【ワレコの電子工作】LM317とLM337で正負可変安定化電源を作る【PCBWayで専用基板製作】

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写真 京都の貴船神社(奥宮入り口の門)、今度行ってみるか

この所、自分で設計したプリント基板を基板製造業者さんに発注して、出来上がった基板を使って電子工作をよくやっているのだが、またしても基板を製作した。

可変三端子レギュレータLM317やLM337を使った定電圧電源回路だ。

この基板を使って安定化電源を製作して、現在作成中の「ぺるけ式FET差動バランス型ヘッドホンアンプ」の電源として使いたいと思っている。

当記事では、ワテが設計した汎用の定電圧電源基板を紹介したい。

まあそんなものに興味ある人は数人だけだと思うが。

では、本題に入ろう。

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LM317とLM337を使った定電圧電源回路

ワテの場合、可変三端子レギュレータLM317を良く使う。

例えば過去に製作した「金田式DAC No.213 超多機能アナログ&デジタル再生システム」の電源回路にも使った。

写真 LM317を二個使った+7.2VDC、-4.8VDC電源

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まあ正統派金田式マニアの方に言わせれば三端子レギュレータなんかを電源回路に使うと金田式を名乗る資格は無いと言われるのは間違い無いが。

上写真の電源回路の場合、LM317を使った正電圧の定電圧電源を二台作成した。

その時に使った電源のトロイダルトランスは二回路ある二次巻線が独立タイプなので、それぞれの巻線をブリッジ整流して、それぞれLM317を使った定電圧電源回路を通す。

その正電圧出力を直列に繋いで、+7.2V~GND~-4.8V の正負電源としたのだ。

 

今回ワテが採用したのはLM317のデータシートにある保護ダイオード付きの回路だ(下図)。

引用元 LM117/LM317A/LM317 3-Terminal Adjustable Regulatorのデータシート

 

同じくLM337を使った負電圧版の定電圧電源も、データシートに掲載されている保護ダイオード付きの回路を採用した(下図)。

引用元 LM137/LM337 3-Terminal Adjustable Negative Regulatorsのデータシート

LM317/LM337の正負安定化電源回路をLTspiceでシミュレーション

これら二つの正負安定化電源回路を合体させた回路をLTspiceでシミュレーションしてみた(下図)。

図 LTspiceで描画したLM317とLM337を使った正負安定化電源回路

なお上図では、二次巻線が二回路独立タイプのトロイダルトランスを想定して、ブリッジ整流回路も二つ入れている。

もし二次巻線が独立では無くて中点タップがあるタイプのトランスも使えるように今回の基板を設計した。そのほうが汎用性が高いので。

具体的には、若干のジャンパー線を使えば中点タップタイプのトランスにも使えるのだ。その場合にはブリッジダイオードは四個(D1、D2、D3、D4)で良い。

過去に作成したLM317とLM337を使った正負定電圧電源回路例

LM317とLM337を使った正負定電圧電源回路は、「ぺるけ式Bluetoothレシーバー Version3.0用アクティブフィルター回路」の電源基板を作成した時にも作った(下写真)。

写真 「ぺるけ式Bluetoothレシーバー Version3.0用アクティブフィルター回路」の電源基板

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上写真の電源基板では、正電圧側は倍電圧整流回路にしている。これは使った電源トランスの二次側電圧が希望よりも低かったので苦肉の策で倍電圧整流で対処したのだ。

なお、この電源基板は無事に完成したのだが、事情があって不採用となった。なので現在は使わずに放置している。

LM317を単体で使った正電圧安定化電源回路

LM317とLM337を使う正負二電源の安定化電源も電子工作では良く使うが、正電圧のみの安定化電源も使用頻度は高い。

なので、今回設計したプリント基板では、正負二電源版の基板と正電圧基板を異種面付けで製作してV-Cut加工で簡単に分離出来るようにした。

下図に示すのがLM317単体の正電圧版安定化電源回路だ。

図 LM317単体で使った正電圧のみの可変安定化電源回路基板も作る

この回路もLM317のデータシートの回路と全く同じだ。

ただし、半固定抵抗R4の部分には追加で固定抵抗R2も直列で入れられるようにプリント基板のレイアウトを設計した。

その理由は、目的とする出力電圧、例えばDC15Vが欲しい場合には、多くの場合、その15V付近で微調整出来れば望ましいので、固定抵抗+可変抵抗にしたのだ。

KiCadで基板を設計する

上で示したLTspiceで描画した二つの回路(正負電源回路と正電圧回路)を異種面付けで作成した完成予定図を下に示す。

写真 LM317/LM337正負定電圧電源回路とLM317正電圧電源回路の完成予定図

上写真では少し分かり辛いと思うが、基板には三つの電解コンデンサと三つのヒートシンクが乗っている。

上と中央の基板がそれぞれLM317とLM337の正負定電圧電源回路で、三番目の基板がLM317単体の正電圧電源回路だ。

この設計図に基づいてGerberデータを出力して、PCBWayさんに製作を依頼したのだ。

基板の仕様は以下の通り。

  • 基板サイズ 約100×100ミリ
  • 両面スルーホール基板1.6mm厚
  • 銅箔厚さ35μm
  • 青色ジレストに白色シルク文字
  • 枚数 10枚

