
電子ボリュームを作ることにした。
ワテも今までに幾つかのオーディオ機器を自作したが、最近では音量調整用の2連ボリュームで良いものが少ない。
と言う事で、電子ボリュームを作ってみるのだ。
この手の電子ボリュームICはマイコン制御が必須だが、最近のワテはAVRマイコンもPICマイコンもある程度は使いこなせるようになったので、その点は心配は無い。
当記事は電子ボリューム製作プロジェクトの第一回目で、採用した電子ボリュームICのMUSES72323の紹介、KiCadを使って基板設計をする作業過程、基板製造メーカーのPCBWayさんへの発注手順を紹介したい。
では本題に入ろう。
2連ボリュームの良いものが少ない
自作オーディオに使う2連ボリュームと言うと下写真のような製品が多い。
上写真のような小型の2連ボリューム(可変抵抗器)は、安価で入手しやすい反面、左右の音量差(ギャングエラー)が発生しやすいという大きな弱点がある。
ギャングエラーを解消するために、ロータリースイッチに多数の抵抗をはんだ付けして切り替えるタイプの高級アッテネーターもあるが、数万円くらいの価格なので手軽には利用出来ない。
なので、現状ではオーディオ機器の自作に2連ボリュームを使いたい場合には、下写真のアルプス電気や東京コスモスのボリュームくらいしか選択肢が無いのが実情だろう。
しかしながら、これらのボリュームでもギャングエラーはかなり大きい。
具体的には、アルプスアルパイン(旧アルプス電気)の2連カーボンボリューム「RK271シリーズ」の相互偏差(ギャングエラー)の公称スペックは以下の通り
-70dB to 60dB 3dB max.
-60dB to 0dB 2dB max.
引用元 https://tech.alpsalpine.com/e/products/detail/RK27112A0A16/
以下はGoogle AIさんの解説だ。
「+2dB」の場合なら 電力(ワット)で見た場合 「約1.58倍」、電圧・音圧が「約1.26倍」の違いになります。
と言う事で高音質で高精度な電子ボリュームを作ってみることにしたのだ。
高音質オーディオボリュームMUSES72323の紹介
ワテの場合、電子ボリュームを作るは初めての経験だ。使った経験は何度かある。具体的には以前に購入したデジタルアンプは電子ボリューム式だったが、最近ではあまり使っていない。
で、どんな電子ボリュームを作るか検討した結果、秋月電子のサイトに売っているMUSES72323と言うICを採用することにした。
秋月電子のサイトから主な仕様を引用すると以下の通り。
型番 MUSES72323
発売日 2020/08/04
メーカー 日清紡マイクロデバイス株式会社(JRC/NewJRC/NJR)
・通過ゲインmin.:-111.75dB
・通過ゲインmax.:21dB
・チャンネルセパレーションmax.:-90dB
MUSES72323のデータシートから引用すると左右チャンネル間の利得差、つまりギャングエラーは以下の通り。
| 項目 | 記号 | 条件 | 最小 (Min) | 標準 (Typ) | 最大 (Max) | 単位 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| チャンネル間利得差1 | GV1 | 通常時 | -0.5 | 0 | 0.5 | dB |
| チャンネル間利得差2 | GV2 | Volume = -60dB | -1.0 | 0 | 1.0 | dB |
上表を見ると、通常時で±0.5dB, 小音量時(-60dB減衰)で±1.0dBとの事だ。かなり小さいギャングエラーだ。
なおこの電子ボリュームMUSES72323は外付けのオペアンプを組み合わせて使う。その場合、上に引用したように最大で-111.75dB減衰させられるだけでなく、最大で21dB増幅させる事もできるのだ。
つまりプリアンプとしても利用できるのだ。
MUSES72323は外付けオペアンプ方式
一般的な電子ボリュームはオペアンプも内蔵しているものが多いが、このMUSES72323の場合は外付けオペアンプ方式を採用することで、利用者が色んな種類のオペアンプを試せるようにしてあるのだろう。
かつ、バイポーラ入力型オペアンプやFET入力型オペアンプのどちらでも対応している。ただし回路が若干異なるが(下図)。
図 MUSES72323とオペアンプの組み合わせ回路(J-FET/バイポーラ)
上図からFET入力オペアンプとバイポーラ入力オペアンプの回路図の部分を以下に取り出した。
![]() |
![]() |
| ◆J-FET 入力タイプ·オペアンプ使用例 | ◆バイポーラ入カタイプ·オペアンプ使用例 |
図 MUSES72323の外付けオペアンプの回路図比較(J-FET/バイポーラ)
上図を見ると、外付けオペアンプのプラス入力側にMUSES72323の出力を接続し、オペアンプ出力からMUSES72323にフィードバックして内部20KΩ可変抵抗でゲインを制御してオペアンプマイナス入力に入っている。
なのでオペアンプのNFB抵抗の値をMUSES72323側で制御してゲインを変更しているようだ。
ちなみに上図でFET入力タイプオペアンプの回路図とバイポーラ入力タイプオペアンプの回路図の違いは、外付けオペアンプのプラス入力部の10μFコンデンサと470KΩ抵抗の有無のみだ。
バイポーラ入力タイプオペアンプの場合には、DCカット用にこのコンデンサと抵抗が入れてある。
今回はバイポーラ入力タイプオペアンプの回路図を参考にして基板設計を行う。その場合にはもしFET入力タイプオペアンプに差し替えて使いたい場合には10μFと470KΩを取り外すのが良いが、付けたままでも問題なく動作するだろう。
KiCadでMUSES72323+PIC基板を設計する
このニ週間ほど、夜、時間がある時に、KiCad10を使ってコツコツと基板を設計した。
下図が完成したプリント基板に部品を実装した3DCGだ。

