【ワレコの電子工作】昔作った金田式DCプリアンプをレストア【発振問題解決できた】

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ワレコ

早いもので2021年も八月に入った。

日本全国で気温が40度近くまで上がっている。

まあ数年後には夏場の最高気温が45度くらいになり、十年後には50度くらいになるだろう。

人類は滅亡へと向かっているのだ。

そんな時には電子工作。

なんのこっちゃ

 

金田式DCプリアンプ修理再生プロジェクトであるが、前回までで±35V安定化電源基板とフラットアンプ基板に半田付けが完了した。

安定化電源基板は正常動作する事は確認出来ている。

その記事はこちら↴

【ワレコの電子工作】昔作った金田式DCプリアンプをレストア【PCBWay製フラットアンプ基板にパーツ半田付け完了】
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一方、フラットアンプ基板は先日作成したぺるけ式アンプ試験ワークベンチで計測したところ、発振している事が判明した。

その記事はこちら↴

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その後、無事に発振の対策が出来たので、当記事ではその過程を紹介したい。

では、本題に入ろう。

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金田式DCプリアンプの発振が止まらない

「最新オーディオDCアンプ 誠文堂新光社」に掲載されている「高性能レコード再生専用DCプリ・アンプ」のフラットアンプ部分を下図に示す。

ワテがKiCadの回路図エディタEeschemaで描いたものだ。

図 金田式DCプリアンプのフラットアンプ回路

引用元 最新オーディオDCアンプ 誠文堂新光社

PCBWayさんで製作したその専用基板に、解体したアンプの部品を半田付けした過程は前回記事で紹介した。

図 PCBWay製の専用基板で再作成した金田式DCプリアンプのフラットアンプ

このフラットアンプを、先日作成したばかりのぺるけ式アンプ試験ワークベンチ(下写真)を使って計測したのだ。

写真 ぺるけ式アンプ試験ワークベンチを使って計測中の金田式プリアンプのフラットアンプ基板

ぺるけ式アンプ試験ワークベンチにワテ独自改造(下部に正負二極電源出力端子追加)をしたので、これが一台あればアンプ基板への電源供給、入力端子へのパルジェネ信号供給、アンプ出力信号のオシロ観察など、オーディオ機器のテストに必要な機能が全て備わっているのだ。

その結果、上写真のように非常にスッキリとした配線になる。

そのアンプ試験ワークベンチを使って金田式プリアンプのフラットアンプ基板を計測したところ、、発振しまくっている(下図)。

写真 入力1KHzの場合のフラットアンプ出力を観察したら発振していた

まあ、人生そんなもんだろう。

一発で上手く行くわけがない。

発振の心当たりとしては、初段2N3954のドレインに入っているマイカコンデンサは指定では20pFだが、手持ちには18pFしか無かったのでそれを付けた。

それが怪しい。

下図右下のC101の18pFマイカコンデンサだ。

写真 差動増幅回路初段の2N3954とその周辺回路

つまり発振の原因は、2ピコファラド足りないのが原因かも知れない。

そこで、下図のように基板の裏側から22pFを追加してみた。合計40pFになる。

写真 2N3954のドレインに入っているマイカコンデンサの容量を増やしてみた

そして再びぺるけ式アンプ試験ワークベンチで計測した(下写真)。

その結果、発振は全く収まらないw

写真 盛大に発振しまくっている金田式DCプリアンプのフラットアンプ(左チャンネル)

あかんがな。

でも、追加したコンデンサの両足を手で触ると発振は止まる。

で、試しにもう少し容量を増やして100pFを追加してみた。

そうすると、20cmくらいのリード線付きICテストクリップで100pFを仮配線して計測したら発振しないのだが、半田付けすると発振する。

と言う事で、この部分のコンデンサ容量を変えても解決出来そうにない。

こう言うICテストリードは電子工作に必須だ。

定番のテイシン電機さんのやつなら安心だ。

金田式DCプリアンプの発振が止まった

さて、どうするか。

ぺるけさんのサイトの記事で参考になるものがあった。

My Tube Amp Manual

特に下記事には以下の記述がある。

Vinyl Project

2段目C-B間の位相補正なしの状態では動作が不安定になり高周波ノイズが増えたり高周波帯域で発振します。

引用元 http://www.op316.com/tubes/vinyl/tr-phonoeq-100.htm

まあ電子回路初心者のワテも、差動増幅回路の二段目のトランジスタのコレクタ-ベース間に位相補償の容量を追加すると安定性が良くなるのは知っている。

ただし、なぜ安定するのかは上手く説明出来ない。あかんがなw

こう言う本でちゃんと勉強せなあかんな。

と言う訳で、差動増幅回路二段目の2SA726Gに位相補正コンデンサを追加してみた(下図)。

図 金田式DCプリアンプのフラットアンプ回路差動増幅回路二段目TRに位相補償コンデンサ追加

ちなみに上図はイコライザーアンプの回路図だが、今回PCBWayさんで製作した専用基板はイコライザーアンプとフラットアンプの兼用基板として設計したので、どちらのアンプもこの基板で作成出来るのだ。

続編もある。

左チャンネルの発振対策が成功した

取り敢えず、下写真のように2pFマイカコンデンサを基板裏面から仮配線してみた。

写真 フラットアンプ基板半田面に2pFマイカコンデンサを仮半田付け(差動増幅回路二段目のPNPトランジスタB-C間に)

その結果、発振は消え去ったぞ。

下写真のように500KHzのサイン波を入力しても出力は安定して出ている。

写真 フラットアンプ左CH:入力500KHz(上段1Vスケール)、出力(下段5Vスケール)

フラットアンプのゲインは設計では、

( 47K + 5.6K )/ 5.6K = 9.39

なので、上図を見る限りは500KHzでもほぼ設計通りのゲインになっている。

ただし、若干位相の遅れが見られる。

 

下写真のように入力サイン波の周波数を1MHzに上げても非常に安定している。

写真 フラットアンプ左CH:入力1MHzに上げてもゲインは設計通り約10倍程度に観察されている

と言う訳で、下写真のように2pFの足を短く切って本付けした。仮付けの反対語は本付けで良いのかな?