注文して一週間で自宅に届いた。

本当に速いわ。

PCBWayさんから届いたプリント基板の紹介

では早速その基板を紹介したい。

写真 いつものPCBWayさんの小箱に入って送られて来た

今回は配送業者さんにDHLを選択したので、基板が完成して3~4日で自宅に届いた。

 

下写真に示すように、十枚の基板はエアーキャップで真空パックされているので輸送中に互いに擦れる事が無いので傷もつかない。

写真 十枚の基板はエアーキャップで真空パックされているPCBWay製基板

 

その基板の拡大写真を以下に示す。

写真 異種面付けで二種類の回路が乗っているPCBWay製基板(V-Cut加工済なので分離可能)

上写真に於いて、基板の上三分の二がLM317・LM337の正負定電圧電源回路、下三分の一がLM317単体の正電圧回路となる。

基板の特徴としては、電源回路なので配線を太めに描画した。具体的には、線幅は3mmで描いている。かつ、部品面と半田面とで同じパターンを描いて、それらをVIAホールで連結して電流容量を増やしている。GNDパターンは5ミリの線幅で描いた。

なお、ベタアースの加工は今回はやっていない。と言うのは、KiCadでベタに塗り潰す処理はあるのは知っているが、まだ十分には使いこなせていないのでw

次回、何かの基板を設計する時にはベタアースなどを試してみたい。

 

ちなみにV-Cut加工とは、基板の表裏に断面がV状の溝を直線状に彫る加工を言う。

写真 V-Cut加工の溝に沿って分離したPCBWay製基板

その直線溝に沿って基板を軽く折り曲げれば、パキッと簡単に割って分離出来るのだ。

従ってV-Cut加工では丁字路のような形状は不可だ。あくまで基板の端から端まで一直線につながる加工で無くてはならない。

なお、異種面付け(異なる種類の回路を一つの基板に載せる事)や同種面付けをしても、それだけだと割増料金などは不要の場合が多い。

一方、基板にV-Cut加工やあるいは長穴スリットを基板に開ける加工を依頼すると割増料金が追加される場合が多い。

なので、もしV-Cut加工を依頼しなければ異種面付けが有っても100×100ミリサイズ基板の最低料金(約5ドル)で十枚の基板を製作する事が出来る。

あとは受け取った基板を自分でカットして分離すれば良いのだ。まあ自分でカットする手間を考えたら、数ドルから十数ドルの追加料金を支払っても、PCBWayさんにV-Cutや長穴スリット加工を依頼するほうが手間が掛からないのでお勧めだと思う。

下写真に示すのがLM317単体の正電圧の安定化電源基板だ。

写真 LM317単体の正電圧の安定化電源基板

上写真に於いて、電解コンデンサ取り付け場所の一部がユニバーサル基板化されているのが分かるだろう。

その理由は、取り敢えずその部分には手持ちに沢山あるニッポンケミコン製SXE 2700μ/25V(105℃)電解コンデンサが挿せるように設計している。

でも、他の電解コンデンサでも取り付けられるように、ユニバーサル基板化したのだ。もしサイズが小さめの電解コンデンサなら複数個を載せる事も出来るようにしたのだ。

完璧な設計だw

必要なパーツはほぼ揃っているので、時間が有る時に半田付け作業に入りたい。

写真 100均ダイソーで買ったステンレス製のトレーにパーツ一式を載せた

まとめ

ワレコ

電子工作をするならプリント基板設計CADの操作を覚えると良い。

ワテも約一年前に必死で勉強したら一週間ほどで使えるようになった。

ワテのお勧めのプリント基板設計CADはKiCadだ。

オープンソースなので無料だし、機能制限など一切無い。

Autodesk社のEagleと言う有料製品の無料版を使っている人も多い。無料版Eagleは設計出来る基板サイズの上限が80平方センチメートルに制限されている。

80平方センチメートルだと例えば8x10cmの基板になるが、微妙に使い辛いサイズだ。

なぜなら多くの基板製造メーカーでは10x10cmサイズ以下の基板なら十枚の製造料金は5ドルに設定してある場合が殆どだ。

なので8x10cmとか9x9cmくらいの大きさの基板しか作れないEagleはワテとしてはお勧めしない。

やはりKiCadが自作派にはベストなEDAツールだと思う。

基板製造業者さんは何社かあるが、価格はほぼ同じくらいだと思う。今までに数社に製造を依頼した経験で言うと、同じ色のレジストを指定しても、各社で微妙に色合いとかシルク文字の見た目の雰囲気が異なる。

その辺りは実際に注文してみないと伝え辛い部分だ。ワテの場合は最近ではPCBWayさん発注する事が多い。今までPCBWayさんで作って貰った数種類の基板に関して言えば、品質のバラつきも感じないし、スルーホールの穴ずれなども無いので、安心して発注出来る。

まずはこの基板を使ってLM317単体で使う正電圧のみの定電圧電源を自作する予定だ。出力は多回転型のポテンショメータで可変にして、DC15Vを中心に±3Vくらいの範囲で微調整出来るようにする予定だ。

そのようにして完成したDC15V電源は、現在作成中の「ぺるけ式FET差動バランス型ヘッドホンアンプ」の電源として利用する予定だ。

続く

KiCadを勉強する

ワテの場合は、下写真のトランジスタ技術のバックナンバーを近所の本屋さんで取り寄せて貰ってKiCadを勉強した。

付録DVD-ROMに沢山の動画がありKiCadの使い方が解説されているので分かり易い。

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