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【ワレコの電子工作】昔作った金田式DCパワーアンプをレストア⑥【PCBWay製アンプ基板に半田付け完了&動作確認成功】

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ワレコ
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最近のワテは一日二食だ。

朝と夜だけ。

それとコーヒーと和菓子。

昔作った金田式DCパワーアンプのレストアプロジェクトもいよいよ終盤に近づいて来た。

前回までで以下の作業が完了している。

  • ±50V定電圧電源基板が2枚完成
  • ±20V大電流定電圧電源基板(XH6版)の1枚目完成
  • ±50V電源、±20V電源、ブリッジ整流回路をシャーシ組み込み(1台目)
  • パワーアンプ基板、DC検出&スピーカー保護回路基板(XH6)をKiCadで設計
  • KiCad設計した基板をPCBWayさんに発注
  • 追加発注でXH7版の±20V電源基板と保護回路基板も発注
  • パワーアンプ基板、DC検出&スピーカー保護回路基板の半田付け開始

結構ややこしいのでワテ自身でもこの様にブログにメモを残しておかないと訳分からなくなって来た。

当記事では以下の作業を紹介する

  • ±20V大電流定電圧電源基板(XH7版)半田付け
  • パワーアンプ基板2枚半田付け
  • パワーアンプ基板単体で動作確認

前回記事はこちら⤵

では本題に入ろう。

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電源部の製作

±20V大電流定電圧電源基板(XH7版)の製作

±20V大電流定電圧電源基板はこの記事で紹介しているように一枚目は既に完成している(下写真左)。

写真 ±20V大電流定電圧電源基板(XH6版)は以前に完成しているがXH6は設計ミスだった

ところがこの±20V電源基板とスピーカー保護回路基板とを六本の信号線で接続する為にXH6コネクタを採用したのだが、その直後に七本の信号線が必要で有ることが判明した。

そこで、急遽それらの修正基板をKiCadで再設計した。

そしてPCBWayさんにアンプ基板を発注した時に、同時に±20V電源基板(XH7版)とスピーカー保護回路基板(XH7版)も追加発注した。

前回記事で詳しく紹介したが、PCBWayさんの発注システムでは注文して現在製造中の基板がある時に別の基板を追加発注すると、両者を同梱発送するかどうか選択が出来る。ワテの場合は、それを四回も繰り返して、結局四つの注文の全ての基板を同梱発送して貰うことが出来たので送料を大幅に節約することが出来た。

PCBWayさんの発注システムはとても使い易いと思う。

下写真左が±20V電源基板(XH7版)、写真右がレストア前の±20V電源基板だ。

写真 左:±20V電源基板(XH7版)、右:レストア前の±20V電源基板

正確に言うと上写真右はA級30W用に作ったので±25V電源だ。

右基板を解体してPCBWay製基板で再作成するのだ。

レストア前の±20V電源基板を解体

さて、この電源基板を解体して部品を再利用する。

写真 解体前の電源基板(A級30W用に作ったので±25V電源)

半田付けしている部品を回収するには電動ポンプ式の自動ハンダ除去ツールは必須だ。

と言うワテも数ヶ月前に買ったばかりなのだが。

このハンダ除去ツールを使うと三十分も掛からずに下写真のように全ての部品を取り外す事が出来た。

写真 電動ポンプ式の自動ハンダ除去ツールを使って部品を回収した

自動ハンダ除去ツールはこんなに便利ならもっと早く買えば良かった。

写真 白光はんだ吸取器FR301はカートリッジ式なので掃除が楽ちん

この電源基板の解体作業で吸い取ったハンダは下写真になる。

写真 電源基板の解体作業で吸い取ったハンダ

上写真のように大量のハンダが回収される。

カートリッジの中にハンダが溜まると吸引力が低下するので、ワテの場合は別売りのカートリッジを一個買っている。作業中に吸引力が落ちてきたらカートリッジ交換するのだ。

写真 白光はんだ吸取器FR301標準装備のカートリッジと追加購入したカートリッジ

回収したパーツを±20V電源基板(XH7版)に半田付け

回収したパーツを±20V電源基板(XH7版)に半田付けする。

写真 回収パーツと±20V電源基板(XH7版)

