2016年(平成28年)7月31日に小池百合子東京都知事が誕生して以来、政治が熱い。
この10年、いや20年くらいか、下らないテレビ番組が増えて来たと思うが、そんなテレビ番組に毒されて日本国民も馬鹿に成る一方だと思うが、豊洲問題などがテレビで報道されるにつれて、国民の関心も政治に戻りつつあるのではないだろうか。
社会評論家の大宅壮一が言ったらしい「一億総白痴化」に多少でもブレーキが掛かれば良いのだが、そう言う点でも小池百合子さんの業績は大きいと思う。
さて、その問題の豊洲であるが、2017年1月14日の報道によると、豊洲の地下水から、環境基準の79倍のベンゼンなどの有害物質が検出された。
検査した敷地内の全201カ所のうち、基準を超えるベンゼン、シアン、ヒ素が約70カ所で検出したそうだ。
まあ、こんな状況では築地市場を豊洲新市場に移転するのは事実上不可能だろう。
東京都は今回の測定値はこれまでの測定値との変動が大きいため、「暫定値」としているらしい。
まあそれも無理があるなあ。
都合が悪い数字が出ても、素直には認めない。
だいたい、江東区豊洲六丁目にあるこの豊洲市場は敷地面積40.7haもある。
407,000平方メートルだ。
敷地は下図のように長方形だから
407メートル x 1000メートル
くらいの感じかな。
図1. 豊洲新市場の敷地と建物 引用元 東京都
検査したのは敷地内の全201カ所と言う事だから、一か所当たりの面積は
407,000平方メートル ÷ 201 = 2000平方メートル
だ。
2000平方メートルと言うと、 45 メートルの正方形の面積。
つまり50メートルプールくらいの広さの土地の一か所で計測する訳だが、たまたま計測した計測地点と、そこから例えば5メートル離れた場所の計測値ですら同じとは限らないだろう。
実際には、45メートルの碁盤の目の地点くらいの粗さでしか計測していない訳だから。
つまり何を言いたいかと言うと、計測地点の数が少な過ぎる。
計測箇所が少なすぎるので、測る度に値が大きくばらつくのは当然だ。
追記(2017/2/1)豊洲市場の地下水モニタリング地点
ワテの猛烈な調査の結果、豊洲市場の地下水モニタリング地点の詳細情報が判明した。
図2. 豊洲新市場の201カ所の地下水モニタリング地点 引用元 東京都
まあ、この画像を見る限りはかなり細かく計測している印象を受ける人もいると思うが、実際には400メートル x 1000メートルくらいの広大な面積の敷地であり、各測定地点の間隔は数十メートルくらい離れている訳なので、201カ所で妥当なのかどうか、そもそもその根拠はあるのかな?
とは言っても、この記事の後半で説明するがこの201カ所の測定の費用が65億3270万円だから、もし縦横それぞれ10倍の細かさで計測するなら100倍の測定ポイント(20,100カ所)となる。
そうすると水質検査費用だけで6,532億70万円となるのか⁉
でもまあ、そもそもこんな土壌汚染の土地は、測定すればするほどまだまだ悪い値も出て来るだろうから、測定するだけ費用の無駄と言うもんだろうなあ。
追記ここまで
豊洲市場の敷地は、元々、ゴミで埋め立てたような土地だし、その上に東京ガスの化学工場が何十年も操業していたらしいから、各種の汚染物質が土壌に有るのは知らない者はいない。
食材を扱う生鮮市場に最も向ていない土地と言っても良いだろう。
普通、そんな危険な土地なら、駐車場とか、マンションとか、競技場とかそういう用途にするのが自然だと思う。
そもそもそんな危険なところに、食材を扱う築地市場を移転しようと言う発想自体が間違っていると思うのだが、一体全体どういう経緯でそんな移転が決まったのか。
まあ、ワテには分からない。
一つ言える事は、巨大公共事業に群がる魑魅魍魎がいるのは今も昔も変わらないと言う事だ。
東京オリンピック、築地市場の豊洲移転、これらの公共工事を利用しない手はない。
まあ、今の時代、そう言う考えになるのも仕方ない。
地下水分析9回分の費用65億3270万円。高いぞ⁉
さて、2017年1月31日(火)の報道によると、豊洲市場の地下水分析9回分の費用は65億3270万円と言う事だ。
一回あたり7億2600万円かな。
単に水の水質検査をするだけなのに、なんでそんなにアホみたいな値段になりまんねん⁉
東京都の説明では、
- 1~9回目の採水・分析に関わった延べ9社の合計は約65億3270万円(一部施設工事費含む)
- 3社と都環境科学研究所が担当する再調査分は計約1076万円
だったらしい。
良く分からんけれど、ワテの計算が正しいなら1回の計測では201カ所の測定を行う訳なので、
一か所当たりの測定料金は
7億2600万円 ÷ 201カ所 = 360万円/一か所当たり
かな。
水質検査一か所で360万円も掛かるのか?