図 MUSES72323電子ボリューム+PICマイコン制御基板(完成予定図)
上図でMUSES72323周りに十個くらいある電解コンデンサの絵柄はKiCad標準のごく普通の電解コンデンサの絵柄で描いている。
でもここにはオーディオグレードの高品質電解コンデンサかOSコンを取り付けたいところだ。
それと、バイポーラオペアンプのDC入力カット10μFコンデンサは、日清紡マイクロデバイスのデータシートでは電解コンデンサの絵柄で描かれているが、ここもオーディオ用フィルムコンを取り付け予定だ。候補としては秋月電子通商で売っている「薄膜高分子積層コンデンサー(PMLCAP) 10μF25V 5750サイズ」を予定している。
この基板の仕様や特徴は以下の通り。
- 電源電圧:DC7~9V(推奨8V)ACアダプター (Φ2.1/5.5 mm)
- PIC18マイコン採用
- 2回路入りバイポーラタイプオペアンプ(DIP8)1個を挿す
- オペアンプ電源±15Vは基板上のDCDCコンバーターで生成
- ロータリーエンコーダ基板は別基板に分離しフラットケーブル接続
- 赤外線リモコンでも制御可能
- 入力セレクター機能(別基板)を接続可能
などか。
電源の説明
MUSES72323の電源仕様は以下の通り。
アナログ ±10 to ±18V
デジタル +3.0 to +5.5V
今回はデジタル電源は+3.3Vで使うことにした。
一方、アナログ電圧は±15Vを供給する。
この±15V電源は秋月電子通商で売っている以下の製品を採用した。
・出力電流min.:±25mA
・出力電流max.:±100mA
・入力電圧min.:4.5V
・入力電圧max.:18V
・スイッチング周波数:300kHz
まとめると、電源入力はACアダプターで7~9V程度の電圧を供給する。8Vを推奨。
そのDC8Vを三端子レギュレータに入れて5Vを生成、5Vを三端子レギュレータに入れて3.3Vを生成。これらがデジタル電源になる。
一方、DC8VをDCDCコンバーターに入れて±15Vアナログ電源を生成する。
このようにACアダプターでDC8V前後を供給するだけで全ての機器が動作する設計とした。
なお、必要なら別途用意した±15V外部電源を接続しても良い。その場合にはDCDCコンバーターは取り付けない。
推奨電圧はDC8Vとしているが、回路的にはDC6.2V~15V(※)でも動作する。
※DCDCコンバーターMCWI03-12D15自体は4.5~18Vが可能だが、5V三端子レギュレータLD1117S50の入力電圧範囲が6.2~15Vなので、この範囲に収める必要あり。
でも例えば15V入力の場合には5V三端子レギュレータで10Vの電位差があるので、無駄に熱が発生する。仮に100mA流れたら最大で 10V x 100mA = 1W なので発熱が大きい。そのような理由で入力電圧は8V前後くらいがお勧めだ。
PIC18マイコン採用
PICマイコンには秋月電子通商で売っている
PICマイコン PIC18F27Q43-I/SP
と言うのを採用予定だ。28ピンDIP版だ。
1個¥330(税込)
MicrochipのPIC18Fシリーズ、XLP、ハイパフォーマンス、RISCマイコンです。
■主な仕様
・シリーズ:PIC18F
・電源電圧min.:1.8V
・電源電圧max.:5.5V
・コアサイズ:8bit
・命令長:16bit
・クロック:64MHz
・ROM:129kB
・プログラムメモリー[Word]:64kWord
・プログラムメモリー[B]:128kB
・データROM:1kB
・RAM:8kB
・GPIO:25
・ADコンバーター:24
・DAコンバーター:1
・UART/USART:5
・I2C:1
・SPI:2
・タイマー:7
・パッケージタイプ:DIP28
MUSES72323電子ボリュームの制御にはCLOCK/LATCH/DATA/CLK_INという4つのデジタル信号線を使う。
なので電子ボリュームの制御だけなら28ピンも必要なくて8ピンや14ピンのPICでも制御可能だと思う。
なぜ28ピンを採用したのかと言うと、ロータリーエンコーダ、プッシュボタン、赤外線リモコン受信などの信号も扱いたいので、入出力ピンが多いほうが良いから。あと、SPI通信やI2C通信も将来的に行う可能性もあるのでそれらに使う信号線も各数本ずつくらい確保しておきたい。そういう理由で、秋月で売っている入手性の良いPICの中から28DIP版を採用した。