専用基板なので下写真のようにサクサクと順調に半田付け作業が進む。

写真 タンタルコンデンサーを半田付けする前の±20V電源基板

回収したトランジスタは半田付けする前に下写真のようにhFEを計測して不良の有無を確認する。

写真 ワテ自作のトランジスタhFEテスターで2SA872A/2SC1775AのhFEを計測中

下写真のように±20V電源基板の半田付けが完了した。

写真 ±20V電源基板の半田付けが完了

ちなみに雑誌のオリジナル回路では2SA566/2SC1161と言うTO-66型のトランジスタが使われているが、そんな古いトランジスタは持っていない。

そこでワテの場合は上写真のように適当に選んだ東芝2SA1837/2SC4793を使った(フルモールドのやつ)。

という事で、言うまでもなく純正金田式ではなくて金田式風パワーアンプだ。

下写真は±20V電源基板のハンダ面だ。

写真 ±20V電源基板のハンダ面

上写真のように幾つかの部品はハンダ面に取り付けた。抵抗もコンデンサも並列接続で目的の値を実現している。このように裏面に部品を追加しても、表からは見えないので見た目がスッキリするのだ。

それと、上写真ではVH7コネクタも基板裏面に取り付けている。

当初は表面に取り付けたのだが、これも見た目を重視して裏面に移動したのだ。

オーディオ機器の音は見た目で決まると言っても過言では無い。

下写真左が今回作成した±20V電源(VH7)、右が以前に作成した±20V電源(VH6)だ。

写真 左:今回作成した±20V電源(VH7)、右:以前に作成した±20V電源(VH6)

上写真右のVH6版はこのまま使う予定であったが、VH7とVH6が混在するとややこしい。そこでVH6版は解体してVH7で再作成することにした。このあとで作業を紹介する。

±20V大電流定電圧電源基板(XH7版)の動作確認成功

さて、今回作成した±20V電源(VH7)をシャーシに組み込んで動作確認を行う。

写真 ±20V電源(VH7)をシャーシに組み込んだ

上写真でタカチシャーシにはAC100Vの配線は済ませているのでONKYOのジャンクトランスやブリッジ整流回路も動作する。

巨大電解コンデンサ(これもジャンク)で整流した非安定電源を±50V電源基板、±20V大電流電源基板に接続して安定化出力電圧をテスターで計測した(下写真)。

写真 ±20V大電流安定化電源基板の出力電圧をテスター計測中

その結果、下写真左のように正電圧と負電圧の電位差は設計通りピッタリと40VDCに調整出来た。

写真 ±20V大電流電源基板と±50V電源基板の動作確認成功

同様に±50電源基板も正常動作を確認することが出来た。

±20V電源VH6版解体してVH7版で再作成

下写真左がVH7コネクタ版±20V大電流電源基板、右が設計ミスが発覚したVH6版で作成してしまった±20V大電流電源基板だ。

写真 左:VH7コネクタ版±20V大電流電源基板、右:設計ミスVH6版で作成した±20V大電流電源基板

VH6版では一本信号線が足らないのだが、その信号線は具体的には雑誌記事で言うとⒷだ。Ⓑは±20V電源基板に入力する整流直後の非安定な負電源側電圧(-30VDCくらい)なので、保護回路基板にはそれを直接電線で配線すれば実用上は問題は解決する。

当初はその方法で解決する予定であったが、モノラル2台構成のパワーアンプで基板の仕様が異なると混乱の元だ。

という事で、VH6コネクタで既に製作済の±20V電源は解体してVH7採用基板で再作成することにした。

ここでも白光の電動式ハンダ吸取器が大活躍した。

下写真のように15分くらいで簡単に全部の部品を取り外すことが出来た。

写真 VH6版±20V電源基板を解体(右上にあるのがVH7版基板)

