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【ワレコの電子工作】大電流昇降圧型DC/DCコンバータを自作する【学習編】

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ワレコ

ワテの場合、熟睡できる。

寝られないなんて事は滅多に無い。

寝るコツとしては、眠くなったら寝れば良いし、眠くないなら無理に寝ようとするのでは無くて、何かすれば良い。

例えば部屋を片付けるなど。

そのうち眠くなるからだ。

 

日本の気候には敷布団には綿布団がお勧めだ。掛け布団は羽毛二枚組の薄掛(春夏)、合掛(秋冬)が使い易い。そして枕は蕎麦殻だ。

昔住んでいたアパートの近所の手作り布団屋のおばさんが言ってたので間違い無い。

 

 

さて、先日、パワーエレクトロニクス電子工作シリーズの第一弾として電子負荷装置を自作した。

その紹介記事はこちら↴

【ワレコの電子工作】電子負荷装置の組み立てと動作確認成功【PCBWay製基板】
ワテ購入検討中商品 ヤフオクで不用品を売り払った臨時収入でスパナの購入を検討中だ ワレコ 2021年のゴールデンウイークはコロナウイルスで外出自粛&雨降りが続いたので、殆ど自宅に籠っていた。 そんな時には掃除して整理整頓すると気分が落ち着く...

大きなトラブルも無くいい感じで完成した。

今回は、パワーエレクトロニクス電子工作シリーズの第二弾として、DCDCコンバーターの自作に挑戦してみる。

それも、最大出力12V, 40A(480W)と言うかなりの大電流のDCDCコンバータだ。

ワテの場合、オーディオ機器の自作は良くやっているがパワーエレクトロニクス分野は全くの未経験領域だ。

なので、まずはDCDCコンバータの原理を学習するところから始める(当記事)。

次回記事では、KiCadを使ったプリント基板設計を予定している。

最後に電子回路を作成する過程を紹介する記事も予定している。

と言う事で、全三回に分けて大電流昇降圧型DC/DCコンバータを自作する過程を紹介したい。

では、本題に入ろう。

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降圧スイッチングレギュレータ回路をLTspiceでシミュレーションした

まずはネットで見付けた資料を参考にして、降圧スイッチングレギュレータ回路をLTspiceでシミュレーションしてみた。

ロームさんのサイトから下図と説明文を引用させて頂く。

  • S1がON時にはD1に電流は流れない(遮断)
  • S1がOFF時にはD1に順方向電流が流れる(導通)
  • 下段の回路は実際の回路でS1はトランジスタに、D1にはショットキーダイオードが使われる
  • 同期式より効率は劣る
  • 回路は比較的シンプル
  • S1がONの時S2をOFFにする
  • S1がOFFの時S2をONにする
  • 電流経路は非同期型と同じだが、S2のON/OFFは制御回路が行う
  • 下段の回路は実際の回路でS1、S2ともにトランジスタが使われる
  • 高効率
  • 非同期式よりも回路が複雑

参考資料 降圧型スイッチングレギュレータ(非同期式と同期式)

引用元 https://techweb.rohm.co.jp/knowledge/dcdc/dcdc_sr/dcdc_sr01/827

スイッチングレギュレータはDC/DCコンバータとも呼ばれるが、コイル、コンデンサ、スイッチ(通常はTRやMOSFET)、ダイオード(又はTRやMOSFET)で構成されるようだ。

S1がONの場合はコイルL1を通って出力コンデンサは充電される。

S1をOFFするとコイルL1に流れ込む電流は切れるが、コイルは電流を流そうとする方向に起電力を発生させるので、S1(ダイオードやMOSFET)の閉回路によって出力コンデンサが充電される。

そう言う理解で良いのかな。

降圧DCDCコンバータ回路の動作を動画で学ぶ

YouTubeにも降圧DCDCコンバータ回路(Buck DC-DC Converter)の解説動画は沢山ある。

分かり易そうなのを一つ引用してみる(下動画)。

YouTube動画 降圧コンバーター(Buck Converter)の解説動画

インドのNew DelhiにあるShree Swami Atmanand Saraswati Institute of Technology(シュリー・スワーミー・アトマナンド・サラスワティ工科大学)と言う大学のProf. Hitesh L. Dholakiyaと言う先生が作った動画のようだ。