図 MUSES72323電子ボリュームとPIC制御基板
MUSES72323を使った電子ボリューム基板はネット検索すると市販されているものもある。
それらの中にはMUSES72323を二個搭載してバランス入力に対応しているものもある。つまりバランス入力のHOTとCOLDの2信号を一台のMUSES72323で制御する。ステレオならMUSES72323が2個有れば良い。
ワテ設計基板はMUSES72323を1個搭載したシンプルな構成だ。秋月電子でこのMUSES72323は1個 ¥2,600(税抜 ¥2,364)と高価なのでプアオーディオ派のワテには2個も使えない。

図 MUSES72323電子ボリュームとPIC制御回路図
最近のワテはダーク系のテーマを採用して画面を暗くしている。
目に優しいからだ。
2回路入りオペアンプを1個使う
今回採用したMUSES72323の場合には外付けにオペアンプを使う。
ワテの場合はDIP8型の2回路入りオペアンプを1個だけ使う事にした。この部分は1回路入りオペアンプx2個の構成で基板設計する事も検討したのだが、結局は2回路入りオペアンプ1個方式で行くことにした。
その理由は2回路入りオペアンプは種類も多いので、差し替えて音質の違いを楽しみたい人に適していると思うから。
でも2回路入りオペアンプよりも1回路オペアンプを2個使うほうが左右のチャンネルセパレーションが良いと言う人もいるかもしれない。
MUSES72323の場合はチャンネルセパレーションは以下の通り。
| 特性(基準) | デシベル値 | 電圧比(分数表記) | 漏れ出す割合 |
|---|---|---|---|
| 保証値(Worst) | -90 dB | 約 1 / 31,622 | 約 0.0032 % |
| 典型値(Typ.) | -110 dB | 約 1 / 316,227 | 約 0.00032 % |
表 MUSES72323のチャンネルセパレーション値
まあ、-90dBだろうが-110dBだろうが、0.000・・・なんて世界なのでそんなのを測定できる測定機のほうが凄いと思う。
チャンネルセパレーションに関して下表をGoogle AIさんにまとめて貰った。
| デシベル値 | 電圧比(分数表記) | 割合(%) | オーディオ機器での目安・補足 |
|---|---|---|---|
| 0 dB | 1 / 1 | 100 % | 基準(信号がそのまま通る状態) |
| -20 dB | 1 / 10 | 10 % | 一般的な減衰器(アッテネーター)の1ステップなど |
| -40 dB | 1 / 100 | 1 % | 安価なヘッドホン端子のセパレーション限界など |
| -60 dB | 1 / 1,000 | 0.1 % | 一般的なオーディオ機器で「混ざっているのが分からない」レベル |
| -80 dB | 1 / 10,000 | 0.01 % | 優秀なプリメインアンプのセパレーション性能 |
| -90 dB | 約 1 / 31,622 | 約 0.0032 % | MUSES72323 保証値(Worst) |
| -100 dB | 1 / 100,000 | 0.001 % | 高級セパレートアンプ、ハイエンドDACの領域 |
| -110 dB | 約 1 / 316,227 | 約 0.00032 % | MUSES72323 典型値(Typ.) |
表 オーディオ機器のチャンネルセパレーションの例(Google AI作成)
ちなみにワテの場合は、LとRのチャンネルセパレーションなんてのは全く気にならない。
-90dB=0.003%だろうが-40dB=1%だろうが、どうでも良い。
なぜなら殆どの日本人はLとRは聞き分けられないからだ。LとRの発音も難しい。
英語が苦手なワテが言うのだから間違いない。
という冗談はさておき、LとRの音は最終的には左右の耳から入って脳内で合成される訳なので、事前にオペアンプの中でLとRが少しくらい混ざったとしても何の問題もない(ワテの意見)。
ロータリーエンコーダ基板
この電子ボリュームの音量調整にはロータリーエンコーダを採用する。
ロータリーエンコーダを左右にクルクル回すと音量が増減する動作になる。
そのロータリーエンコーダを実際に使う場合には、ロータリーエンコーダは自作オーディオ機器のフロントパネルに取り付ける事になる。
なのでロータリーエンコーダ基板は電子ボリューム基板とは分離してフラットケーブルで接続出来る仕様にした(下図)。