写真 2pFのマイカコンデンサは大昔に5個105円で買ったようだ。どこのお店かは覚えていない。

試しに5MHzのサイン波を入れてみたが、それでも発振せずに安定している。

ただし、下写真で分るように出力信号(下段)の振幅が四分の一くらいに減衰しているが。

位相も半周期くらい遅れているようだ。

写真 フラットアンプ左CH:入力5MHzに上げても安定性は良い

調子に乗って10MHzにしてみたが、それでも発振していない(下図)。

写真 フラットアンプ左CH:入力10MHzに上げても安定性は良い

まあ、10MHzと言うと音波と言うよりも電波だなw

そんな音は聞こえないから無意味な計測かも知れないが、発振していない事がはっきりしたので気分爽快だ。

なお、2pFマイカコンデンサを付ける前に100pFのマイカコンデンサを付けてみたのだが、それでも発振は止まった。

でも容量が大き過ぎたので、入力10KHzでも出力はかなり減衰していたので、手持ちに有った最も小さいマイカコンデンサ2pFを付けてみたのだ。

方形波入力の応答波形を観察した

ついでにパルス波形を観察してみた。

10KHzの方形波入力に対して、出力も割と綺麗な波形が出ている。

写真 左CH:10KHz方形波入力に対する出力応答の様子

次は100KHzの方形波を入れてみた。

その結果、出力信号に多少のリンギングが観察されたが、100KHzでこれくらいなら非常に良い性能だと思う。

写真 左CH:100KHz方形波入力に対する出力応答の様子

だいたい、ワテの耳では15KHzくらいまでしか聞こえないしw

100KHzとかだと、音波と言うよりも電波の世界の気分だ。

右チャンネルも発振は止まった

いやぁ、こんなに簡単に発振が止まると思っていなかった。

同じように右チャンネルにも2pのマイカコンデンサを追加して、ぺるけ式アンプ試験ワークベンチで計測した。

写真 右CHをぺるけ式アンプ試験ワークベンチで計測している様子

1MHzだと、ゲインは設計通りのだが、位相の遅れが目立つ。まあ1MHzなんて音波では無くて電波みたいなもんだから、どうでもいいけど。

写真 右CH:1MHz正弦波入力に対する出力応答の様子

次は100KHzだ。

100KHzだと、ゲインも位相もいい感じ。

写真 右CH:100KHz正弦波入力に対する出力応答の様子

100KHzでも十分に良い性能が出ているので50KHzなら余裕のよっちゃんだ。昭和のギャグか。

写真 右CH:50KHz正弦波入力に対する出力応答の様子

最後に10KHzの応答波形を見て終わりにする。

写真 右CH:10KHz正弦波入力に対する出力応答の様子

やっぱりアナログオシロスコープっていいよね。

でも、もし壊れたら次に買うのはデジタルオシロかな。

まとめ

ワレコ

発振が観察された時にはお先真っ暗だったが、案外簡単に解決したので拍子抜けした。

それにしても、たった2pのマイカコンデンサで発振が止まるんだから、電子回路は奥が深い。

 

当記事では、ワテが現在製作中の金田式プリアンプのフラットアンプの発振問題の原因と対策を紹介した。

このアンプはワテが大昔に自作したものを解体して、PCBWayさんに新規に専用基板を発注して再作成中のものだ。

僅か2pFを追加するだけで、抜群の安定性を示すようになったフラットアンプであるが、と言う事はワテが大昔に最初に作成した金田式DCプリアンプは果たして正常に動作していたのかな?

その当時はオシロスコープも持っていなかったので、当記事でやったような計測はやっていない。

完成した直後にレコードプレーヤーを接続して、音出しをしたらいい感じの音が鳴っていたので正常動作していると思っていたのだが、、、

今となってはその真相は不明だ。

もしかすると、盛大に発振していたのかも知れない。

まあ、金田式アンプは発振してなんぼの世界だから(=発振する事に価値がある)、それでいいのかも知れない。

ほんまかいな。

ぺるけ式アンプ試験ワークベンチを使う事で計測作業は非常にやり易かった。

PCBWay製の基板はあと十枚余っているので、調子に乗ってイコライザーアンプも作るかな。

なお、使っているBNC===ICテストクリップ(赤黒2ピン)ケーブルが硬くて使い辛い。

ワテが使っているのはノーブランドのやっすいヤツだ。

でも、例えばテイシン電機さんのやつなら使い易いのかな?

あるいは柔らかい電線を使って自作しても良いかも。

これで無事にフラットアンプが完成したので、先に完成している±35V定電圧電源と電源トランスを搭載できるシャーシの製作に取り掛かりたい。

ぺるけさんの書籍で電子回路を勉強する

(続く)

 

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