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【ワレコのDIY】木工作業部屋のサイクロン集塵配管やブラストゲートをリニューアルする【設計編】

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ワレ子
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ワレ子です。

今日は久しぶりに木工作業部屋の改良の話題です。

八月の猛暑の中で木工作業部屋のサイクロン集塵システムの配管やブラストゲートをリニューアルする事にしたのだ。

では、本題に入ろう。

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現状のサイクロン集塵システムの問題点

下図は現状のサイクロン集塵システムの配管やブラストゲートの配置を示す。

図 現状のサイクロン集塵システムの配管やブラストゲートの配置

上図右端にあるサイクロン集塵システムは三連のブラストゲートを付けている。これはワテが最初に自作したサイクロン集塵システム1号機だ(以下で説明あり)。

その後、連動コンセント付き集塵機を入手したので、それを使ってサイクロン集塵システム2号機を作った。上図中央に描いている。

現状ではこのサイクロン集塵システム2号機をメインに使っていて、Φ100mmのボイド管を天井に這わせていて、そこに幾つかのブラストゲートを付けて各種の電動工具の粉塵や切り屑を吸引している。

サイクロン集塵システム1号機の問題点

下写真にサイクロン集塵システム1号機を示す。

写真 ワテ自作のサイクロン集塵システム1号機(今回解体した)

上写真において三連のブラストゲートがあるが、右端がΦ100mmで壁に這わせているΦ100mmボイド管に配管していた。

そのボイド管にはΦ65mmのブラストゲートを付けて卓上スライド丸ノコや電子丸ノコなどのおが粉を吸引していた。

上写真左端のΦ65mmブラストゲートには約3メートルくらいのΦ50mm透明ホースを接続していて、作業台や床の清掃に使っていた。

初めて自作したサイクロン集塵システムであったが、まあまあ使い勝手は良かったが、幾つかの問題があった。

1つ目の問題はブラストゲートから空気漏れをするのだ。

2つの目の問題は三連ブラストゲートにしてブラストゲートを1箇所に集めたが、ブラストゲートを切り替えるためには毎回その場所に行く必要がある。それは必ずしも効率的では無い。

安いブラストゲートは空気漏れする

ブラストゲートとは配管の途中に入れるシャッター機構だ。シャッターをスライドさせて気流の流れを開閉出来るのだ。

ワテが使ったのは下写真製品では無いが、似たようなタイプのやつだ。

これらのブラストゲートはABS樹脂製で、一個あたり千円前後で買える。

このような樹脂製のブラストゲートの欠点としては、隙間から空気漏れをする。

一つのサイクロン集塵システムにブラストゲートを一個や二個くらい付ける程度なら空気漏れもそんなには問題にはならないが、三個、四個、五個、、、と増えていくと、明らかに吸引能力が低下する。

その対策としては下写真のような本格的なアルミニュウムなどの金属製ブラストゲートを付ければある程度は空気漏れも改善されるのかも知れない。

ただしワテは実際に試した訳では無いが。金属製ブラストゲートは値段も高いので試しに買ったとしても、もし樹脂製と同じような空気漏れが有ったら残念なのでワテは買ったことが無い。

下写真はΦ100mmのブラストゲートが二つあり、木製ボックスの底面にΦ50mmの透明ホースを接続していてサイクロン集塵システム2号機で吸引している。

写真 Φ100ブラストゲートの例(サイクロン集塵システム2号機の一部)

上写真では左側Φ100mmブラストゲートを開けて、右側は閉じている。

この状態でサイクロン集塵システムで吸引すると左側Φ100mmボイド管の空気が吸われる。

ところが上写真で使っている黒色ABS樹脂製のブラストゲートは気密性能が悪くて、左側ブラストゲートのシャッター板の両面の隙間から空気が吸い込まれるのだ。

その結果、軽いシャッター板は勝手に吸い込まれてしまい、シャターが閉じてしまうのだ。

なので、現状では上写真のようにシャッター板を開いて使う場合にはシャター板が勝手に吸い込まれないようにするためにハンドクランプで挟んでいる。

シャッター板をクランプすることで勝手にシャッターが閉じる問題は解決出来たが、シャッター板の両側から空気が吸い込まれる症状はそんなには改善されない。

なので、サイクロン集塵システムの吸引力が低下している問題はクランプでは解決出来ない。

ブラストゲートを自作する案

そこでブラストゲートを自作する事を検討してみた。

YouTubeにも日本だけでなく海外のDIY系YouTuberが各種のブラストゲートを自作している動画が多数ある。

しかしながらそれらのブラストゲート自作例を見ても、基本的にはワテが使っている安い黒いABS樹脂製のブラストゲートと同じだ。素材がABS樹脂ではなくて木材に変わっただけだが、いくら精度良く作ってもシャッター板の両面の隙間から空気が漏れることは構造上避けられない。