なかなか分かり易い。やはりインド人は頭が良い。

ちなみにShree Swami Atmanand Saraswati Institute of Technology工科大学のストリートビューは以下の通り。

バイクが多いな。

TDKさんの以下のサイトにある図解も分かり易い。

https://www.tdk.com/ja/tech-mag/power/003

このTDKさんのサイトにも説明されているように、今回ワテが試しているDC-DCコンバータはチョッパ方式なので、非絶縁型になる。

もし絶縁型のDC-DCコンバーターを作りたい場合には、1次巻線と2次巻線を持つトランス(スイッチングトランスと呼ばれる)を使う必要があるとの事だ。

なるほど。

FETとダイオードを使用している非同期式回路

では早速降圧コンバーター(Buck Converter)をLTSpiceでシミュレーションしてみる。

まずはS1スイッチにMOSFET、整流はダイオードを使用する非同期式の回路を描画してみた(下図)。

図1a 降圧コンバーター(Buck Converter)FETとダイオードの非同期式の回路図

出力のコンデンサは適当だ。

入力は5DCV、スイッチングに使うパルスは周期100μsなので、10KHz。デューティ比は0.5。これらも全部適当に決めた。

シミュレーション結果は以下の通り。

図1b 降圧コンバーター(Buck Converter)FETとダイオードの非同期式の入力(青)と出力(緑)

まあ、約1.4DCVの出力が得られたと言う事でいいのかな?

2個のFETを使用している同期式回路

次に、スイッチS2もMOSFETにしてみた。所謂、同期式と言う回路らしい。

つまりS1とS2が交互にON・OFFを繰り返すようにすれば良いみたい。

図2a 降圧コンバーター(Buck Converter)2個のFETの同期式の回路図

そのシミュレーション結果は以下の通り。

図2b 降圧コンバーター(Buck Converter)2個のFETの同期式の入力(青)と出力(緑)

まあ図1aのダイオード版と同じような結果が得られた。これでいいのかな?

MOSFETをダイオードとして使う

さて、S2に使われているN-ch MOSFETはダイオードとして使われている。

それもソースからドレインに電流が流れる向きなので、N-ch MOSFETの通常のドレイン電流の向きとは逆だ。

MOSFETをそう言うふうにダイオードとして使う事が出来るのは知らんかった。

これをボディダイオード(寄生ダイオード)と言うらしい。

新電元さんのサイトに分かり易い図と解説文があったので以下に引用させて頂く。

図からわかるように、S⇒D間はもともとPN接合すなわちダイオードになっているため、いつでも電流を流すことができます。

このダイオードをボディ(寄生)ダイオードといい、MOSFETの記号を図のように書くこともあります。

図 ボディダイオード(寄生ダイオード)の説明(新電元さんのサイトから引用)

引用元 https://www.shindengen.co.jp/products/semi/column/basic/mosfet/mosfet_1.html

なるほど。そう言う事か。

でも待てよ。このボディダイオードと言うやつを使うんなら、このMOSFETはON・OFFのスイッチング動作をさせなくても、OFFのままでもいいんじゃないの?と電子回路初心者のワテは疑問に思った。

で、少し調べてみたら以下のサイトで関連すると思われる記述を見付けた。末尾の下線部分だ。

超低オン抵抗MOS-FETによる整流回路

(略)

ドレインがマイナスでソースがプラスの電圧の用途を想定したスイッチング用MOS-FETでは、データーシートにドレイン-ソース間の電圧を逆にした場合のソース-ドレイン間電圧(VSD)対ドレイン逆電流(IDR)特性が記載されています。(参考資料 日立: 2SK1297 東芝: 2SK2313 NEC: 2SK2499)

Nch MOS-FETは、ドレイン-ソース間電圧の方向に拘わらず、ゲートにプラスでソースにマイナスの電圧をかけた場合に、ドレイン-ソース間が低抵抗になりオンすることができます。
逆にゲート-ソース間をカットオフ電圧以下にしても、ドレイン-ソース間のダイオードが導通してしまいます。
ドレインがプラスでソースがマイナスとなるダイオードに逆方向の電圧の場合にだけ、ドレイン-ソース間を高抵抗にオフすることができます。

MOS-FETがオンしなくてもドレイン-ソース間のダイオードで整流できますが、MOS-FETを低抵抗にオンすることでドレイン-ソース間の電圧ロスが減り、MOS-FETの発熱が少なくなり、DC電圧は増加します。

