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【ワレコのDIY】充電式インパクトドライバーをAC100Vコード式に改造する【NEUTRIKスピコン】

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ワレコ

東京オリンピック(2021年7月23日 – 8月8日)の期間中は猛暑だったのに、その後は一転して雨天。まるで梅雨に逆戻りしたようなおかしな天気だ。

まあ地球規模の温暖化、オゾン層消滅などが進んでいるので、この先ますます異常気象が続くだろう。

でも心配無い。

近いうちに宇宙人が助けてくれるからだ。

さてUFOも宇宙人も信じるワテであるが、宇宙人もビックリ仰天するようなDIY作品を作成した。

充電式電動ドリルドライバーをAC100V電源でケーブル駆動(有線化)出来るように改造したのだ。

掛かった費用は四千円程度だ。

ネット検索すると類似の製作例は幾つか見付かるが、どの作品も今一つスマートな感じではない。

何と言うか雑な感じの作りで、汎用性に乏しい作品が多いように思う。

一方、当記事で紹介するワテの作品の場合、10.8V、14.4V、18V、36Vなど世の中のどんな電圧の電動工具にも対応しているのだ。

当記事によって世の中のDIYer(DIYをする人)が感動の余り、卒倒するかも知れない。

では、本題に入ろう。

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古いニッカド18V充電式インパクトドライバーを定電圧電源で駆動してみる

下写真はワテがかなり昔に購入した充電式の電動ドリル・インパクトドライバーだ。

写真 ワテ所有のDeWALT社の古い18Vニッカド電池式電動ドリルドライバー

このDeWALT(デウォルト)製の電動ドリルドライバーは18V(2.4Ah)のニッカド(NiCd)電池式だ。

もう十年以上前に買ったのでニッカド電池は既に寿命が切れていて、充電器に差し込んでも充電不能ランプが点灯する。

DeWALT純正の新品ニッカドバッテリーか、下写真のような互換品を入手すれば使えるとは思う。

でも互換バッテリーの価格は四千円前後する。

どうするかなあ?

今では電動工具はリチウムイオンバッテリが主流なので、ニッカド電池式の電動工具は殆ど市販されていない。

ワテ所有のDeWALT製の電動ドリルドライバーもニッカドなので、物凄く重いのだ。

上写真を見ても分るように、巨大なバッテリーが付いているのが分るだろう。

一方、最新型のDeWALT製18V ブラシレスコードレス インパクトドライバ―の例を下写真に示す。

上写真を見ると、小さめの18V(5.0Ah)リチウムイオン電池が付いている。

それなのに電流供給能力は5.0Ahなのでワテ所有のニッカド電池18V(2.4Ah)の二倍もあるのだ。

DeWALT 18V充電式ドリルドライバーのニッカド電池を分解する

とりあえず充電不能のニッカド電池を分解してみる事にした。

でも、下写真の注意書きを読むと、「充電池を開ける試みは絶対にしないでください。」との事だ。

まあ、ここは気にせずに分解してみる。

大体「~しないで下さい。」とか「~しないようにお願いします。」なんて記載は法的拘束力があるのかどうか疑問だし。

そもそも「お願いします。」なんて言う文面だと、「願いは必ずしも叶うとは限らないだろ!」と言う反論に対して、何も言えないし。

ワテの場合、屁理屈が多い。

 

と言う訳でトルクスドライバー(T10H)を使って分解した。

ワテが使ったのは下写真のようなトルクスドライバー(T10H)だ。

あるいは下写真のような多数のビットが付いているドライバーセットを買っておくといざという時に役立つ。

なお、上写真のようにこのニッカド電池には電極は三つある。二個の大き目の電極が正極(18V)と負極(GND)だろう。中央の小型電極の用途は不明だ。

 

さて、DeWALTニッカド電池の中身を下写真に示す。

十四個のニッカド電池が直列接続されているようだ。

上写真の黒い樹脂製胴体から左に出ている黒い髭のようなものはサーミスターか何かだと思われる。

サーミスターを温度センサーに使っているのかな?