密閉性の高いブラストゲート案

そこで密閉性の高いブラストゲートを自作する案を考えてみた。

下図がワテ考案の密閉性の高いブラストゲート案だ。

図 ワテ考案の密閉性の高いブラストゲート

上図において基本的な構造はワテが使っている黒色ABS樹脂製のブラストゲートと同じだ。

違う点はワテ考案のブラストゲートではシャッター板が平坦ではなくて、中央部が凹んでいて両側がテーパー状になっていて、中央部よりも両側が分厚いのだ。

その結果、シャッター板を押し込んだ場合(閉じた場合)でも引き出した場合(開いた場合)でも、シャッター板の分厚い部分がシャッター機構の隙間にキツく挟み込まれるので気密性が良くなる。

さらにシャッター板の左右の側面も同様にテーパー構造にしておけば、より一層密閉性が向上するだろう。

我ながら良いアイデアかなと思って試作品を自作してみようかなと思ったが、未だ試作はしていない。

あるいは、テーパー構造にしなくてもワテ使用中の黒色ABS樹脂製のヤツみたいな平板構造のブラストゲートのシャッター部分にクランプを付けて密閉性を上げられる構造のものを作る案も考えた。

そのアイデアもやれば出来ると思うが、中止。

別のブラストゲート案がひらめいたのだ。

塩ビ継手90°大曲がりを使ったブラストゲート案

水道用の塩ビ継手を使うブラストゲートの自作案がひらめいた。

上写真のような90°大曲がりY継手を使う。

呼び径は40や50辺りのサイズが良いだろう。

その90°大曲がりY継手(下図水色部分)に先端を斜めカットした筒状シャッターを差し込む。

図 塩ビ継手90°大曲がりYを使うブラストゲート案

上図左のように、塩ビ継手の枝分かれしている部分に空気が行かないように筒状シャッターをはめ込むとブラストゲートは閉じる。

一方、上図右のように筒状シャッターを180度回転させると枝分かれ部分に空気が流れる。

塩ビ継手90°大曲がりYは200円前後で買えるし、筒状シャッターも塩ビパイプを利用すれば自作可能だ。

ただし、塩ビ継手の内径にピッタリと合う塩ビパイプは無いので(ワテの調査では)、隙間を埋めるために塩ビパイプシャッターにはテープを巻くなどして直径を調整する必要があるだろう。

これも試作品を作ってみようかなと思ったが、現状では未だ作っていない。

その理由は、作ればある程度は期待通りに機能するとは思うが、高い密閉性を実現するには筒状シャッター機構が塩ビ大曲がり継手の内部に隙間なくフィットしている必要がある。それらを考慮して試作するとなると、幾つかの試作を繰り返す必要があるだろう。

そんな事を考えているうちに、別の案がひらめいたのだ。

ボールバルブ採用のサイクロン集塵システム配管リニューアル案

ワテが最終的に選んだのは下写真に示すような水道用のボールバルブを採用する案だ。

水道用のボールバルブなら気密性に関しては十分な性能だ。

水が漏れないんなら空気も漏れないと言っても良いだろう。

仮に少しくらい空気が漏れたとしても、上で紹介した黒色ABS樹脂製のブラストゲートに比べれば、ボールバルブなら十分すぎる気密性を実現出来ると思われる。

ただしボールバルブの欠点としては、値段が高い点だ。

50Aサイズのボールバルブは安くても2000円以下くらいで、高いものになると1万円前後の実売価格だ。

 

ちなみに水道用の塩ビパイプのVU管の外径や内径は以下のように規格で決まっている。

呼び径
外径 (mm)
厚さ (mm)
内径 (mm)
40
48
1.8
44
50
60
1.8
56
65
76
2.2
71
75
89
2.7
83
100
114
3.1
107
125
140
4.1
131
150
165
5.1
154
200
216
6.5
202

表 塩ビパイプVUの呼び径、外径、厚さ、内径(参考サイト クボタケミックス)

ホームセンターなどで売っている塩ビパイプは高圧に耐えられる肉厚のVP管(給水用)と薄いVU管(排水用)がある。VP管は肉厚で重いので、塩ビパイプを集塵システムの配管に使うなら特に理由がなければ軽いVU管が扱いやすいだろう。

ワテが採用したのは呼び径50Aというタイプのボールバルブで、呼び径50のVU管やVP管を差し込むことが出来る。

呼び径50Aのボールバルブのボール部の穴径は実測で直径45mmくらい。左右の継手の部分は呼び径50の塩ビパイプが挿せるので開口径は60mmくらい。なのでボールバルブの最も細い部分で直径45mmなので、本当は60mmくらい広いほうが吸引能力が高いのだがそんな大型のボールバルブは値段も数万円くらいするので50Aサイズで妥協した。

ボールバルブには差し込み式(接着式)とねじ込み式の2種類があるがワテは差し込み式を採用した。

塩ビパイプと塩ビボールバルブなどの継手との接合は本来は下写真のような専用の接着剤で接合する。

しかしながら上写真のような専用接着剤は接着剤というよりも塩ビパイプを溶かして接合するので、一旦接着すると分解するのは破壊しない限り不可能だ。

塩ビはシリコーンシーラントを使って接着すると分解可能

サイクロン集塵システムの配管に塩ビパイプを使う場合には液体を流す訳では無いのでそこまで厳密な密閉性は求める必要は無いので、ワテの場合は解体出来るようにするために塩ビの接合には下写真のようなシリコーンシーラントを薄く塗布して接合するようにしている。