サクサクと部品を取り外せるのは快感だ。

ワテの経験に基づいて白光ハンダ吸取器を使うコツを紹介しておこう。

  • 吸取器の先端筒をハンダ付けされている部品リード線とハンダに当てる
  • 1~2秒熱してハンダが溶けたらトリガースイッチを引いて吸引を開始する
  • 吸引しながら先端筒を円運動させてリード線をスルーホール内で動かす

このようにするとハンダ除去がサクサクと進むのだ。

ハンダ吸取り器を使い始めた当初は、先端筒をリード線に当てると同時に吸引を開始していたのだが、それではハンダが溶けにくいのだ。なぜなら吸引した空気がハンダ表面を冷却してしまうから。

なので、まずは先端筒をリード線や周囲のハンダに1~2秒ほど当てて確実にハンダを溶かす。

ハンダが溶けたら吸引を開始すると同時に先端筒でリード線をスルーホールの穴に沿って動かしてやると、隙間に詰まっているハンダも確実に吸い取れるのだ。

VH6版±20V電源基板が解体出来たので、VH7基板を使って二台目の±20V電源部を半田付けした(下写真)。

写真 VH6版±20V電源解体部品を使ってVH7基板に半田付け完了(二台目の±20V電源部完成)

上写真右にVH7とVH6のコネクタを示す。

ワテの場合は、電子工作では主にJST(日本圧着端子製造株式会社)製のXHやVHコネクタを使う。

JSTのコネクタは秋月電子、マルツ、千石電商、共立エレショップさんなどで扱っているから入手性も良い。アマゾンなどにもJST純正品や海外製互換品も安いセットで売っている。

  ピッチ 定格電流 定格電圧
XHコネクタ 2.5mm 3A (AWG#22使用時)  250V
VHコネクタ 3.96mm 10A (AWG#16使用時)  250V

表 XHコネクタ、VHコネクタの主な仕様(引用元 JST社のサイト)

XHは主に信号線の配線に使っている。VHは10Aまで流せるので電源系の配線に使うことが多い。

XHもVHも実装方向(コネクタを抜き差しする向き)はトップ型あるいはサイド型(=L型)があるので必要に応じて使い分ける事が出来る。

かつ、嵌合機構があるので引っ張っても簡単には抜けないので安心だ。

下写真のように二枚目の±20V大電流安定化電源基板もVH7コネクタは基板裏面に半田付けした。

写真 二枚目の±20V大電流安定化電源基板もVH7コネクタは基板裏面に半田付けして完成

これで設計ミスのVH6採用基板を廃止出来たので、スッキリした気分だ。

下写真のように一台目の電源部(左側)とアンプ部(右上)、DC検出&保護回路(右下)が完成した。

写真 モノラル1台目(Rch)のアンプに使う基板をシャーシに組み込んだ

上写真で電源部(左側)は配線は済ませているが、アンプ部や保護回路部は配線作業は未だやっていない。

モノラル2台目(Lch)の電源部を製作

作業をどんどん進めよう。

とは言っても、モノラル構成で製作すると作業量も2倍になるので集中力が必要だ。

やることはPCBWayさんに発注した専用基板に部品を半田付けするだけなのでやれば出来るのだが。

下写真のように未だ半田付けしていないブリッジ整流基板(Lch)を完成させる。

写真 未だ半田付けしていないブリッジ整流基板(Lch)を完成させる

ジャンク屋で500円くらいで買った無駄にでかい電解コンデンサーは自作の金属ベルト(アルミ板をカットして熱収縮チューブ)でシャーシ底板に固定している。

写真 電解コンデンサーは自作の金属ベルト(アルミ板をカット)でシャーシ底板に固定

モノラル構成で作る場合には、一台目を製作する時にカットした配線ケーブルと同じものを二台目用にも準備しておくと良い(下写真)。

写真 モノラル1台目製作時に作っておいた2台目用の電源配線用ケーブル

1台目製作時に2台目のケーブルも同じ長さでカットすれば簡単だから作業時間を減らせるのだ。

下写真は絶縁キャップだ。

写真 各色の絶縁キャップ(1.25, 2.0, 3.5)

