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【ワレコのDIY】自宅にソーラー発電システムを自作【Redodoリン酸鉄リチウムバッテリーとLVYUANハイブリッドインバーター採用】

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ワレコ
ワレコ

自宅にソーラーシステムを構築した。

核融合を研究するよりも、天然の核融合炉である太陽の光エネルギーをソーラーパネルを使って電力に変換するほうが現実的だと思う。

最近では大容量のリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを入手し易くなって来た。

ワテの場合も以前にREDODO製のリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを使って自動車用の昇圧型サブバッテリーシステムを自作した。

それらの設計や製作過程は以下の三つの過去記事で紹介している。

【ワレコのDIY】12V車に24Vリン酸鉄リチウムイオンバッテリー搭載してサブバッテリー昇圧走行充電システムを自作【設計編】
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【ワレコのDIY】12V車に24Vリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを搭載してサブバッテリー昇圧走行充電システムを自作【製作編】
ワレコ 当記事は12V車に24Vバッテリー(Redodo リン酸鉄リチウムイオンバッテリー24V100Ah)を搭載して昇圧走行充電システムを自作するプロジェクトの第二回目の記事だ。 前回記事で紹介したように、ワテは軽バン(ハイゼットカーゴ)...
【ワレコのDIY】12V車に24Vリン酸鉄リチウムイオンバッテリー搭載してサブバッテリー昇圧走行充電システム自作&完成【製作編Part2】
ワレコ 春が来た。 車中泊の旅には最高の季節だ。 さて、現在製作中の車載用のサブバッテリーシステムが完成した。 前回記事ではRedodo 24V 100Ahリン酸リチウムイオンバッテリー(LiFePO4 )とソーラーチャージャーを組み合わせ...

このサブバッテリーシステムを使って五月の連休に数日間の車中泊に出掛けたが、走行充電にも成功し、いい感じで動いている。

さて、当記事ではリン酸鉄リチウムイオンバッテリーやソーラーパネルを組み合わせて自宅に太陽光発電システムを構築したので、その設計図や製作過程を紹介したい。

では、本題に入ろう。

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自宅ソーラー発電システム設計図

各種機器を購入して組み合わせる案は不採用

ソーラーシステムの自作例はYouTubeにも沢山ある。

ワテの場合もそういう動画を参考にして、当初は下図のようなソーラーシステムを検討した。

図 ソーラー発電システムの初期案(各種機器を組み合わせるのでややこしいから不採用)

上図の中央上部にあるソーラー充電器というやつがソーラーパネルから来る電力を使ってREDODOバッテリーを充電してくれるのだ。

このソーラー充電器は2千円程度で入手出来るのでワテのような自作派には嬉しい。

昼間の時間帯が快晴でソーラーパネルから十分な電力が得られてバッテリーが充電出来れば、その電力を夜に使えば電気代が節約できる。

もしバッテリー残量がゼロになった場合に電化製品が使えないと不便なので、壁コンセントからのAC100Vに手動で切り替えられるようにカバースイッチ(ナイフスイッチ)を採用する事にした。

DCACインバーターは1000W~2000Wクラスのやつだといざと言う時に大電力が使えないので、念のために3000W~4000Wくらいのやつを使う予定だった。

ソーラーパネルは12Vのやつを2枚直列で使って24Vとして、REDODOバッテリーも24V製品を採用してシステム全体を24Vで統一する予定だった。なぜなら12Vシステムと24Vシステムを比較した場合、同じ電力を得るには12Vに比べて24Vなら半分の電流で良い。

例えば12Vバッテリーに12V3000WのDCACインバーターを組み合わせると、3000W÷12V=250Aもの電流が流れる。24V系でシステムを組めば125Aで良い。理想的には48Vシステムにすれば62.5Aで良いのだ。

電力損失(W=V x I = R x I2)は電流の二乗に比例するのでそう言う点でも12Vよりも24Vの高電圧システムは有効なのだ。

と言う事で、ソーラーシステムを自作しようと思い立って最初に考えたのが上図のような案だったのだが、結局この案は不採用とした。

その理由はワテのようなソーラー関連素人でもやれば技術的には可能だと思うが、個々の機器を買い揃えると金額的にもかなりの出費になるからだ。それに配線作業が多いので綺麗に仕上げるのは難しい。