図 ロータリーエンコーダ基板(赤外線受信モジュール付き)
上図において、ロータリーエンコーダの3Dモデルが表示されていないが、基板中央に取り付け予定だ。
両側にある白い四角の部品はタカチ電機工業のナット入り貼付型スペーサーで、自作オーディオ機器のフロントパネルの裏側に貼り付けるのだ。
そうすると、ロータリーエンコーダの軸がフロントパネルから顔を出すのでボリュームとして使えるのだ。
上図の右側スペーサーの下に黒っぽい部品があるがこれが赤外線受信モジュールだ。フロントパネルに丸穴を開けて赤外線モジュールのドーム状の突起を出しておけば、市販リモコンの赤外線を受信出来る。
バランス調整機能も付ける
電子ボリュームは音量調整だけでなく左右のバランス調整も出来る。
この場合、2個目のロータリーエンコーダを追加してバランス調整用に使う案も検討したが、結局はロータリーエンコーダは一つにした。
なので一つのロータリーエンコーダで音量調整とバランス調整の両方の機能を兼用する。
採用したロータリーエンコーダは軸を押し込むとモーメンタリスイッチの機能もあるので、通常は音量調整モードで動作させ、スイッチを押せばバランス調整モードに入る。もう一回押せば音量調整モードに戻るなどの動作を検討している。
その辺りの動作はプログラム次第でどうにでも出来るので、実際に使ってみて使い勝手の良い方式にしたい。
入力セレクター機能(別基板)を接続可能
リモコン制御できる電子ボリュームを作るなら、入力セレクター機能も追加して入力ソースをリモコン制御切り替えできれば操作性が良い。具体的にはリレーを使ったセレクターだ。
もし採用するリレーがラッチリレーでSETコイルとRESETコイルが独立の2コイル型なら、リレー1個当たり2信号が必要になる。もし5ch切り替えセレクターを作るなら、2信号x5=10本の制御信号線が必要になる。
さらに5連プッシュボタン式の入力部、選択chを示す5連LED表示などを追加するとなるとそれぞれ5本の制御信号が必要になり、ざっと計算しても合計20本の信号線が必要になる。
と言う事でDIP28版のPICを採用したが、それでも信号線が足りなくなる可能性があるのでIOエキスパンダと言うICを接続できるようにした。これも秋月電子で売っている。と言うワテもIOエキスパンダと言う部品があることを今回初めて知ったのだ。
インターフェースはSPIとI2Cがあるが、I2Cを予定している。
下図はその16ビットIOエキスパンダICを2個搭載した実験基板で、電子ボリュームメイン基板とはI2Cインターフェースで接続するようにした。