引用元 https://www.ne.jp/asahi/evo/amp/active_rectifier/report.htm

このサイトは、「進化するパワーアンプ(Evolve Power Amplifiers)」で有名な故 上條信一氏のサイトだ。

上に引用させて頂いた文書の末尾にあるように、MOSFETをONすると発熱が少なくなると言う事らしい。

そう言う事か。

ワテもいつか、上條さんのサイトにあるアンプを一つ作ってみたいと思っている。

昇圧スイッチングレギュレータ回路をLTspiceでシミュレーションした

さて、次は昇圧スイッチングレギュレータ回路を調査してみた。

MOS FETスイッチとダイオード整流(非同期整流)

下図がスイッチにMOSFETを使い整流にはダイオードを使う非同期式の昇圧DCDCコンバータ回路だ。

各種のネット記事などを参考にして作成してみた。

図3a 昇圧コンバーター(Boost Converter)FETとダイオードの非同期式の回路図

上図を見ると、図1aで紹介した降圧コンバーターとよく似ている。違うのはコイルやダイオードの位置くらいだ。

早速シミュレーションしてみた(下図)。

図3b 昇圧コンバーター(Boost Converter)FETとダイオードの非同期式の入力(緑)と出力(青)

今まで紹介したシミュレーション結果のグラフと青と緑の色が逆になっている。

上図では入力5DCVが緑、出力約6.5DCVが青で描かれている。

まあ出力のコンデンサなど適当に入れているだけだし、コイルのインダクタンスも適当なので、出力電圧にはスイッチング由来のリップルノイズが多い。

ちなみに上図の時間軸を拡大したものが下図だ。かつ、赤色でNMOSFETのゲートに印可しているスイッチング波形を示している。

図3c 昇圧コンバーター(Boost Converter)FETとダイオードの非同期式の入力(緑)と出力(青)とスイッチング波形(赤)

出力電圧を変化させるには、スイッチング周波数やコイルのインダクタンスなどを変化させると出来た。

まあ、兎に角、昇圧回路の実験が成功した。

FETスイッチを2つ使った同期整流

では、ダイオードをNMOSFETに置き換えた昇圧回路も試してみた(下図)。

図4a 昇圧コンバーター(Boost Converter)2個のFETの同期式の回路図

入力は先ほどと同じく、5DCV、スイッチングに使うパルスは周期100μsなので、10KHz。デューティ比は0.5。これらも全部適当に決めた。

そのシミュレーション結果は以下の通り。緑と青が再び逆転してしまった。

図4b 昇圧コンバーター(Boost Converter)2個のFETの同期式の入力(青)と出力(緑)

まあ、いい感じで昇圧出来ているぞ。

昇圧DCDCコンバータ回路の動作を動画で学ぶ

昇圧DCDCコンバータ(Boost DC-DC Converter)の動作もYouTube動画で見てみる。

YouTube動画 昇圧DCDCコンバータ(Boost DC-DC Converter)の解説動画

この動画もなかなか分かり易い動画だ。

スイッチング周波数を上げると出力電圧も上がった

試しにスイッチング周波数を上げてみた。

  スイッチング周期 T スイッチング周波数 f=1/T デューティ比
変更前 100μs 10KHz 0.5
変更後 10μs 100KHz 0.5

下図がNMOSFETのゲートに印可するスイッチング周波数変更後のLTspiceのパラメータ設定だ。

図 LTspiceのパラメータ設定を変更してスイッチング周波数を上げた

その結果、下図に示すように出力電圧は約18VDCくらいに上がった。

図4c 昇圧コンバーター(Boost Converter)2個のFETの同期式の入力(青)と出力(緑)スイッチング周波数を上げた場合

なるほど。案外簡単に出力電圧を上げる事が出来る事が分った。

昇降圧DCDCコンバータ回路の研究

さて、降圧コンバータと昇圧コンバータの原理は完璧に理解出来たので(ほんまかいなw)、次は昇降圧コンバータ回路の研究に着手した。

この場合もネット検索して色んな技術文書を見てみた。

その中で、テキサスインスツルメンツ社の「Under the hood of a noninverting buck-boost converter」と言うタイトルのPDFファイルに分かり易い図を見付けたので以下に引用させて頂く。

図 Derivation of single inductor buck-boost converter. (Figure 6. )シングルインダクター昇降圧コンバータの導出(図6.)

引用元 https://www.ti.com/seclit/ml/slup346/slup346.pdf

上図に関する説明文もこのPDFファイルから引用させて頂く。原文は英語なのでGoogle翻訳に掛けた。

Single-inductor buck-boost solutions

Merging and simplifying cascaded buck and boost converters creates a single-inductor buck-boost.

If you eliminate the intermediate buck output and merge the two inductors into a single inductor, as shown in Figure 6, the result is a single-inductor noninverting buck-boost.

