2015年12月8日(火)の報道によると、
エンブレム選考過程に国民が参画できるようだ。
2020年東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は8日、都内で第7回エンブレム委員会を開き、一般国民が選考の過程に何らかの形で関与する「国民参画」を行う方針を固めた。
ただし、インターネットなどで国民1人ひとりが投票をする形式は「1人1票が担保できない」とし、断念。組織委のホームページで国民の意見を募集し、それをエンブレム委員会の審査に反映させる方向で調整している。
引用元 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151208-00000078-nksports-soci
う~ん、国民の意見を取り入れる方向でエンブレム選考が行われると言うのは、方向性としては良いと思うのだが、
「インターネットは国民1人1票が担保できない」
「ホームページで国民の意見を募集し」
は相矛盾しているぞ。あかんがな!
インターネットが不完全だと言いながら、インターネットを使ったホームページで意見を募集するだと!
当記事では、東京オリンピック新エンブレムの国民参画審査に関してワテの意見を述べたい。
では、本題に入ろう。
東京オリンピック新エンブレムの国民参画審査に関するワテの意見
まあ要するに冒頭の引用記事から分かるように、2020年東京五輪・パラリンピック大会組織委員会のエンブレム委員会には、ITの専門家が一人も居ない事を露呈している。
いったいどんな顔ぶれなのだろうか。
「東京2020エンブレム委員会」メンバー一覧
2015年9月29日(火)、東京2020組織委員会は、『みなさまから広く支持されるエンブレムを、オープンな形で早期に選定するため、「東京2020エンブレム委員会」を設置いたしました。』と言う事だが、その顔ぶれとやらは、
委員長 | |
---|---|
宮田 亮平(みやた りょうへい) | 東京藝術大学 学長 |
委員 (五十音順) | |
今中 博之 (いまなか ひろし) | 社会福祉法人素王会理事長 |
榎本 了壱 (えのもと りょういち) | クリエイティブディレクター/京都造形芸術大学客員教授 |
王 貞治 (おう さだはる) | 福岡ソフトバンクホークス株式会社取締役会長/一般財団法人世界少年野球推進財団理事長 |
柏木 博 (かしわぎ ひろし) | 武蔵野美術大学教授 |
勝井 三雄 (かつい みつお) | グラフィックデザイナー/勝井デザイン事務所代表 |
志賀 俊之(しが としゆき) | 日産自動車株式会社取締役副会長 |
杉山 愛(すぎやま あい) | スポーツコメンテーター/元プロテニス選手 |
田口 亜希(たぐち あき) | パラリンピック射撃日本代表/一般社団法人パラリンピアンズ協会理事 |
但木 敬一(ただき けいいち) | 弁護士/元検事総長 |
田中 里沙(たなか りさ) | 「宣伝会議」取締役副社長兼編集室長 |
中西 元男(なかにし もとお) | デザインコンサルタント/PAOSグループ(東京・上海)代表 |
夏野 剛(なつの たけし) | 慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特別招聘教授 |
西崎 芽衣(にしざき めい) | 一般社団法人ならはみらい事務局(立命館大学休学中) |
長谷川 祐子(はせがわ ゆうこ) | 東京都現代美術館チーフキュレーター/多摩美術大学教授 |
林 いづみ(はやし いづみ) | 桜坂法律事務所弁護士 |
フミ・ササダ | 株式会社ブラビス・インターナショナル 代表取締役社長 |
松井 冬子(まつい ふゆこ) | 日本画家 |
松下 計(まつした けい) | 東京藝術大学教授 |
マリ・クリスティ-ヌ | 異文化コミュニケーター |
山本 浩(やまもと ひろし) | 法政大学スポーツ健康学部教授 |
審査員一覧
委員 | |
---|---|
松下 計(まつした けい) | 東京藝術大学教授 |
フミ・ササダ | 株式会社ブラビス・インターナショナル 代表取締役社長 |
夏野 剛(なつの たけし) | 慶応義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特別招聘教授 |
榎本 了壱(えのもと りょういち) | クリエイティブディレクター/京都造形芸術大学客員教授 |
柏木 博(かしわぎ ひろし) | 武蔵野美術大学教授 |
中西 元男(なかにし もとお) | デザインコンサルタント/PAOSグループ(東京・上海)代表 |
勝井 三雄(かつい みつお) | グラフィックデザイナー/勝井デザイン事務所代表 |
審査員 | |
青木 克憲(あおき かつのり) | クリエイティブディレクター |
天野 幾雄(あまの いくお) | アートディレクター/グラフィックデザイナー |
岩上 孝二(いわがみ こうじ) | グラフィックデザイナー/崇城大学芸術学部教授 |
カイシ トモヤ | アートディレクター |
鎌田 順也(かまだ じゅんや) | アートディレクター/グラフィックデザイナー |
河北 秀也(かわきた ひでや) | アートディレクター |
工藤 強勝(くどう つよかつ) | グラフィックデザイナー |
左合 ひとみ(さごう ひとみ) | グラフィックデザイナー |
高橋 善丸(たかはし よしまる) | グラフィックデザイナー/大阪芸術大学教授 |
寺島 賢幸(てらしま まさゆき) | アートディレクター |
中島 祥文(なかじま しょうぶん) | アートディレクター |
はせがわ さとし | 株式会社D-NET&SDC project 代表 |
増永 明子(ますなが あきこ) | アートディレクター/デザイナー |
宮田 裕美詠(みやた ゆみよ) | グラフィックデザイナー |
森重 正治(もりしげ しょうじ) | アートディレクター/グラフィックデザイナー 有限会社アドボックス 代表取締役 |
山形 季央(やまがた としお) | 多摩美術大学 グラフィックデザイン学科 教授 |
加藤 芳夫(かとう よしお) | 公益社団法人 日本パッケージデザイン協会理事長 |
田川 雅一(たがわ まさかず) | 公益社団法人 日本パッケージデザイン協会 理事 株式会社ベネディクト 代表取締役社長 |
宮崎 桂(みやざき けい) | 公益社団法人日本サインデザイン協会 副会長 株式会社KMD 代表取締役 |
金田 享子(かねだ きょうこ) | 公益社団法人日本サインデザイン協会 常任理事 アトリエ景株式会社 代表取締役 |
う~ん、確かにデザイン分野の専門家ばかりで、ITの専門家は一人も居ないように思う。
偽の「ご意見」が大量に送られる
IPアドレスを偽装したり、Cookie情報(注)を改竄したりするのは、或る程度のコンピュータやインターネットの知識が有れば誰でも簡単に出来る。
注:Cookieとは何か?