図 IOエキスパンダ基板
上図の基板があればIOを一気に32チャンネル増やすことが出来るのだ。便利なICがあるんだなあ。
このICは初めて使うのだが、まあプログラム作成は最近ではAIさんに教えて貰いながらやればサクサクと進むので問題なく使いこなせると思う。
プリント基板発注に必要なデータを準備する
ガーバーファイルを出力する
プリント基板を発注する。
プリント基板の発注に必要なのがガーバーデータ(Gerber)だ。
Gerberと言うのは基板業界で標準的に使われている図形のフォーマットで、まあ要するに2次元CADデータの表現方法の一つだ。
具体的には2次元CADで設計された基板の配線パターン、レジスト(保護膜)、シルク文字、穴あけ位置などの情報を、製造マシン(フォトプロッターなど)が読み取れる形に変換したデータになる。
ワテが使っているKiCadの場合、プリント基板設計ツール(Pcbnew)で基板設計が完了したら、ファイルメニューのプロットを実行すると下図のウインドウが開く。

図 KiCadのプロット画面
初めてこの画面を見た当時のワテ(数年前)は、ビビっていた。
こんなに沢山のパラメータを理解しないとプリント基板が発注出来ないのか!?と。
でも心配ない。
やるべきことは簡単で、二つだけだ。
一つは出力ディレクトリを指定する。
ワテの場合はKiCadのプロジェクトフォルダの中に「Gerber」フォルダを作成してそのフォルダを指定している。
あとは「プロット」ボタンをクリックするだけで良い。
そうすると、Gerberフォルダの中に十数個のファイルが出力される。
それらは基板の各レイヤーの図形情報を保持するGerber形式のデータだ。
ドリルファイルを生成する
次に上図のプロットボタンの右にある「ドリルファイルを生成」ボタンをクリックすると下図が開く。

図 ドリルファイル生成画面
ここでも何も分からなくても「生成」ボタンをクリックすれば良い。
そうすると二つくらいのファイルがGerberフォルダに出力されるはずだ。
ガーバーファイルをZIPにまとめる
Gerberフォルダに出力された十数個のファイルを全部選択して、一つのZIPファイルにまとめておく(下図)。

図 Gerberファイル群を一つのZIPファイルにまとめた例
今回の基板はPCBWayさんに発注予定だ。
PCBWayさんのサイトは完全日本語対応なので、ファイル名に日本語を使っても文字化けすることも無い。
PCBWayさんのサイトでプリント基板を発注する
PCBインスタント見積もりメニューがお勧め
無事にGerber ZIPファイルの作成に成功したら、発注作業だ。
自分で設計した両面スルーホール基板を業者さんに発注して一週間程度で自宅に届くってのは、本当に便利な時代になったもんだなあ~と思う。それも費用数千円くらいで。
まずは以下のURLを開く。
初めてPCBWayさんに発注する場合はユーザー登録しておけばよい。
なお、プリント基板製造メーカーさんは沢山ある。初めてプリント基板を発注する人はどこのメーカーに発注するか悩むと思う。
ワテも過去に数社に発注したが、現在はPCBWayさんに発注することが多い。
その理由は、PCBWayさんは品質が安定していて今まで数十回発注したが一度も不良品が混じっていた事がないので安心感があるからだ。
下図のようにPCBWayさんのトップページが開くので、「PCBインスタント見積もり」をクリックする。

そうすると下図の画面が開くので、「Quick Order」ボタンをクリックする。

そうすると下図の画面が開くので「ガーバーファイルを追加」ボタンをクリックする。

そうすると、ファイルを指定するウインドウが開くので、事前に準備しているGerber ZIPファイルを指定してアップロードすると下図のようにプリント基板の表裏の絵柄が表示されてアップロードが成功した事が分かる。

無事にGerber ZIPの読み込みに成功すると上図に示すように 95×72 のようにプリント基板の縦横サイズが自動で読み込まれる。
あとは下図に示す画面でプリント基板製造に必要なパラメータを指定すれば良い。
最低限必要なのは基板の枚数だ。今回は5枚で発注する。