これは絶縁キャップ、TVCキャップなどと呼ばれる。ニチフではTICキャップと呼んでいる。

絶縁キャップはそんなに頻繁には使わないが時々使うことがある。ホームセンターにも売っているので、買うなら100個入り袋がお勧めだ。一袋200円弱なので5色買っても千円も有れば買える。

今回はホームセンターで買って来た切り売りの1.25SQの撚り線を使って配線した。

圧着工具はロブテックス、マーベルなどの有名ブランド品は数千円なので高いけれど、電子工作をやるなら一丁は持っておきたい。

写真 ブリッジ整流基板を取り付けて電解コンデンサや電源基板の配線完了(Lch)

電源基板に接続するパワートランジスタも一旦取り外して動作確認を行う(下写真)。

写真 電源基板に接続するパワートランジスタも一旦取り外す

取り外したパワートランジスタは下写真のようにワテ自作のhFEテスターを使ってhFEを計測して良否判定した。

写真 電源部に使うパワートランジスタを自作hFEテスターで良否判定した

その結果、パワートランジスタは故障はしていないようなので、再利用する。

下写真のように新しいラバーシートを取り付けて、TO-3型パワートランジスタを取り付けた。

写真 新しいラバーシートを取り付けて、TO-3型パワートランジスタを取り付けた

電源基板を樹脂スペーサーを使ってシャーシに固定する(下写真)。

写真 電源基板を樹脂スペーサーを使ってシャーシに固定

下写真のように配線作業を済ませた。

写真 電源基板とパワートランジスタの配線作業が完了

下写真のように組み上がった電源部分の動作確認を行う。

写真 組み上がった電源部分の動作確認を行う

下写真のように±50電源基板の正電圧出力をピッタリと50VDCに調整出来た。同様に±20V大電流電源基板の正電圧出力も20VDCに調整出来た。

写真 モノラル2台目(Lch)の電源部完成

この後、負側もそれぞれ -50VDCと -20VDCに調整出来た。

順調や。

モノラル2台目(Lch)のアンプ部を製作

かなり疲れてきたが、モノラル2台目(Lch)のアンプ部と保護回路をPCBWay製専用基板で再作成する。

アンプ部を解体する

下写真が解体前のLchアンプ部と保護回路だ。

写真 解体前のLchアンプ部と保護回路

下写真が解体前のLchアンプ部だが、この後で紹介するPCBWay発注のアンプ基板も似たような部品配置で設計している。

写真 解体前のLchアンプ部

ただし、出力段をドライブするメタルキャンのコンプリトランジスタペア(ヒートシンク付)の向きを変更している。

上写真解体前ではヒートシンクが縦に並んでいるが、PCBWay製専用基板ではヒートシンクを横向きにしている(この後で登場する)。

その理由は、基板左側が入力で右側が出力なので、見た目の観点でヒートシンクが横向きのほうがその流れに沿っているから見た目のバランスが良いかなあと判断したのだ。

電気信号の流れとヒートシンクの向きに注意を払う電子工作界の変人のワテである。

さて、ここでも白光のハンダ吸取り器を使ってサクサクとハンダを吸い取って部品を取り外した。

写真 ハンダを吸い取って部品を全部取り外したサンハヤト基板

どう!