さて、ニッカド電池は薄い金属板にスポット溶接されているが、手で引っ張ったら剥がせる。

電池の正極と負極に繋がっている電極は、上の写真の大き目の二個の電極だったので、それらにDC18Vを印加すればモーターは動くはずだ。

電極端子が付いている黒い樹脂製胴体を取り外して電動ドリルドライバーに差し込んだ(下写真)。

写真 電極端子が付いている黒い樹脂製胴体を取り外して電動ドリルドライバーに差し込んだ

DeWALT電動ドリルドライバーを安定化電源で駆動する実験成功

その状態で二枚の電極にワテ所有の高砂製作所製の可変定電圧電源を使ってDC18Vを与えてみた。

接続の様子は写真に撮り忘れた。

そして電動ドリルドライバーのトリガースイッチに指を引っ掛けて引いてみたところ、モーターが回るぞ!

写真 18Vを印加してモーターを回す前

モーターが回ると電流は数アンペア流れたが写真には取り忘れた。

下写真はモーターは停止しているが、定電圧電源を使ってモーターを回す事が出来た。

写真 安定化電源の18Vでドリルドライバーを回す実験成功(電流は10アンペア以上は必要)

なお、ワテ所有の高砂製作所製の可変定電圧電源は電流の最大は6.3Aまでなので、モーター回転直後の突入電流が発生しても6.3Aまでしか流せない。

その結果、勢いよくトリガースイッチを引くと、高砂製作所電源の電流リミットが掛かって電圧が低下する。

なので、そーっとトリガーを引くと電流を6.3A以下に出来るのでモーターが回り始めて、ある程度の回転速度になるとトリガーを目一杯引いて高速回転させる事が出来た。

18V30A程度の定電圧電源を用意すればDeWALT電動ドリルドライバーを動かせる

恐らくはこの手の14.4Vとか18Vの電動工具では突入電流は十数アンペア、定常状態でも数アンペアから十アンペア程度は必要になると思われる。

なので、電流供給能力が最低でも20Aから30A程度の18V安定化電源を用意すれば、DeWALT 18V充電式電動ドリルドライバーを駆動する事が出来るに違いない。

ちなみに最近では36Vのバッテリーで動く電動工具も多い。

電圧が上がれば電流は少なくても良いので、36Vなどの高電圧タイプの電動工具なら30Aも必要ないだろう。たぶん15Aくらいでも良いかも。それでも36V x 15 A = 540Wもある。

 