ただしシリコーンシーラントも大量に塗ると固まった時にはゴム状の接着剤のようになるので隙間に少なめに塗布するのが良い(ワテの経験で)。

万一シリコーンシーラントで塩ビ部材同士が固く接合されてしまい外れない場合は、消毒用エタノールを噴射して塩ビ部材とシリコーンシーラントの隙間にエタノールが染み込むと摩擦が低減するので接着力が落ちる。

エタノールでなくて水を掛けても良いと思う。

あとはゴムハンマーで軽く叩いたりマイナスドライバーでこじるなどしてエタノールの浸透を手助けすると固く接合された塩ビ部材を分解することが出来る(ワテの経験で)。ただしかなりの力作業になるが。

下写真はワテが3Dプリントした継手(灰色)とリョービ伸縮ホース継手(黒色)の隙間をシリコーンシーラントで接着していて、エタノール作戦で剥がした例だ。この例ではダイソー100円の瓶の蓋開けハンドルを使って自作継手を力一杯回したら外すことが出来た。

写真 シリコーンシーラントをエタノールで剥がした例

ボールバルブ採用のサイクロン集塵システム配管リニューアル案

さて、そのボールバルブを使ってサイクロン集塵システムの配管をリニューアルする案が下図だ。

図 呼び径50Aのボールバルブを使ってサイクロン集塵システムの配管をリニューアルする案

上図において配管はΦ100のボイド管をアルミフレキダクトを使って接続する。

Φ100ボイド管に丸穴を開けて50Aサイズの塩ビボールバルブを接続する。

紙製のボイド管と塩ビボールバルブとの接合方法は次の記事で紹介予定だ。一つ試しに接合してみたら上手く行った。

上図では8個のボールバルブを描いているが、ワテはホームセンターで取り敢えず予算の都合で二個だけ買ってきた。一個三千円弱だった。

注意事項としては、ボールバルブはメーカーや構造によって開閉レバーの操作が物凄く固いものがあるので要注意だ。

実際、ワテも数カ所のホームセンターでボールバルブを手にとって実際にレバー操作をやってみたが、片手で簡単にスムーズに開閉出来る製品もあれば、両手で力一杯回してようやく開閉出来る製品もある。

というわけでボールバルブを買うなら通販で買うよりも店頭で実物を操作してみて使いやすい製品を選ぶのが良いだろう。

50Aサイズの差し込み式ボールバルブが一個三千円として八個使うと2万4千円の出費だ。ちょっと財布が痛い。

なので配管部材は値段の安いボイド管やアルミフレキダクトを使ってなるべく費用を抑える予定だ。

それに既に木工作業部屋の天井にはΦ100のボイド管を二本設置しているので、それらは有効利用したいし。

継手も専用品を購入するのではなくて、なるべく自作の継手を作るなどすると費用を抑えられる。

もし配管を塩ビパイプでやって継手も塩ビ90度エルボなどを使うとボイド管方式よりも2~3倍くらい高くなるだろう。

それにボイド管なら紙なので、切断するのもノコで簡単に切れるので手軽なのが良い。

なお、従来は2台のサイクロン集塵システムを木工作業部屋で使っていたが、リニューアル案では2号機一台だけを使う。余った1号機は居室で使う予定だ。

まとめ

ワレコ
ワレコ

このところ、毎年八月の頃になるとスランプに陥るワテである。

でも最近少しやる気が出てきたぞ!

当記事ではワテの木工作業部屋に設置しているサイクロン集塵システムとその配管やブラストゲートの現状の問題点と今後のリニューアル案を紹介した。

サイクロン集塵システムに使うシャッター機構と言えば板状のシャッターを抜き差しする構造のブラストゲートを使っている人が多い。

ワテも一個数百円程度で購入した安っすいブラストゲートを多用してサイクロン集塵システム1号機や2号機を自作した。

それらはある程度は期待通りの吸引性能を示したが、安いブラストゲートは気密が悪く、ブラストゲートの数が増えていくとシステム全体の吸引能力は体感で半分以下くらいに低下した。

その結果、おが粉や切り屑を大量に発生する卓上スライド丸ノコ、卓上手押し鉋盤、テーブルソーなどを使うと吸引しきれなかったおが粉や切り屑がかなり周囲に飛び散る。

その問題を解決するために、自作ブラストゲートの案を二つ紹介した。

でも結局はそれらの案に基づく自作ブラストゲートの試作は取り敢えず中断して、最終的には市販の水道用塩ビ製のボールバルブ(差し込み式、呼び径50A)を採用することにした。

ボールバルブなら気密性能に関しては十分過ぎる性能だ。注意事項としては、繰り返しになるがボールバルブはレバー操作が固いものがあるので、ホームセンターなどの店頭でボールバルブの実物を手にとってレバー操作を実際に試してみると良い。

今後の予定としては、この設計図に基づいてワテの木工作業部屋のサイクロン集塵システムとブラストゲートをリニューアルする予定だ。

(続く)

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