写真 部品が無くなってすっからかんのサンハヤト基板

なお、この手の作業を行うときにはワテの場合には、上写真のように基板の四隅にスペーサーを立てている。

このスペーサーが無いと部品のリード線が曲がってしまうからだ。

なので基板を解体する時にも、基板に部品を半田付けする時にも基板の四隅の表裏にスペーサーを付けるようにしている。

スペーサーの高さは表裏で同じ寸法に揃えておくと良い。例えば3cmなど。そうすると、実体顕微鏡で基板を観察する時に基板の表裏で焦点距離が同じになるのでフォーカスを微調整する手間が省けるのだ。

なお、ここでは白色樹脂製のスペーサーを用いているが、ハンダゴテが当たると溶けるので本当なら金属スペーサーが良い。

でもワテの手持ちは殆どが樹脂スペーサーなので仕方なく樹脂スペーサーを使っている。

アンプ部を専用基板を使って製作する

回収した部品を使ってモノラル2台構成の2台目(Lch)アンプ部を作る。

写真 回収したアンプ部品とアンプ部の専用基板

初段は雑誌記事では2N3954が指定されているが、そんな部品は入手困難なので下写真のようにレストア前に使っていた2SK30AGR(ATMかも?)ペアを接着剤で貼り付けたやつを再利用する。