なお、マキタ40Vmaxとか言う良く分からない製品もある。

中身は普通のリチウムイオン電池36Vなのに満充電時には40V以上になるから40Vmaxと名付けたらしい(ネット情報による)。

まあ、大手メーカーがそんなせこいネーミングで商売をするようになると将来性に不安がある(ワテの印象)。機能で勝負しろよ。

中身は36Vなのに40Vmaxなんて名前を付けると市場を混乱させるだけだろ。

業界が足並みを揃えて36V表記で統一すべきだ。

サーバー電源を購入した

電動工具に必要な電圧の調査

さて、18V30Aの定電圧電源となると、TDK、COSEL(コーセル)などの有名ブランド品なら製品ラインナップにあるが、新品でも数万円はする。

と思って実際に探してみたが、18Vと言うのは殆ど市販されていない。

例えばCOSEL(コーセル)PBAシリーズは出力電圧、出力電力に応じて数十種類の製品がある。

定格入力:AC85 ~ 264V 1Φ
定格出力電力:10 ~ 1500W
出力電圧:3.3V、5V、9V、12V、15V、24V、36V、48V

引用元 COSEL(コーセル)PBAシリーズカタログ

そのどれもが、上のような出力電圧なので、18V出力と言うのは無い(ワテの調査では)。

なので例えば、複数の電源を購入して、18Vを作る案を考える。

15V + 3.3V = 18.3V
12V + 5V = 17V

などか。

あるいは出力電圧をボリューム設定で±15%くらいの範囲で連続可変出来るタイプの製品もある。

そう言う製品を買えば、

15Vの15%は2.25Vなので 17.25V
24Vの-15%は -3.6Vなので 20.4V

など18Vに近い値を得られる。

でも、18V電動工具だからと言って、供給する電圧が厳密に18Vで有る必要はない。

一個のリチウムイオン電池は定格出力電圧で3.6V、満充電時の電圧4.2V前後になるのが一般的だ(ネット情報)。

つまり満充電時には定格電圧の

(4.2 – 3.6) / 3.6 x 100 = 16.7 % 

増しくらいになる。

そこで、下表にまとめてみた。

Liバッテリセル

個数

定格電圧 [V]

満充電電圧 [V]

3.6

1

3.6

4.2

3.6

2

7.2

8.4

3.6

3

10.8

12.6

3.6

4

14.4

16.8

3.6

5

18

21

3.6

6

21.6

25.2

3.6

7

25.2

29.4

3.6

8

28.8

33.6

3.6

9

32.4

37.8

3.6

10

36

42

表 充電池の定格電圧と満充電時の電圧(ワテの予想)赤字は市販電動工具に多い電圧

と言う事はDeWALT電動ドリルドライバー18Vには21V程度の電圧を与えても壊れる事は無いだろう。

まあワテの長年の経験に基づく予想では、25Vくらい与えても全く問題無いと思う。

と言う訳で、取り敢えず安くて大電流が流せて出力DC20V前後の電源を探した。

サーバー用電源が安い

その結果、ワテが見付けたのが下写真のサーバー用電源(800W)だ。

写真 中古のサーバー用電源を2台購入した

ワテが買ったサーバー用電源の出力は以下の通り。

12V 65A
12V 2A

二種類ある12V出力のうち、12V65Aを使うのだ。

二台セットで送料も含めて三千円以下で購入した。

二台を直列接続する事でDC24V65Aの超強力な電源となる。

サーバー用電源の中身を確認する

このサーバー用電源の出力電圧は12V固定だが、もしかすると中に半固定抵抗が付いていて、回転させると出力電圧を可変出来るかも知れない。

と言う事で、取り敢えずカバーを開けて中身を確認する。

この電源は分類で言うとAC/DCコンバーターと言う事になる訳だが、たぶんAC100Vを整流したあとでDC/DCコンバータ回路を利用していると思う(一般的なAC/DCコンバーターの場合)。

下写真には大き目のコイルが有る。

この手の大型コイルは結構値段も高いのだ。

似たようなコイルは、以前ワテが自作した昇降圧型12V40A(480W)DC/DCコンバーター基板にも使った(下写真)。

ワテが使ったコイルはRSコンポーネンツさんで¥989(税込)だった。

写真 以前ワテが自作した12V40A(480W)DC/DCコンバーター基板

上写真のワテ自作DC/DCコンバーターは出力可変(5~36V)くらいで設計したのだが、現状では入力12V、出力15Vにすると出力電流7Aくらいまで流せるのだが、なぜかそれ以上の電流になると出力が遮断されて0Vになってしまう。この件は引き続き調査中だ。

さて、下写真はサーバー用電源の出力端子の辺りの拡大だ。

写真 購入したサーバー用電源の出力端子付近(幅広端子が12VとGND)

この電源の中身をくまなくチェックした訳ではないので、出力電圧調整用の半固定抵抗の存在などは未確認だ。

仮に固定抵抗で電圧が設定されているとしても、以前にDC/DCコンバーターを自作した経験で言うと、DCDCコンバーター制御IC(ワテはAnalog Devicesの28ピンLT8390使用)には出力電圧をフィードバックして接続する端子が備わっている。