You will need four switches: two on the buck side of the inductor (input) and two on the boost side (output).

A single PWM controller can drive the power switches in all operating modes including buck, boost and the transition region, during which the input and output voltages are nearly identical.

When the input is higher than the desired output, the buck switches operate and the boost switches are static.
Similarly, when the input is below the desired output, the boost switches operate and the buck switches are static.
In the transition region, all four switches must operate with a blend of buck and boost action at the inductor to maintain the desired regulated voltage across the load.

シングルインダクタの昇降圧ソリューション

カスケード接続されたバックコンバータとブーストコンバータをマージして単純化すると、単一インダクタのバックブーストが作成されます。

図6に示すように、中間降圧出力を削除し、2つのインダクタを単一のインダクタにマージすると、結果は単一インダクタの非反転昇降圧になります。

4つのスイッチが必要になります。2つはインダクタのバック側(入力)に、2つはブースト側(出力)にあります。

単一のPWMコントローラーは、バック、ブースト、遷移領域を含むすべての動作モードで電源スイッチを駆動できます。この間、入力電圧と出力電圧はほぼ同じです。

入力が目的の出力よりも高い場合、バックスイッチが動作し、ブーストスイッチは静的になります。
同様に、入力が目的の出力を下回ると、ブーストスイッチが動作し、バックスイッチは静的になります。
遷移領域では、4つのスイッチすべてがインダクタでの降圧動作と昇圧動作を組み合わせて動作し、負荷全体で必要な安定化電圧を維持する必要があります。

引用元 https://www.ti.com/seclit/ml/slup346/slup346.pdf

まあ要するに降圧コンバータと昇圧コンバータを直列に接続して、コイルは一つにして、四つのNMOSFETを上手い具合にPWM制御してやれば降圧も昇圧も遷移領域(入力≒出力)にも対応できる昇降圧コンバータが実現出来ると言う事か。

まあ自称電子回路初心者のワテなので、それくらいしか分からんw

そう言う昇降圧DC/DCコンバータをワンチップで実現出来るICも多数市販されているようだ。

LT8390スペクトラム拡散機能付き60V同期整流式4スイッチ昇降圧コントローラ

そこで昇降圧コンバータをLTspiceでシミュレートしてみたい。

リニアテクノロジー社(現アナログデバイセズ社に合併)にも昇降圧コンバータ専用ICは沢山ある。

その中の一つのLT8390と言うチップを調査してみた。

「スペクトラム拡散機能付き60V同期整流式4スイッチ昇降圧コントローラ」と言う製品だ。

英語なら「60V Synchronous 4-Switch Buck-Boost Controller with Spread Spectrum」だ。

「スペクトラム拡散機能」なんてなんのこっちゃさっぱり分からんが、まあ先に進もう。

LT8390のデータシートから標準的な応用例の図を以下に引用させて頂く。

図 LT8390の標準的応用例 効率98%の48W(12V 4A)小型昇降圧電圧レギュレータ 

引用元 https://www.analog.com/media/jp/technical-documentation/data-sheets/j8390f.pdf

英語版 https://www.analog.com/media/en/technical-documentation/data-sheets/lt8390.pdf

上図を見ると確かに四つのN-ch MOSFETが一つのインダクタの周囲に配置されている。

LT8390の仕様は以下の通り。

  • 4スイッチのシングル ・インダクタ・アーキテクチャにより、出力電圧より高い、低い、または等しい入力電圧が可能
  • 同期スイッチング:最大98%の効率
  • 独自のピーク降圧ピーク昇圧電流モード
  • 広いVINの範囲:4V~60V
  • ±1.5%の出力電圧精度:(1V ≤ VOUT ≤ 60V)
  • モニタ付き入力電流または出力電流の精度:±3%
  • 低EMIを実現するスペクトラム拡散変調
  • 高電位側PMOS負荷スイッチ・ドライバ
  • ブートストラップ・ダイオードを内蔵
  • 降圧または昇圧動作時に上側MOSFETのリフレッシュ・ノイズなし
  • 調整可能および同期可能な周波数:150kHz~650kHz
  • シャットダウン時にVINからVOUTを切断
  • 露出パッド付き28ピンTSSOPパッケージおよび28ピンQFNパッケージ(4mm×5mm)で供給

引用元 https://www.analog.com/media/jp/technical-documentation/data-sheets/j8390f.pdf