写真 2SK30AGR(ATMかも?)ペアを接着剤で貼り付けたやつを再利用する

2N3954_GDS
2SK30A_SGD

のように足の並びが全く異なるので上写真のように2SK30の足をグニャッと曲げている。

2SK30AGRペアは半田付けする前に下写真のようにワテ自作のぺるけ式FET & CRD選別冶具(改訂版)を使って計測した。

写真 2SK30AGRペアは半田付けする前にぺるけ式FET & CRD選別冶具(改訂版)を使って計測

その結果、2個の2SK30はVGSやIDSSはだいたい下写真の値で揃っていたのでこのFETペアをそのまま再利用する。

写真 ペアの一方の2SK30のVGS(1.36V)とIDSS(4.1mA)の計測結果

次は、トランジスタのhFEを計測して良否判定を行った。

写真 ワテ自作のhFEテスターを使ってメタルキャントランジスタのhFE計測中

その結果、トランジスタ類も不良品は無かったので解体部品をそのまま再利用する。

下写真のようにヒートシンク付メタルキャントランジスタの裏側にTO-92モールド型トランジスタを接着剤で貼って熱結合しているやつもそのまま再利用する。

写真 メタルキャントランジスタの裏側にモールド型トランジスタを接着剤で熱結合している

下写真のようにこれらのトランジスタは専用基板にいい感じで取り付けることが出来た。

写真 メタルキャントランジスタペア、メタルキャントランジスタとモールドトランジスタ熱結合

やっぱり専用基板はいいなあ~

という事で無事にモノラル2台構成の2台目(Lch)アンプ部基板が完成した。

写真 モノラル2台構成の2台目(Lch)アンプ部基板が完成した

上写真で、ヒートシンク付のメタルキャントランジスタ2個が解体前基板のトランジスタの向きと90度回転しているのが分かるだろう。

基板左側がアンプ入力部で右側が出力だ。その流れに沿ってヒートシンクの向きを揃えたのだ。

風水で言うところの「気の流れ」みたいなもんか。

この改良によってより良い音が出る気分になるぞ。

オーディオ機器は見た目が重要だ。

ここで下写真のように作業台の上を掃除機で清掃する。

写真 作業台の上を掃除機で清掃する

このように作業の途中でこまめに作業台を掃除機で清掃する事で精神統一を図るのだ。

作業台の上に敷いている段ボールがかなり劣化してきたので、そろそろ新品に変えるかな。

アンプ基板とパワートランジスタを配線する

下写真で左は既に完成しているアンプ部Rchだ。

残りの基板も同様に配線作業を行う。

写真 左:既に完成しているアンプ部Rch、右:制作中のLchアンプ部

下写真のように配線材料は一台目製作時に準備していたので、ここでは被覆を剥いて半田付けするだけだ。

写真 モノラル2台構成の場合には配線材料は1台目製作時に準備しておくと良い

写真を取り忘れたがLchアンプ部も無事に完成した。

温度補償用のシリコンバリスタダイオードを取り付ける

左右のアンプ部がほぼ完成した。

あとは温度補償のバリスタダイオードを出力パワートランジスタに熱結合して半田付けする作業が残っている。

雑誌記事では日立製作所のHV23Gと言うシリコンバリスタダイオードが採用されている。

HV23Gの説明を「改訂版 最新オーディオDCアンプ 金田明彦著」264頁から以下に引用させて頂く。

HV23G、HV26GはシリコンPN接合形バリスタで、広い範囲の温度変化ならびに電源電圧の降下によるトランジスタの特性悪化を防止できる。またHiFiステレオアンプの温度補償、減電圧補償に最適。

HV23GはVFの値により下記のように3区分してあります。

白 0.58~0.65V
黄 0.62~0.69V
青 0.59~0.69V

ワテの記憶が確かなら解体前のA級30Wパワーアンプでは、この部分にはHV23Gが入手出来なかったので、どこかで入手した怪しい代替品を適当に使った記憶がある。

今回のレストアプロジェクトでは多くの部品を怪しい代替品で置き換えているが、バリスタダイオードは熱暴走を防止する重要な素子なので怪しいやつは使いたくない。

そこで実はこの日のために以前に入手していたHV23Gがあるのでそれを使う。その時からワテは漠然とレストアプロジェクトを計画していたのだ。

ただしそのHV23Gも日立純正かどうかは不明だ。

「改訂版 最新オーディオDCアンプ 金田明彦著」264頁にはバリスタダイオードの絵柄が描かれていて、その絵柄を指して「黒色塗装」と書かれているのだが、ワテが入手したやつはよく見かける普通の透明ガラス入りのダイオードなのだ(下写真)。

写真 バリスタダイオードHV23G(?)をパワートランジスタに熱結合

まあ、怪しいけれどこのHV23G(青帯)を使ってみる。

アンプ2台で合計四本のHV23Gを使うが、事前にテスターのダイオード測定モードで計測したら順方向電圧VFはどれもほぼ0.59Vで揃っていた。

熱結合を行うにはバリスタダイオードをパワートランジスタにアラルダイトなどの接着剤で貼るのが一般的だが、そうすると剥がすのが困難なのでワテの場合には上写真のように絶縁シートを敷いてバリスタダイオードを載せた。

そのバリスタダイオードを下写真のように熱伝導の良いゴムシートをカットした物を使って押さえ込む。

写真 バリスタダイオードを熱伝導の良いゴムを使って押さえ込んでパワートランジスタに熱結合

そのゴムを透明なプラスチック板を使って押さえ込む(下写真)。

写真 ゴムや透明プラスチック板を使ってバリスタダイオードとパワートランジスタを熱結合

最後に、下写真のように直列接続した2個のHV23Gバリスタをアンプ基板に配線した(赤黒ツイストペアケーブル)。

写真 2個直列接続のHV23Gバリスタをアンプ基板に赤黒ツイストペアケーブルで配線

この部分をツイストペアにするとノイズの影響を受けにくくなるのかどうかは良くわからない。ケーブルを長くカットして余ったのでツイストペアにしたと言うのが本当の理由なのだ。

あとは、下写真のようにDC検出&スピーカー保護回路基板も解体して、専用基板で再作成した。

写真 モノラル2台構成の2台目(Lch)用のDC検出&スピーカー保護回路基板も解体した

半田付け完成した基板の写真を取り忘れた。

ちなみに下写真左がDC検出&スピーカー保護回路基板のVH6設計ミス版で右がVH7修正版だ。

写真 左:DC検出&スピーカー保護回路基板のVH6設計ミス版、右:VH7修正版

左の基板は10枚製作したのだが、勿体無いけれど使い道が無い。まあ一本足らない信号線を直接電線で配線すれば使えるのだが。

という事で、ここまでの作業でモノラル2台構成の全ての基板が完成した。

  • ±50V安定化電源基板(左右2枚)
  • ±20V大電流安定化電源基板(左右2枚)
  • ブリッジ整流基板(左右2枚)
  • A級15Wアンプ基板(左右2枚)
  • DC検出&スピーカー保護回路基板(左右2枚)