その端子に入れる電圧は二個の固定抵抗で分圧して与えるので、その部分を半固定抵抗に改造すれば出力電圧は可変に出来ると思われる。

実際に、ネット検索してみるとこの手のサーバー用電源を改造してボリュームを取り付けて出力可変にしている例も見掛ける。

なのでやればできそうなのだが、そこまで調査するのも面倒なのでこのまま12Vのままで使う事にした。

サーバー電源をハッキングする

サーバー用電源はAC100Vケーブルを接続して電源コンセントに挿しても出力DC12Vは出て来ない。

なぜならサーバーコンピューターは遠隔操作で電源をON・OFF出来るなどの機能が備わっているので、電源にもリモート制御機能が内蔵されているのだ。

その電源のリモート制御端子にHighやLowの信号を与えると、うまい具合に12V出力が得られるのだ。

ワテが買った電源の場合、幾つかの端子に電圧を与えたり、GNDに落としたりすると12V出力を得る事が出来た。

下写真はその実験のなごり。

写真 サーバー用電源から12V出力を得る為に試行錯誤

なお、サーバー用電源は出力ワット数も500W~1200Wくらいまで種類があり、同じメーカー(例えばDELL)製の電源でも、型番が異なると出力端子の形状も端子の意味も異なる。

なので、ネット検索して似たような改造例を見付けたとしても、全く同一型番の電源を入手しない限り、そのネット情報の手法を使う事は出来ない。

あるいは、そう言う用途に使う専用基板も販売されている(下写真)。

この基板は商品説明欄にDPS-1200FB-1 などの型番が記載されているが、その型番で検索するとHP のサーバーマシン用1200W電源のようだ。 

その電源にこのブレークアウト基板を挿し込めば、数個のコネクタから12Vで数十アンペアの大電流を取り出せる。

それを何に使うかと言うと、仮想通貨のマイニングでは沢山のGPUボードで膨大な計算を24時間ずっとやる必要があるが、そう言う装置の電源として使う人が多いらしい。

当初はそういうブレークアウト基板と、ブレークアウト基板に対応しているサーバー電源の購入を検討したのだが、ブレークアウト基板対応のサーバー電源は、結構高値で取引されているのだ。

なので、ワテとしてはなるべく安くやりたいので、安っすいサーバー電源を二台買ったのだ。

と言う訳で、ワテが入手した電源はネットにも改造例が見付からなかったが、どうにか自力で出力12Vを得る事が出来た。ただし、正しい手法なのかどうかは分からない。たまたま今は12Vが出ているが、何か接続が悪くて暫く使っているうちにどこかの部品が壊れる可能性もある。

つまりまあ自己責任、事故責任と言う感じ。

下写真のように出力端子にΦ3の穴を開けて、端子を半田付けする。

下写真のように手持ちにあったマックエイト製のPB-2-G電極を半田付けした。

マックエイト(MAC8)さんは、この手の小型のチェック端子の最大手だ。

なお、今気づいたのだが、上写真のように基板にドリルで穴を開けるのはやらないほうが良いだろう。

この電源に使われているプリント基板は2層の両面スルーホール基板だと思うが、もしかすると4層のスルーホール基板かも知れない。

もし4層なら内部の2層は外からは見えない訳だが、もしかするとドリル穴の位置にその内部層にある導体があるかもしれない。

そうすると最悪の場合、ショートする危険性があるからだ。

ただし今の場合は、電源基板端の挿し込み部分であり、+12V出力やGND出力の幅広電極は表も裏も電極になっている。なので、仮に4層基板だとしてもその位置の内部レイヤーに他の信号線を配置する可能性は限りなく低いと思われるので。

でもまあ絶対と言う事はないし、お馬鹿な技術者が設計したらそんなヘンテコな基板レイアウトになっているかも知れないので、いずれにしても基板にドリル穴を開けるのはやめておくべきだった。

取り敢えず穴を開けても正常に12Vが出ているので良しとする。

サーバー電源を自作電子負荷でテストする

下写真はワテが以前に自作した直流電子負荷装置だ。

写真 ワテ自作の直流電子負荷装置(最大定格 200V x 40A = 8KW負荷まで可能?)