例えばネットでどこかのサイトを見ると、それ以降、貴方のブラウザーの広告表示が、今見たその商品に関連する物ばかりになる経験があるだろう。その仕組みは、パソコンの中にいつ貴方がどのサイトの何の商品を見たというような情報がコッソリと保存されているのだ。この仕組みをCookieと言う。
どこかのサイトにログインする場合のユーザー名やパスワードを記憶しておく仕組みにもCookieが使われる事があるので、正しく使えば役立つ技術ではある。
エンブレム選考委員会が「ご意見」収集WEBサイトを立ち上げた場合、一度ご意見を送った人のパソコンにはこのCookie情報を保存しておけば、二回目以降のご意見送信かどうか判定できる。しかし、Cookieを偽装されたらその方法では多重投票を見つける事は難しい。
一台のパソコンから発信元を偽って大量の「ご意見」を委員会のホームページに送信する事も可能だ。それらの多数の「ご意見」は、複数の異なるパソコンを使っている善良な人々の「ご意見」と扱われる。
でも、実際は、一人の悪意ある人物が大量に投票したものだ。
う~ん、ワテの予想では、このネットを使った新エンブレム選考のための国民のご意見収集システムが発表されるや否や、世界中から偽のご意見が大量に送り付けられるに違いないと思う。
タイム誌のパーソン・オブ・ザ・イヤーの二の舞になる?
つまり、2001年に米国「タイム」誌の「パーソン・オブ・ザ・イヤー」に予想もしていなかった日本人名 Masashi Tashiro がネット投票で1位になってしまう事態になった。それも2位のオサマ・ビンラディンに約2倍の差を付けての第1位だ。
この事態にタイム誌の編集部は騒然となり「Masashi Tashiro」って一体全体誰やねん?と英語で会話したに違いない。
何故そんな事態になったのかと言うとそれは、同誌のウェブサイトの投票ページへ、組織的な大量投票が行われたからだ。同ウェブサイトでは多重投票が可能なシステムとなっており、手動による多重投票はもちろん、プログラムを組んでスクリプトや何らかのツールを使って多重投票を行う事も簡単に出来たのが原因だ。 このようなネット大量投票行為は「砲」と呼ばれている。タイム誌の事件で使われたのは、田代砲と呼ばれている。
こんなに世間の注目を集めている東京オリンピックエンブレム問題なので、興味本位で東京オリンピック砲を作る輩が出ても不思議ではないとワテは思う。
2020年東京五輪・パラリンピック大会組織委員会
名誉会長 | |
一般社団法人日本経済団体連合会名誉会長 キヤノン株式会社代表取締役会長兼社長CEO | 御手洗 冨士夫 |
会長 | |
元内閣総理大臣 公益財団法人日本体育協会名誉会長 | 森 喜朗 |
大丈夫か! 森さん!
では、
安全な手法はあるのか?
100%安全とは言えないけれど、手紙・ハガキによる投票にすれば良いと思う。
それも、以下の条件を満たすもの。
- 住所、氏名、電話番号が明記してあるもの
- 手書き
だ。
これなら、仮に偽装して大量投票しようとしても、住民票を調べれば偽住所かどうか直ぐ分かるし、手書き限定にすれば筆跡を変えて何枚もハガキを書くのは困難だ。
仮に、他人に依頼して書いて貰うとしたら、その時点で犯行が発覚するリスクがある。
つまり、ネットを一切使わない従来通りのアンケートが最も安全だと思う。
もしWEBサイトで『ご意見』収集をやるなら、ITやセキュリティの専門家を集めて完璧なシステムを構築するべきだろう。ワテの少ない知識で言うなら、公開鍵暗号などを使えば出来なくはないと思う。
さあ~、どうなる事やら。
ワテがデザインした2020年東京オリンピックのエンブレム
ワテも2020年東京オリンピックのエンブレムをデザインしてみた。
これだ。
エンブレム
エンブレル
円ぶれる
¥ぶれる
…
座布団が全て無くなる事は言うまでも無い。
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