それらの基板は全てシャーシに取り付けている。

電源部はAC100V配線も済ませている。

残す作業はアンプ基板とDC検出&スピーカー保護回路基板の動作確認と配線作業だ。

A級15Wアンプ基板(両ch)の動作確認

まずはA級15Wアンプ基板の動作確認を行う。

その為には±20VDCと±50VDC電源が必要になるが、完成しているこれらの電源基板を使うのは危険性が高い。

なぜなら万一アンプ基板に問題がある場合には電源まで一緒に壊す可能性があるからだ。

そこで電源はワテ所有の可変安定化電源(高砂製作所)を使う事にした。

±20VDCと±50VDCを与えるのが理想的だが、作業的にそれは難しいので±50VDCにも±20VDCを与える。

要するに全部の電源を±20VDCで行く事にした。

写真 電源±20VDC与えてパルジェネ信号を入れてアンプ基板の実験中

上写真のようにアンプ基板には3個のミノムシクリップで+20V、-20V、GNDを与えている。

赤 +20VDC
青 -20VDC
黒(基板裏で見えない) GND

下写真のように2台の可変安定化電源を直列接続して±20VDCをアンプ基板に供給した。

写真 2台の可変安定化電源を直列接続して±20VDCをアンプ基板に供給した

電流値は正負電源ともに0.18Aなので想定の範囲内だ。ホリエモンかよ。

雑誌記事では出力段のアイドリング電流IDが0.97Aになるようにバイアス回路を調整する。従って最終的に組上げて±50V電源と±20V電源でアンプ基板を駆動すると1A程度の電流が流れるはずだ。

さて、この2台の可変安定化電源の出力は下写真のぺるけ式アンプ試験ワークベンチにワテが増設したジョンソンターミナルに繋がっている。

写真 ぺるけ式アンプ試験ワークベンチと可変安定化電源出力用に増設したジョンソンターミナル

その赤青黒のケーブルは下写真のように先端部分をミノムシクリップやICクリップに差し替えられるようにしている。ワテ自作の計測用テストケーブルだ。

写真 ワテ自作の計測用テストケーブル

アンプ基板の裏側の様子(下写真)。

写真 アンプ基板の裏側の様子(今気づいたが青黒ミノムシクリップが逆だ)

上写真に於いて、今気づいたが青黒ミノムシクリップが逆だぞ。

青は-20VDCなので黒位置に来るべきだ。

一方黒はGNDなので基板中央の青位置に来るべきだ。

おかしいぞ。

ええっと、この写真は基板裏側の配線の様子を示す為に即席で接続した記憶があるので、この状態では計測はやっていないはずだが念のためにこのあとで再確認しておく予定だ。

パルスジェネレータで方形波を入力して出力をオシロスコープで観察

まずは1VP-Pの1KHz方形波を入力してみる。

写真 1VP-Pの1KHz方形波を入力

その結果、下写真のようにゲインは約10倍で出力信号が出ているぞ!

写真 上:出力信号、下:入力信号(1VP-Pの1KHz)

非反転増幅回路なのでゲインの設計値はNFB抵抗から計算すると (1KΩ+10KΩ)/1KΩ = 11倍 だが、この計測値だと約10倍だから若干少ない。

恐らく電圧増幅段に本来は±50VDCを与えるところにも±20VDCしか与えていないので、その辺りが原因だろう。

いずれにしても、ほぼ設計通りのゲインで増幅出来ているので一安心だ。

でも実は、最初は全く出力信号が出なくてお先真っ暗だったのだ。

原因は数分で判明したのだが、雑な作業が原因だ。

出力信号が出なかった理由は、基板裏側を写した二つ前の写真で赤色ミノムシクリップを挟んでいるスズメッキ線があるがそれが原因だ。

このスズメッキ線はアンプ基板の+20V供給部と+50V供給部のスルーホールを接続しているが、基板裏側でそのスズメッキ線がそのすぐ隣にあるNPNメタルキャントランジスタの三本足のBかEに接触していたのだ。