この電子負荷装置は、最大消費定格電力は特に考えていなかったのだが、採用したパーツの耐圧で言えば200Vまでは行けて、電流は40Aくらいまで行けるはずなので、計算上は 200V x 40A = 8KW 負荷まで可能なのだが、実際には試していない。

たぶんどこかから煙が出るか、自宅のブレーカーが飛ぶ可能性が高い。

さて、そんな自作の直流電子負荷装置を使ってサーバー電源の動作実験を行った。

下写真に於いては、左の液晶表示がFlukeのデジタルテスターの電圧計測値。

右側赤LEDと青LEDが電子負荷装置に組み込んだやっすい電圧電流計の計測値。

なので、電圧はFlukeは信用出来る。電流の計測精度は不明なのでまあ、大まかの目安と言う程度だ。

1.15A流したら12.1V。

 

5.56A流すと12.0Vに電圧降下した。

 

8.84A流すと11.87Vに電圧降下した。

上写真のように10A近い電流を流しても電圧降下は0.22V程度なので、さすがにサーバー電源(出力12V/65A)はパワフルだ。

サーバー電源で電動ドリルドライバーを駆動実験する

さて、そのサーバー電源を使ってDeWALT(デウォルト)製の電動ドリルドライバーを駆動してみる。

写真 サーバー電源を使ってDeWALT(デウォルト)製の電動ドリルドライバーを駆動している様子

上写真のようにサーバー用12V電源をDeWALT(デウォルト)製の電動ドリルドライバーに接続して駆動してみた。

その結果、けっこういい感じでモーターが回る。

当初は18V電動工具を12V電源で駆動しても、ほとんど回らないんじゃ無いかと思っていたのだが、実際には、実用性が十分あるくらいに力強く回った。

恐らくその理由は、サーバー電源は12Vとは言っても65Aの電流供給能力があるからだろう。

例えば、18Vニッカド電池の新品を購入して、それを満充電して使うと22Vくらいの電圧なのでモーターはフル回転する。

暫く使っているとニッカド電池も消耗するから、もし電圧が12Vまで低下したとすると、そのニッカド電池は殆ど電流供給能力が無くなっているからモーターも回らないだろう。

でもサーバー電源12Vの場合には、12Vの低電圧とは言っても65Aも電流を供給できる訳なので、18Vモーターでも余裕で駆動出来るのだろう。

ただし、やはり12V駆動なので100%フル回転と言う感じでは無さそう。

まあワテがこの電動ドリルドライバーを昔使っていた当時のモーター回転は忘れてしまったので、本来の性能で100%フル回転させた場合の能力は不明だ。

12Vサーバー電源を二台直列に接続して24Vでこの電動ドリルドライバーを駆動してみれば、本来の性能あるいはそれ以上の性能を発揮できるかも知れない。あるいは煙が出るかも知れない。

充電式電動ドリルドライバーをケーブル接続に改造する

さて、ここからがワテが独自のアイデアで工夫した部分だ。

充電式電動工具をAC100Vコード式に改造しているネットの例を見ても、接続コネクタは普通のDCジャックなど使っている例が多い。

自称DIY達人のワテの場合、世間の素人が考えるようなヘボイ手法は決して真似しない。

ワテが採用したのはノイトリックのスピコンだ!

写真 ノイトリック四極スピコンを採用した

ノイトリックのNL4MPスピコン(speakON)は本来はスピーカー用ケーブルコネクターだ。

  • 4コンタクト(スピーカー2回線)
  • 定格電流 40A rms / 連続
  • 適合ケーブル外径:φ7.0~14.5㎜
  • 3つのパーツのみを使用し、はんだ不要のイージーアッセンブルを実現

引用元 https://www.neutrik.co.jp/jp/product/nl4fx

ワテが採用したNL4MPは四極タイプだ。NL2MPと言う二極タイプもあるが、ワテの手持ちにはNL4MPがあったので、それを使う。なぜ四極を採用したのかはこの後で解説する。

定格電流は40A rms/連続 との記載があるが、まあこれはオーディオ信号なので交流電流の場合かな?