上図に描いている製品や同等品を表にまとめると以下の通り。

ソーラーパネル 100W 12V RENOGY レノジー単結晶ソーラーパネル 100W 2枚セット 12V MC4コネクター 高変換効率 太陽光パネル 200W
Redodo 24V100Ah リン酸鉄リチウムイオンバッテリー
リョクエンインバーター 正弦波 24V 4000W LVYUAN(リョクエン)電子レンジも動かせる!正弦波インバーター 24V 4000W 最大 8000W DC24V(直流)AC100V(交流)変換 50HZ 60HZ カーインバーター 災害対策 地震 防災用品 アウトドア 車中泊グッズ 自動車 船 キッチンカー キャンピングカー 用品 キャンプ アウトドア 緊急時で大活躍 停電の対策!
150A ANLヒューズ WMYCONGCONG 車 150A ANLヒューズ付きANLヒューズホルダー 0/2/4ゲージ 自動車 バイク カーオーディオアンプ用、金メッキ (150A)
バッテリー切換 スイッチ Ampper バッテリー切換 スイッチ 2ポジション (275A), 12-48 V ボート車用 保護電源 漏電防止 バッテリー切断スイッチ (On/Off)
切換カバースイッチ DCS3P60A 日東工業 DCS 切換カバースイッチ DCS3P60A
ac/dcサーキットブレーカ Atyhao ブレーカ ac/dcブレーカー dcブレーカー ボックス 残留電流サーキットブレーカ 安全遮断器 ブレーカーボックス ブレーカソーラーエネルギースイッチ C65H-DC 2P 250V 低電圧小型空気回路(63A)
消費電力チェッカー Aideepen 20A 電圧電流計 消費電力チェッカー 多機能ーAC 110V-250V デジタルマルチメーター、電流/電圧/電力/エネルギー/PF/Hz測定 赤と緑LCD 表示 車用パネル【6-in-1 20A】

表 各種機器を購入して配線してソーラー発電システムを自作する案に使う機器の例

兎に角、この案は不採用だ。

さて、どうするか?

オールインワンのハイブリッドインバーター製品を購入する案で行く

次に考えた案を下図に示す。

図 オールインワンのハイブリッドインバーター製品を使う(これを作った)

上図の中央にある白い金属筐体の装置がLVYUAN(リョクエン)製のハイブリッドインバーターだ。

縦400 x 横280 x 厚105mmくらいの筐体の中に以下の機能が全て入っているのだ。

  • ソーラーパネルからの電力を使って外部バッテリーを充電する機能
  • 内蔵の3KWのDCAC正弦波インバーター機能(AC100V出力)
  • バッテリー電圧低下時にAC100V出力を自動で外部AC100Vに切り替える機能

要するに最初の不採用案の図に描いた各種機器がこの白い筐体の中に全部入っていて、全自動でバッテリー充電が出来てAC100V出力が得られるのだ。

値段も5万円台だし。

3000W級のDCAC正弦波インバーターを単体で買っても安くても4万円程度、日本製の高いやつなら20万円程度する。

と言う事で、このLVYUANハイブリッドインバーターを採用する事にした。

あとはバッテリーとの間に入れるDC150A程度のブレーカーかサーキットプロテクタ、ソーラーパネルとの間に入れるDC50A程度のブレーカーかサーキットプロテクタが有れば良い。

不採用とした初期案に比べてこの二番目の案は配線も大幅に減るのでこれならワテにでも自作可能だ!

自宅ソーラーシステムの製作開始

と言う事で早速製作開始だ。

ソーラーパネルを窓ガラスの内側に設置

ワテが自作するソーラーシステムは、100W12Vソーラーパネルを2直列で使って24Vにする。

下写真のように100Wのソーラーパネルは106.2 × 53.0cm(厚さ3.5cm)くらいの大きさだ。

RENOGY レノジー単結晶ソーラーパネル 100W 2枚セット 12V MC4コネクター 高変換効率 太陽光パネル 200W

ソーラーシステムの自作を開始して気付いたのだが、大きなソーラーパネルをどこに設置すべきかと言う点がソーラーシステム自作の最初のハードルになった。

ソーラーパネルの設置場所としては幾つかの案を検討した。

  • 台座を自作して庭に設置する案
  • 屋根の上に設置する案
  • 窓内側に設置する案

最も良いのは木製あるいは金属製の台座を自作して庭に設置する案だ。台座の向きを最も太陽光が良く当たる方向に向けて設置すれば、最大の発電効率が得られる。

もしソーラーパネルの表面が汚れても、ケルヒャー高圧洗浄機などで洗う事も可能だ。

しかしながらこの案は台座の自作が大掛かりになるので手間が掛かる。かつ、ワテの二階の居室まで電線を引っ張る必要があるが、それもかなり大掛かりな工事になる。と言う事で、初めて自作するソーラーシステムなので、行き成り本格的な物を完成させようとしても失敗する可能性もあるからこの案は不採用とした。