ワテにはそんなのは信じられない
そこらへんにあるごく普通の水質検査会社に依頼すれば、たぶん一回当たり20~30万円も払えば測定してくれると思う。
例えばたまたま見つけたこの会社だと、
一般財団法人北里環境科学センター 理化学試験課
Tel : 042-778-9208 Fax : 042-778-4551
一般財団法人 北里環境科学センター - 水質検査項目健全な環境・健康的な生活の創造のため様々な試験・検査を実施しています。放射性物質測定業務も開始致しました。一般財団法人 北里環境科学センター:神奈川・相模原
ベンゼンとかシアンとか、その他51項目に渡る詳細な分析でも27万円(税込み)と書いてある。
27万円が360万円!
東京都が水質検査を依頼した業者がどこなのかは未確認だが、詳細な検査内容や検査項目などを知りたい。
もし豊洲市場の水質検査の内容が、上の業者さんがやっているのと同じような検査内容にもかかわらず、それで一回当たり何百万円もの費用が掛かるんなら、一体全体なんでそんな事になるの?
上の業者さんに任せれば27万円で済んだかもしれない。
追記(2017/2/1)水質検査(1~9回)実施業者が判明
東京都によると、2014年11月に始めた検査を担当したのは全7社。
- 1~3回目 (株)日水コン
- 4~8回目 ゼネコン各社(鹿島JV、清水JV、大成JV)の下請け
- 9回目 初参加の調査会社(湘南分析センター)
らしい。
引用元 東京都 http://www.shijou.metro.tokyo.jp/toyosu/siryou/monitoring/
ワテの理解が正しければ、1~8回は随意契約と言う奴なのかな。つまり東京都がこの業者さんにお願いしますと指定する方式。
9回目の業者さんは競争入札で選んだようだ。
その業者さん(横浜市の湘南分析センターが入札で受注)が測定した所、環境基準の79倍のベンゼンなどの有害物質が検出されたらしい。
う~ん、奇々怪々とはこの事か?
なんで9回目は新規の会社を競争入札で選定したんだろう?
そんなに急に方針を変更すると、1~8回の業者さん選定の過程に何かやましい事でもあったんじゃないかと勘繰る人が出ても不思議ではないだろう。例えばワテ。
それにしても一回の水質検査で数百万円の根拠が分からない。
分析結果を個別に請求しているから高いのかな?
上記の東京都が公表している検査結果のPDFを見ると
- ベンゼン HS-GC/MS法
- ベンゼン ヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法
- シアン化合物 吸光光度法
- シアン化合物 流れ分析法
- 砒素およびその化合物 ICP質量分析法
- 砒素およびその化合物 ICP/MS法
などの分析手法で検査したようだ。
普通の水質検査の請負業者さんなら、上記の業者さんのように
「ベンゼン、シアン、その他51項目の分析で費用が〇〇円」
のような価格設定が普通だと思う。
そのようにせずに、個別にベンゼンの分析、シアン化合物の分析、砒素の分析、、、各何十万円という価格で東京都が発注したのか、業者さんが見積もったのかは分からないが、その結果、トータルで数百万円になっているのだろう。
まあ例えて言えば、車の車検なら点検費用は総額で10万円と言う価格設定なら安心だが、
- タイヤの点検5万円
- エンジンの点検10万円
- オイル交換2万円
- 車内の掃除3万円
- ウインドウォッシャー液交換手数料1万円
- 洗車代金 3万円
- …
みたいに、個別に料金を請求されている感じじゃあないのかな。
兎に角、東京都の人や関係者の人には今までの水質検査内容の妥当性や費用の妥当性などを詳しく精査して頂きたい。
追記ここまで
追記2(2017/2/2)
報道によると、豊洲の土壌汚染対策を検討する「専門家会議」が「業者によって採水方法が違う可能性がある」ので9回の測定を一社では無く複数の業者が測定をした事を問題視しているようだ。
でも、それはおかしいぞ。どんな業者が測定しても同じ結果が出るような測定方法を事前に確立しておくべきだろう。
ある測定地点でA社が水を採取して測定したらベンゼンが出なくて、同じ場所でB社が水を採取して測定したらベンゼンが79倍出た。そんなインチキな測定結果には何の意味もない。
豊洲に関わっている人々はアホなのか!