なのでNL4MPに直流40Aを連続で流せるのかどうかは不明だ。まあ大丈夫だろう(根拠のない確信だ)。

なお、ノイトリック純正のパワコン(電源用ケーブルコネクター )も存在する。

なので予算がある人はパワコンを使う方が安全だ。

 

下写真のようにニッカド電池を除去したバッテリーケースに穴を開けてNL4MPスピコンを固定した。

下写真のようにノイトリックのスピコンNL4MPには四つの電極(1+、1-、2+、2-)がある。

下写真のワテ自作の木製大型クリップは半田付けする際にケーブルやコネクタを固定するのに役立つのだ。

配線材料は2.0SQの紅白スピーカーケーブルの端材を使った。

下写真のように配線した。

1+  12V
1-  GND
2+  未使用
2-  未使用

下写真のようにニッカド電池の空間が空なので、スタイロフォームを切って詰め物にした。

下写真のように組み立てた。

見た目はDeWALT(デウォルト)18Vニッカド電池だが、下写真のようにノイトリックのスピコンNL4MPが付いているのだ。

そのスピコンNL4MPに、スピコンケーブルコネクター NL4FXを挿し込むのだ。

写真 スピコンNL4MP(上)とスピコンケーブルコネクター NL4FX(下)

 

写真 スピコンNL4MPに差し込んだスピコンケーブルコネクター NL4FX

下写真がスピコン接続に改造したDeWALT(デウォルト)電動ドリルドライバーの完成形写真だ。

写真 スピコン接続に改造したDeWALT(デウォルト)電動ドリルドライバーの完成形

ここに電動工具業界の超有名ブランドDeWALT(デウォルト)とPA音響業界の定番中の定番Neutrik(ノイトリック)のコラボレーションが実現したのだ。

4芯キャプタイヤ 1.25SQ x 4で接続ケーブルを作る

さて、スピコンケーブルコネクター NL4FXには通常はカナレの四芯スピーカーケーブルを接続するのが定番だ。

手持ちにもスピーカーケーブル4S6はあるのだが、このケーブルは硬いので電動工具の接続ケーブルには向いていない。

そもそもカナレ4S6や4S8で電動工具を駆動した人は世界広しと言えども多分いないと思う。

 

近所のホームセンターでVCTF 1.25sq×4芯 ビニルキャブタイヤコードを6メートル買って来た。

まあ4メートルくらいでも良かったのだが、汎用性を考慮して6メートルのケーブルを買ってみた。

上写真のようにノイトリックのスピコンケーブルコネクター NL4FXはケーブルをネジ固定する。

このネジは普通のプラスネジではなくて、ポジドライプネジなので下写真のポジドライブ用ドライバーを使うのが良い。まあ普通のプラスドライバーでも扱えなくは無いのだが、力を入れるとネジ頭の溝を舐めてしまうので。

下写真のようにケーブルの反対側(サーバー電源接続部)はR1.25-3Mのニチフ圧着端子を取り付けた。

下写真のように四本の1.25SQ撚線に電圧を割り当てた。

写真 VCTF 1.25sq×4芯 ビニルキャブタイヤコードの四色撚線に電圧を割り当てた

現状ではGND、12V、24Vの三本しか使っていないので36Vは将来の為に予約している。

もう一台12Vサーバー電源を買って、合計三台のサーバー電源を使えば最大で36Vの電動工具を駆動出来る計画だ。そんな必要があるのかどうかは不明だがw

AC100Vケーブル駆動に改造した電動ドリルドライバーを使ってみる

さっそくAC100Vケーブル駆動に改造したDeWALT(デウォルト)電動ドリルドライバーを使ってみる。

下写真のようにサーバー電源12Vに6メートルVCTF 1.25sq×4芯 ビニルキャブタイヤコードを接続して、その一端はノイトリックスピコンでDeWALT(デウォルト)電動ドリルドライバーに接続している。完璧や!