プリント基板の枚数だけ指定して、あとはデフォルト設定で注文すると以下の仕様のプリント基板になる。
- 両面スルーホール: 1.6m厚
- 銅箔厚さ: 1oz Cu(=約35μm)
- レジスト色(=基板色):緑
- シルク色(=文字色):白
あと、下図に示す「Remove product No.」の項目は必要なら指定すると良い。要するに通常だと基板の隅に小さなフォントで英数字で10文字程度の製造番号が印字されるのだが、その印字を行うかどうかを指定出来る。

「Remove product No.」の項目は以下の3つから選べる
- No:製造番号を除去しない。印字場所は業者さんに任せる。
- Yes (extra+$1.5):製造番号を除去する。追加料金1.5ドル。
- Specify a location:自分で場所指定する(無料)。
ワテのお勧めは「Specify a location」だ。場所指定したい場合には、プリント基板に「WayWayWay」と言うシルク文字を描いておけば良い。
そうするとその場所に製造番号が印字される。
あとは、「カートに追加」ボタンをクリックすると、ショッピングカートに追加される。
この時点ではまだ注文は確定していないので、兎に角、Gerber ZIPをアップロードしてカートに追加してみると良い。
そうすると、Gerberデータのチェックが行われて、もし何か問題があれば表示される。何も問題なく、製造可能なGerberデータと判定された場合には、支払い待ちの状態になる。
その時点で、発注をするかしないかの最終判断すれば良いのだ。
PCBWayさんは多数の支払い方法に対応
支払い手段は以下のように複数用意されている。以前はPaypalも利用出来たのだが、現在は類似のPayoneerでの支払いが可能だ。ワテの場合はGoogle Payを利用することが多い。

なお、今回発注したプリント基板は寸法が100 x 100 mm2 以内なので10枚発注しても5ドルと言う超格安料金だ。
三種類の基板を発注したので基板の料金だけだと 5ドル x 3 = 15ドル。
あとは配送業者さんを選択するのだが、今回はOCSを利用した。下図に示すようにOCSなら2-3営業日で7.74ドルと格安なので。

と言う事で、今回は三種類の基板を各5枚ずつ発注して、送料込の費用総額は約24ドルくらいだ。
これくらいの費用で一週間程度で高品質な両面スルーホール基板を入手出来るんだから、電子工作をやる人には嬉しい時代になったもんだなあ~
まとめ

電子工作は楽しい。
・ノートに手書きで回路図を描いて検討
・LTspiceシミュレーションして回路を検証
・KiCadで回路図を描いてプリント基板を設計
・必要ならFusion360で3Dモデルを作成して完成図を描く
全部無料だ!
当記事では日清紡マイクロデバイスのMUSES72323高音質オーディオボリュームをPICマイコンで制御する基板の設計から発注に至る作業過程を紹介した。
記事中でも述べたように、現在ではオーディオ自作に利用できる高品質な2連ボリュームの種類が少ない。2連Aカーブ50KΩのボリュームでギャングエラーの少ないものを選ぶとすると定価数万円くらいの高価格帯のものしか選択肢が無い。
そんな悩みを抱えているオーディオ自作好きの人は全国に数万人はいると思う。この基板が正常に動作したらヤフオクに出品したいと思っている。
ワテも実は今後2Wayのマルチアンプシステムを作りたいと思っているのだが、この電子ボリュームはそのシステムのボリューム兼プリアンプとして利用する予定だ。
その製作記事も今後このブログで紹介したい。
ワテの場合は最近では大型据え置き型の昔ながらのオーディオ機器よりも、小型コンパクトなオーディオ機器を好んで使っている。大きなシステムを置けるような広い部屋が無いというのが理由なのだが。
小型のオーディオ機器を設計するならTRやFETなどのディスクリートなデバイスを使うよりもオペアンプが手軽だ。
マルチアンプシステムのチャンネルデバイダーもオペアンプで行く予定だ。
と言う事で、PCBWayさんに発注したプリント基板が自宅に届くまでに、主要な部品を秋月電子通商さんに発注したい。
今回使う部品は殆どが秋月で売っている部品を想定して基板を設計した。
要するに「Wareko式オール秋月電子部品採用MUSES72323+PICマイコン超高音質オーディオボリューム with 赤外線リモコン」と命名しておこう。
(つづく)













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