追記ここまで
豊洲市場に掛けた費用は既に6000億円
報道によると豊洲市場の移転に掛けた費用は既に6000億を超えているらしい。
その中には土地、建物なども含まれると思うが、このサイトによると、江東区の土地平均価格は以下の通り。

東京都江東区 平均49万2150円/m2 (2016年[平成28年])
1平米で約49万円なので、敷地面積407,000平方メートルを掛けると約2000億円になる。
う~ん、まあ、ワテの大雑把な計算なので、多少の誤差はあると思うが、総費用6000億の半分くらいは土地代なのかな。
だとすると、残りの3000億円が建物かな。
高いなあ。
さて、今後、豊洲市場はどうなるだろうか?
もし豊洲に移転したとしても、高濃度の汚染物質が原因で死者が出るとか、そんな問題は起こらないだろう。
それは東京電力福島原発事故の放射能汚染と同じで、高い放射能汚染物質が各地に放出された訳だが、それが原因で直ぐに死者が出たかどうかなどは証明のしようがない。
放射能は、目にも見えないし、じわじわと効いてくるわけだから。
豊洲の土地の水に汚染物質が沢山あっても、その水を飲む訳ではないから、移転して市場として利用する事は可能だろう。でも風評被害などの問題が出て来るから、移転は無理だろうなあ。
小池百合子さんや東京都としては、遅くとも今年中には移転するか中止にするのかを決断するだろう。
まあ、ワテの推測では、中止になるだろうなあ。たぶん。本年度中に決断するとしたら、2月か3月に結論が出るのかな。
世論も今では豊洲は危険と言うイメージで見ていると思うので、その世論を押し切ってまで強制移転するとは思えないし。
まとめ
ワテとしては、豊洲市場移転中止に賛成である。
6000億円がパーになるのはもったいないが、土地や建物を別の用途に利用すれば6000億の全額がパーになる訳ではないし。
ネットなどで噂に上がっているが、アマゾンが買い取って物流センターにするなどと言う噂がある。まあ、ここは、アマゾンさんが6000億払って買い取れば、一躍アマゾンの好感度が上がるだろうと思う。
で、現在の築地市場に関しては、今ある築地市場を改築すればいいだろう。
市場の機能を停止する訳には行かないから、一度に改築するのは無理なので、部分的に増改築を行い、10年くらい掛けて全部を改築すれば良いだろう。
東レ トレビーノ ポット型浄水器
ちなみに、この浄水器はお勧めだ。
水道水をこの浄水器で濾過すると、まろやかな味になる(ワテの感想です)。
あるいは、水道に取り付けられる製品だと、このシーガルフォーの浄水器が有名だ。
実は、ワテも一台欲しいと思っている。
東京都はこの浄水器を沢山購入して、豊洲の地下水を浄水すればいいんじゃないか?
10,000台買ったとしても、高々6億円くらい。6000億円の0.1%だ。
あるいは地下水分析に掛かった約65億円なら10万台買えるぞ。
シーガルフォー浄水器10万台で汚染水の完全浄化にトライするほうが前向きだ。
今後、第10回目の汚染水調査にまた7億円くらい出費するんだろうと思うけれど、環境基準の79倍のベンゼンが出た事実を覆す(くつがえす)のは無理なので、出来るだけ早く移転中止に決めて、築地市場の改築に尽力すべきだろう。
それと新豊洲市場の転用プランも検討すべきだとワテは思う。
コメント