写真 サーバー電源12V、6m VCTF 1.25sq×4芯 ビニルキャブタイヤコードでデウォルト電動ドリルドライバーに接続

ホームセンターで定番の2×4( 6フィート)のSPF材の端材を二枚重ねてコーススレッド75mmを捻じ込んでみる。

写真 サーバー電源12V駆動に改造したデウォルト18V電動ドリルドライバーでコーススレッドを揉む

ちなみにSPF材とは以下の通り。

スプルース(Spruce、米トウヒ)、パイン(Pine、マツ類)、ファー(Fir、モミ類)などの常緑針葉樹の総称で、いずれも成長が早く加工がしやすいことから、建築材である2×4材に適しているとして昔から使われてきました。主産地はカナダ、アメリカです。

引用元 https://www.komeri.com/contents/howto/html/02070.html

その結果、下写真のように捻じ込む事が出来た。

写真 サーバー電源12V駆動のデウォルト18V電動ドリルドライバーでコーススレッドを捻じ込んだ

結構ええんちゃう!?

実際にやってみた印象としては、12V駆動なので確かにフルパワーとは言えない。

しかしながら18Vバッテリーが12Vに低下している訳では無くて、65Aの電流供給能力があるパワフルな12V電源で駆動しているので、低速ながらトルクは十分あるので最後の最後までキッチリと捻じ込めると言う感じだった。

なので、12V駆動でも実用性は十分にある。

6メートルVCTF 1.25sq×4芯 ビニルキャブタイヤコードの電圧降下

モーターが回っていない無負荷状態でサーバー電源12V出力電圧を計測しておく。

その結果、無負荷では12.2Vだ。

写真 サーバー電源は無負荷では12.208V

次にモーターが回転している時のスピコン根元の電極で電圧を計測した。

その結果、10.388Vと計測された。

写真 モーター回転中のスピコン側の電圧は10.388V

その電位差は1.820Vになる。

12.208 – 10.388 = 1.820 V

モーター回転中の電流値は未計測だが、今までの実験から推測して10Aだと仮定すると、6メートルVCTF 1.25sq×4芯 ビニルキャブタイヤコードの抵抗は0.182 Ωだ。

6メートルビニルキャブタイヤコードの抵抗 R = 1.820 V / 10 A = 0.182 Ω

と言う訳で、14.4Vや18V工具をこのケーブルで駆動する場合には2V程度の電圧降下が発生するので、理想的には14.4V工具なら16~17Vくらいで駆動、18V工具なら20Vくらいで駆動するのが良いかも。