入力も出力も最大60Vまで行けるので、かなり応用範囲が広い昇降圧コンバータが作れそうだ。

スペクトラム拡散機能とは

ちなみにスペクトラム拡散機能に関する説明を以下に引用する。

SYNC/SPRD:スイッチング周波数同期またはスペクトラム拡散。内部発振器周波数でスイッチングを行う場合、このピンを接地します。外部周波数同期を行う場合は、クロック信号をこのピンに供給します。INTVCCに接続すると、内部発振器周波数を中心にして±15%のトライアングル・スペクトラム拡散が得られます。

あるいは、

スペクトラム拡散周波数変調
スイッチング ・レギュレータは、電磁干渉(EMI)が懸念されるアプリケーションで特に手間がかかることがあります。EMI性能を改善するため、LT8390にはトライアングル・スペクトラム拡散周波数変調方式が実装されています。

との事だ。

まあ要するにスペクトラム拡散機能をON(SYNC/SPRDをINTVCCへ接続)すると電磁干渉(EMI)が改善されるらしい。まあワテの場合は、そう言うのは特に気にしていないので、この機能はONでもOFFでもどっちでも良さそう。

LT8390の28ピンTSSOPパッケージの寸法図

LT8390パッケージには、下図の28ピンTSSOPパッケージと、28-Lead Plastic QFN(Quad Flat No Lead、クワッド・フラット・リード端子なし)と言う二種類のパッケージがある。

手半田を予定しているので、半田付けがやり易そうな下図のTSSOP28ピンを購入予定だ。

 

引用元 https://www.analog.com/media/jp/technical-documentation/data-sheets/j8390f.pdf

さて、LT8390の詳しい機能は殆ど理解出来ていないが、動作原理は大体理解出来たのでLT8390を使って昇降圧DCDCコンバータを自作してみる。

製作予定の昇降圧DCDCコンバータ回路

アナログデバイセズ社の以下の技術文書にある回路を作ってみる事にした。

https://www.analog.com/media/en/technical-documentation/tech-articles/lt-journal-article/LTJournal-V26N4-00-df-LT8390-DawsonHuang.pdf

掲載誌:LT Journal of Analog Innovation V26N4 – January 2017

タイトル:60V Synchronous, Low EMI Buck-Boost for High Power and High Efficiency

著者:Dawson Huang, Kyle Lawrence and Keith Szolusha

この雑誌の中にある「Figure 10. 12V, 40A (480W) single buck-boost with heat sink and fan」と言う回路(下図)を作ってみる事にした。

図 「Figure 10. 12V, 40A (480W) single buck-boost with heat sink and fan」

引用元 https://www.analog.com/media/en/technical-documentation/tech-articles/lt-journal-article/LTJournal-V26N4-00-df-LT8390-DawsonHuang.pdf

まあファンを付けて空冷すれば出力12V、40Aまで行けるとの事。その時に最も熱いMOSFETの発熱は62°Cとの実測結果が掲載されている。

と言う事で、この回路を作ってみる事にした。

まとめ

ワレコ

今回初めてDCDCコンバータ回路の自作に挑戦する。

降圧スイッチング回路とか昇圧スイッチング回路を調査してみたが、案外簡単な構造だと言う事に気付いた。

当初はスイッチングレギュレータ回路なんて物凄く難しそうな印象を持っていたのだが。

つまりまあ何事もやってみれば新しい発見があるのだ。

当記事では、ワテが初挑戦したいと思っている昇降圧DCDCコンバータの製作の準備として、スイッチングレギュレータ回路に付いて調査した。

具体的には、降圧スイッチングレギュレータ回路、昇圧スイッチングレギュレータ回路を調査して、LTspiceでシミュレーションしてみた。

その結果、降圧回路も昇圧回路もシミュレーションでは期待通りに動作する事が確認出来た。

降圧回路と昇圧回路を合体した昇降圧コンバータ回路は、当初は自分で555タイマーICなど利用してパルス波形を発生させて自作する事も検討したのだが、断念した。

その一番の理由は、降圧回路あるいは昇圧回路単体なら555タイマーICなどでスイッチングパルスを作って製作する例はネットにも多数あるので、ワテが作っても動作するレベルの物は作れるかも知れないが、実用に使えるかどうかは怪しい。

ましてや昇降圧コンバータ回路で実用的なものを自作するとなると、専用ICを使うと言う選択肢が確実で間違いが無いからだ。

と言う事で、次回記事ではLT8390を使った12V, 40A (480W)昇降圧スイッチングレギュレータ回路のプリント基板をKiCadで設計してPCBWayさんに発注するところまでを紹介する予定だ。

(続く)

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