
半田吸取器がハンダを吸わなくなってしまったのでメンテナンスした。
結論としてはメンテナンスすれば性能が回復した。
では本題に入ろう。
半田吸取器は便利
電子工作をやるなら半田吸取器は持っておきたい。
と言うワテも半田吸取器を買ったのはホンの二年ほど前なのだが。
ワテが買ったのは上写真の白光さんのハンディタイプ 2極接地型プラグ FR301-82と言うやつだ。
欲しいなあとは思いながら、2万円前後の実売価格なので買うには高いので無くてもどうにかなると思って買わずにいたのだが。
でも買ってみて分かったのは、長い目で見れば半田吸取器は経済的だと思う。
なぜなら、半田吸取線は消耗品なので何個も買えばすぐに数千円くらいの出費になる。
一方、手動圧縮式のスッポン式 ハンダ吸取器は一箇所のハンダを吸い取るだけでも毎回ポンプを圧縮しなくてはならないので、作業性が悪い。
実際、ワテは以前に下写真のはんだシュッ太郎NEOを使っていたのだが、今は使っていない。
電動ポンプ式の半田吸取器は、プリント基板にはんだ付けした全部のパーツを取り外したい場合でも、20分も有れば作業が完了する(下写真)。
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写真 電動半田吸取り器FR301で金田式A級15Wアンプの電源基板を解体した例
それを半田吸取線や手動ポンプ式のスッポンでやると、恐らく2~3時間くらい掛かるのでは無いだろうか?
そんな便利な電動式の半田吸取器であるが、先端ノズルの部分にハンダやゴミが詰まって吸い取り能力が低下する。
白光電動式の半田吸取器FR301をメンテナンスする
現在製作中の「金田式AB級80W+80W DCパワーアンプ」であるが、電源部のパワートランジスタの発熱が大きいのでヒートシンクへの取り付け方法を変更中だ。
そこでまずは下写真のようにプリント基板にはんだ付けしているパワートランジスタを取り外したい。
ところが白光FR301はんだ吸取器で吸引しても全然吸わないのだ。
写真 白光FR301はんだ吸取器の吸引力が極端に低下
吸引力が低いのは吸い取ったハンダカスを溜めるカートリッジ部分にハンダカスが沢山溜まっているのが原因かなあと思ってカートリッジを取り外した(下写真)。
ちなみにカートリッジ部の正式名称は「フィルターパイプ組品」だ。
写真 白光FR301はんだ吸取器のハンダカス保管カートリッジ
上写真では分かりづらいが透明パイプ部の中には大量のハンダが溜まっている。
なのでワテの場合はこのカートリッジ部分のみを予備部品として追加購入している(下写真)。
かつ、下写真のフィルターも消耗品なので追加購入している。
取り外したハンダカス満杯のカートリッジはあとで清掃するので、下写真のように新品のカートリッジを取り付けた。
写真 新品カートリッジを取り付けたが吸引力が極端に低い
ところが新品カートリッジを取り付けたが吸引力が極端に低い症状は改善しない。
クリーニングピンが挿し込めない問題
吸引力が低下した場合には、まずは下図のように付属のクリーニングピン(Φ1.0mmノズル用)をノズル先端から突っ込めば良い。
この時には半田吸取器の電源はONして先端ノズル部も加熱しておけば、内部に詰まっている半田が溶けるからだ。
ところが、クリーニングピンを突っ込んでも5mm程しか挿し込めない。
先端ノズル詰まっていない場合には、クリーニングピンは何センチも奥まで挿し込めるのだが。
おかしいなあ~。
いつもならクリーニングピンを突っ込んだらノズルの詰まりも取れて吸い込み能力が改善するのだが。
ノズルレンチで保護パイプと先端ノズルを取り外す
こう言う時にはノズルレンチを使って先端ノズルとそれを固定している保護パイプを取り外せば良い。
と言うワテも実は初めてこの作業をやったのだが。
写真 白光半田吸取器FR301付属のノズルレンチ
このノズルレンチをノズル先端から挿し込んで、左に30度ほど回せば先端に付いている保護パイプが外れる。
写真 白光半田吸取器FR301の先端ノズルや保護パイプをノズルレンチで外した状態
その保護パイプは先端ノズルを抑え込む構造なので、保護パイプを外せば先端ノズルも取り外せるのだが、ワテのFR301では先端ノズルが固くて外れない。
先端ノズルはネジになっているのではなくて、単に挿し込んであるだけなので摩擦で保持されているのだが、抜けない。
なので、ソフトタッチプライヤーで先端ノズルを挟んでグリグリやれば外すことが出来た(上図)。
写真 FR301半田吸取器標準付属品の先端ノズル(型番 N61-08, 先端内径 Φ1.0mm)拡大写真
取り外した先端ノズルを拡大ルーペで見ても、穴が塞がっていて詰まっているようだ。
そう言う場合には取扱説明書によれば下図のようにクリーニングドリルで掃除すれば良いとの事だ。
図 クリーニングドリルで先端ノズルを清掃
このクリーニングドリル(下図)はオプションなので、ワテは持っていない。
でもワテの工具箱を漁ったら、Φ0.8ドリルビットとピンバイスが有った。
それらを使って先端ノズルの穴をグリグリとやると、無事に穴が貫通した。
加熱芯も掃除する
次に、下図のように付属のクリーニングピン(加熱芯用)をヒーター部の穴に突っ込んだ。
図 クリーニングピンで加熱芯を掃除する
この加熱芯用のクリーニングピンは持ち手が青色でドライバーのような形状だったので、何に使うのかなあと思っていたのだが、上図のようにヒーター内部の掃除に使うのだった。
上図のようにクリーニングピンを挿し込んで前後に動かしたら、煤(スス)のような灰色の粉末が沢山出てきた。
うまい具合に清掃出来たようだ。
これで先端ノズル部の詰まりは解消したので、あとは逆の手順で組み立てて清掃作業は完了した。
ハンダカスが溜まったカートリッジを清掃して組み立てる
冒頭で写真で示したハンダ屑が沢山溜まったカートリッジだが、中のハンダ屑は捨てて、透明樹脂製の円筒部や前後の黒いゴム性パーツは風呂場で石鹸や歯ブラシを使って綺麗に洗った(下写真)。
あとは、下写真の白い白光 セラミックペーパーフィルターLを取り付けて組み立て完了だ。
なお、古いセラミックペーパーフィルターはハンダが直接当たる部分は汚れているが、それ以外の部分は割と綺麗なままなので全部交換すると勿体ない。
なので汚れている部分のみを剥がして捨てて、同じ厚さの新しいフィルターを補充してやれば下写真のように新品同様に組み立て完了だ。
写真 セラミックペーパーフィルターは剥がして必要な分量だけを使えば節約出来る
組み立て方法は下写真のようにやれば良い。
写真 白光半田吸取器FR301のフィルターパイプ部の組み立て方法
まとめ

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当記事ではワテ所有の白光半田吸取器FR301をメンテナンスする過程を紹介した。
電動式の半田吸取器は実売価格が2万円前後なので、ワテの場合は買うのを躊躇していた。
でも約2年前に思い切って購入したのだが、今思えばもっと早く買うべきだった。
半田吸取線やスッポンなどと比べて電動ポンプ式半田吸取器の作業性は遥かに高いのだ。
電子工作で使う工具と言えば、以下の工具や測定機が有ればほぼ問題なく出来るだろう。
ここに、半田吸取器が加わるだけで作業効率が飛躍的に向上するのだ。
かつ、ハンダゴテは温調式ハンダゴテがお勧めだ。
(続く)
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