と言う事で、サーバー電源12Vを使って充電式電動工具をAC100V化してケーブル接続する改造はいい感じに成功した。

写真 サーバー電源駆動に改造したデウォルト18V電動ドリルドライバー

上写真の緑のマキタは12Vニッカド電池仕様の電動ドリルドライバー(M655DWX)だ。

ワテの場合は店頭展示品で安く売っていたこのセットを買った。

なので赤い12Vニッカド電池が二個付いているので、現状では充電池で使えるので問題はない。

でも例えば作業中に電池が無くなった。もう一つの電池も充電していない。

その結果、作業を数十分中断して電池が充電出来るまで待たなくてはならない。

まあワテの場合は趣味のDIYなので、途中休憩は問題無いのだが、でも皆さんの中にはここで作業を中断する訳には行かないと言う人も居るだろう。

そんな時に、もしこのマキタの電動ドリルドライバー12VもAC100Vコード式で使えるならとっても便利。

なので、ワテはこのマキタ電動ドリルドライバー(M655DWX)もAC100Vコード式に改造したいと思っている。

その為には、赤いニッカド電池パック(12V)部分のプラスチックケースと電極が必要になるのだが、手持ちの電池パックを改造する訳には行かない。

かと言って新品でマキタ純正赤いニッカド電池パック(12V)PA12を買うと高いし。

あるいは互換品もあるがそれでも二千円くらいする。

互換品はニッカドではなくてニッケル水素電池だ。

まあリサイクルショップでマキタ バッテリPA12 12Vが100円くらいで売っていたらラッキーなのだが。

あるいは3Dプリンタで印刷すると言う案もあるが面倒なのでやりたくないし。

まとめ

ワレコ

当記事で紹介した手法を使えば充電式電動工具をAC100Vでも使えるように出来る。

電動工具を買う時に充電式を買おうかAC100Vコード式を買うか迷う必要が無くなる。

充電式を買えば良いのだ。

 

当記事ではサーバー電源12V65Aを使って、古いニッカド式のDeWALT(デウォルト)製の18V電動ドリルドライバーをAC100V駆動に改造する過程を紹介した。

四極スピコンを使って接続するアイディアは革新的だ。

なぜなら、四芯キャプタイヤケーブル1.25SQx4には12V、24V、36Vの三つの電圧を供給しているので、14.4Vや18Vの電動工具なら12Vで駆動出来る。

あるいは18V電動工具をパワフルに使いたいなら24V駆動にしても良いだろう。10A程度の電流が流れれば2V程度の電圧降下が発生する。それなら22Vで18V工具を駆動する事になるので、非常にパワフルにモーターが回るだろう。

もし22Vでも電圧が高過ぎる場合には、大電流が流せるダイオードを数個直列に入れてその電圧降下を利用すればモーターに掛かる電圧を調整出来る。

例えば下写真のブリッジダイオードを使えば、ダイオード1個あるいは2個分の電圧降下を利用出来るのでそれぞれ0.7Vか1.4V程度電圧を減らす事が可能だ。

一方、将来的には36Vの充電式電動工具の本体のみを購入して、AC100V駆動で使う案にも対応できるように36V用の配線も準備した。

充電式工具は本体のみなら1万円から2万円台で購入出来るものが多いが、バッテリー2個付き、充電器付きとなると5万円とか6万円の商品が多い。

例えばリサイクルショップで中古36V電動丸ノコの本体のみ(バッテリー無し)を1万円程度で買って来れば、今回製作したサーバー電源システムがあればAC100Vコンセントからケーブル駆動して使えるので応用範囲が広いのだ。

と言う訳で、今後の予定としては、三台目のサーバー電源を買うかな。安ければ。

それと、サーバー電源を収納するケースを自作して、6メートルケーブルも巻き取り式にして持ち運び易くする予定だ。

サーバー電源の改造が面倒くさい人は?

サーバー電源の改造が面倒くさいとか技術的に難しいと思う人には幾つかの代替案がある。

一つは、PC用電源を使う案だ。いわゆるATX電源と呼ばれるやつだ(下写真)。

サーバー用電源は当記事で紹介したような改造をしないと電圧出力されないが、PC用のATX電源ならAC100Vに接続すれば12V30Aくらいの大電流が取り出せる。

ハードオフなどのジャンク屋に行けばATX電源は数百円くらいから販売されている。それを2~3台買ってきて直列接続すれば12V, 24V, 36Vを作り出せるはずだ(ワテはやっていないが)。

あるいは、出力可変のスイッチング電源を購入する案も良い。

例えば下写真の製品はポテンショメータが付いていて、それを回せば0~27Vdcの範囲で無段階調整可能との事だ。電流は20Aまで流せるとの事だ。

電圧値はLED表示されるので、分かりやすい。

ただし使う電動工具の電圧10.8V、14.4V、18Vの種類に応じて出力電圧を変更する為にポテンショメータを回すのは面倒かもしれない。

あるいは、もし電圧設定を間違えて10.8V電動工具に27Vなどの高電圧を加えるとモーターが燃えるかも知れないので要注意だ。

(続く)

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