基板の裏側をしっかりと目視で確認せずにミノムシクリップを挟んだのが原因だ。

ワテの場合、作業が順調に進んでいるとついつい手抜きしてしまう悪い癖がある。

最初から最後まで細心の注意を払いながら作業を行うべきなのに。

電子工作界のうっかり八兵衛と呼ばれているワテである。

さて、次は10KHzにしてみた。

写真 1VP-Pの10KHz方形波を入力

その出力信号は下写真の通り。

写真 上:出力信号、下:入力信号(1VP-Pの10KHz)

オーバーシュート、アンダーシュート、リンギングが目立つ。

その理由は、恐らくは電源供給電圧が一律で±20Vなので本来の性能が出ていないのと、テスト計測に用いている配線材料が細い赤黒リード線をICクリップでスルーホールに挿し込んでいるだけなので、信号の反射やクロストークや減衰とかが起こっているのだろう。

シャーシに入れてちゃんと配線すればより良い性能を示すだろう。

次に二台目のアンプ基板も同様に計測した。

写真 上:出力信号、下:入力信号(1VP-Pの1KHz)2台目のアンプ基板

上写真のように1台目のアンプ基板と同じような測定結果を示した。

これでモノラル2台構成の2枚のアンプ基板の動作確認は完了だ。

タカチのヒートシンク一体型のHYシリーズのシャーシを用いたので、コンパクトに作ることが出来た。

写真 タカチのヒートシンク一体型のHYシリーズのシャーシ

まだ配線作業が残っているが、完成予定写真は以下の様になる。

写真 金田式風A級15W DCパワーアンプ(モノラル)完成予定写真

まとめ

ワレコ
ワレコ

「MJ無線と実験」が2023年12月10日発売の「2024年1月号」から、年4回発行の季刊誌にリニューアルされるらしい。

オーディオ自作派は絶滅危惧種なのか?

まあワテの場合は今までに数台のアンプやDACを自作した程度なので、オーディオ自作派と言うほどでも無いし。それにワテの場合は今までにMJ誌は十冊くらいしか買っていない。あかんがな。

さて、当記事ではワテが二十年ほど前に自作した金田式風A級30W DCパワーアンプ(モノラル2台)をPCBWay発注の専用基板を使ってA級15W DCパワーアンプとしてレストアするプロジェクトの第六回目記事だ。

ここまでの作業でレストアプロジェクトの九割くらいは無事に終えることが出来ている。それらを以下に示す。

  • 全基板(ブリッジ基板、±50V電源、±20V電源、アンプ基板、DC検出&保護基板)をPCBWay発注の専用基板を使って再作成することに成功。
  • ブリッジ基板、電源基板はAC100Vに配線済で正常動作確認済。
  • アンプ基板は可変定電圧電源を使ったテストで正常動作確認済。

残す作業は以下の通り。

  • アンプ基板と電源基板(±50V, ±20V)との配線
  • ±20V電源基板とDC検出&スピーカー保護回路基板との接続(XH7用ケーブル自作)
  • アンプ入出力配線
  • 電源ON表示の緑LED配線
  • 保護回路リセットボタン(シャーシ背面)と保護回路基板との配線

これらが完了すれば無事に金田式風A級15W DCパワーアンプ(モノラル2台)が完成するのだ。

でもまだ安心は出来ない。

アンプ製作では最後の調整作業で、テスター棒でうっかり回路を短絡させてトランジスタやFETを破壊するなんて言う失敗は多い。

最後の最後まで気を抜かずに慎重に慎重に作業を進めたい。

(続く)

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