジンのような加速だ。

ゴール直前でも2位の選手はかなり追い上げてはいるが、3位以下には20メートル?以上くらいの圧倒的な差が付いているぞ。

トータル15分の動画だ。前半部分は、現在の彼女が登場しているようだ。お元気そうだ。

政治家なのか?

ドイツ語のナレーションなので良く分からない。

2位の旧ソ連のオルガ・ブリズギナと言う選手も凄い

ところで、この動画の2位の選手もコッホに敗れたとは言え、記録的には物凄いわけだ。気になったので調査してみた。

英語版の Marita Koch の Wikipedia にそのあたりの説明を見つけたので以下に引用させてもらう。太字はワテが追加したもの。

The 400m world record run

Koch running in lane 2 came out of the blocks at a scorching pace, destroying the stagger on most of her competitors by the end of the first bend. Her 100 m split time was reported to be 11.3 seconds, while her 200 m split time was reported to be 22.4 seconds. At the half-way point in the race she had completely disregarded most of a world class field. Her 300 m split was reported to be 34.1 seconds (hand timed).

During the final stages of Koch’s WR 400 m race the original video footage only captured Koch and Olga Bryzhina (née Vladykina) of the Former USSR, trailing behind but closing the gap. The rest of the field had been left so far behind, they were not panned by the camera as Koch and Vladykina crossed the finishing line.

1位になったマリタコッホのラップは以下の通り。

100mラップ 11.3 秒

200mラップ 22.4 秒

300mラップ 34.1 秒

400mゴール 47.60 秒 (2016/8/15現在 世界1位)

 

2位の選手は、旧ソ連のオルガ・ブリズギナと言う選手だ。

この人の記録は48.27秒であり、この記録も現在(2016/8/15)の時点で世界歴代4位の物凄い記録である。なので、上記表の4位のところにこの人の名前がある。

1位のマリタ・コッホと同じく1985年10月にオーストラリアのキャンベラで開催されたIAAF陸上ワールドカップで樹立された記録なのだ。

 

そして二人とも、旧共産圏の選手だ。

 

ちなみに、上記のYouTubeの動画のコメントや、あるいは、英語版マリタコッホWikiにも、ドーピングに関しての記載があるのだが、英語が苦手なので良く分からない。

 

まあ、一般に薬物でドーピングをすると、寿命が短くなり早死にする人が多いというような噂もあるが、コッホさんはとてもお元気そうだ。

ドーピングに対するワテの意見

時々ニュース報道で見掛けるが、ドーピングの抜き打ち検査で陽性を示して、出場停止になる選手がたまにいる。

その中には、意図的にドーピングを行っていた選手もいるかもしれないが、中には、知らずに飲んだ風邪薬に禁止成分が入っていたなどのウッカリミスもあるだろう。

まあ、それも選手自身の自己管理能力不足なので、仕方がないと言えばそうなのだが、少し気の毒な気持ちになる。

もしワテがオリンピック委員長に就任したら、ドーピングに関しては0と1で判定する現行方式ではなくて、ここまでならOKと言う方式にするなあ。

例えば筋肉増強剤Aは、尿100ミリリットル中に1000ppmまでなら出ても良いとか。

それなら、風邪薬に含まれている程度のごく微量のA剤の成分が検出されたとしても、その選手は救われるし。

あるいは意図的に筋肉増強剤Aを摂取して筋力を付けたい人は、999ppmまでしか出ないようにA剤を摂取する量を控えれば良いし。もし1000ppmを超えてアウトになったとしても、それは自己責任だし。

と言う訳で、ドーピングウッカリミス救済システムだ。

どうかな、このアイディア。

まとめ

1980年代から90年代にかけて、陸上競技の世界で国家ぐるみの組織的ドーピングが行われていた事は明白な事実だろう。

特にソ連や東欧の旧共産圏の国家では、ほぼ間違い無く国家を上げてドーピングが行われていたと思われる。

あるいは、アメリカその他の国々でも多かれ少なかれ、ドーピングを行っていた選手はいると思われる。

 

ちなみに、こういうのならドーピングにはならないんだろうな。たぶん。

美味しいのかな?

ワテは食べた事はないのだが。

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