そこで、次の案として検討したのが、ワテの居室の窓の外にある屋根が丁度南向きなのでその屋根の上にソーラーパネルを二枚並べて設置する案だ。

この場合は屋根の傾斜が丁度良い具合の角度なので、その屋根の上にソーラーパネルを載せれば太陽光を効率良く集める事が出来ると思われる。

さらに、屋根の上に載せたソーラーパネルは窓を少し開ければ室内に電線を引き込む事が出来るので配線作業もやり易い。

しかしながらこの案も不採用とした。その理由は屋根の上などの屋外にソーラーパネルを設置するとなると、単に屋根の上に載せる訳には行かない。何らかの方法でソーラーパネルを屋根に固定する必要がある。そうなると、案外大掛かりな工事になる。

と言う事で最終的にワテが選んだのは取り敢えず二枚のソーラーパネルを居室の窓の内側に設置する案だ(下図)。

図 二枚のソーラーパネルを窓の内側に並べて設置した

上図には描いていないが、窓の下には幅10cmくらいの窓枠があるので、その上にソーラーパネルを載せれば安定する。

二枚のソーラーパネルを直列に接続し、残りの⊕と⊖のケーブルをLVYUANハイブリッドインバーターに接続すれば良いのだ。

まずはこの配置でソーラーシステムを製作してみて、ソーラーシステムとはどんなものか、どんな使い勝手なのかなどを調査する事から始めたい。

そして将来的にはもっと大掛かりな大規模ソーラー発電システムを自宅に構築しても良いのだ!

なお、ソーラーパネルはワテが購入したような丈夫な金属製の枠が付いているタイプや、フレキシブルに折り畳めるような薄型のタイプもある。

どっちを買うか迷ったのだが、取り敢えず金属枠の丈夫なやつを購入した。車の屋根に貼り付けるなら柔らかいフレキシブルに曲がるタイプのソーラーパネルが適していると思う。

LVYUANハイブリッドインバーターを木製台座に固定

下写真のようにLVYUANハイブリッドインバーターを固定する木製台座をDIYで自作した。

緑のカーテンの裏側が窓で、そこにソーラーパネルを並べている。

写真 LVYUANハイブリッドインバーターを固定する木製台座を自作

下写真が木製台座を横から見たものだ。

写真 針葉樹合板で自作した木製台座を横から撮影

この台座は針葉樹合板12ミリや2×4の端材を使って自作した。エッジの部分はルーターで加工して丸めている。

表面には水性透明ニスを塗っている。

REDODO 24V 100Ahリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを採用

LVYUANハイブリッドインバーターの右に有るのがRedodo 24V 100Ah LiFePO4 リン酸鉄リチウムイオンバッテリーだ。

ハイブリッドインバーターのすぐ近くにバッテリーを配置する事で、配線を最短距離に出来る。

この電線には数十アンペアから100アンペア程度の大電流が流れるので38sqケーブル(外径12.4mm、許容電流162A)を予定している。

写真 自宅ソーラーシステムに採用したRedodo 24V 100AhiFePO4 リン酸鉄リチウムイオンバッテリー

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AC100V出力コンセントを自作

上写真のLVYUANハイブリッドインバーターの左に写っていた三連のコンセント(下写真)を自作したのでその過程を簡単に写真で紹介しておく。

写真 LVYUANハイブリッドインバーターのAC100V出力(L, N)を取り出す3連コンセント

この接地付き三連コンセントはLVYUANハイブリッドインバーターのAC100V出力(L, N)を取り出す為の物だ。

なお、LVYUANハイブリッドインバーターのAC100V出力はL(Live、非接地側), N(Neutral、接地側)の2極なので上写真の接地付き3極コンセントのアース端子は未接続だ。

下写真のように三連コンセント用の木製枠をクランプ固定で接着した。

写真 三連コンセント用の木製枠をクランプ固定で接着中

下写真のように接地付きダブルコンセントを3連結してΦ2mmの銅単線で配線した。

写真 接地付きダブルコンセントを3連結してΦ2mmの銅単線で配線した

この3連コンセントを2sqの平行ケーブルを使ってLVYUANハイブリッドインバーターのAC100V出力に配線した。

一方、LVYUANハイブリッドインバーターのAC100V入力部分も配線しておく。

AC100V入力部分は2極ではなくて3極(E, L, N)となっていて、E(アース)も接続出来る。

しかしワテの自宅の壁コンセントはアースは無いので下写真のように2sqの二芯平行ケーブルを使って接続ケーブルを自作した。

写真 キャップが180°動く可動式なので壁コンセントに挿してスッキリ収まる

下写真がLVYUANハイブリッドインバーターのAC100V入力用電源ケーブルの完成形だ。

写真 LVYUANハイブリッドインバーターのAC100V入力用電源ケーブル完成

注:上写真では2個の白色ビニルキャップを被せているが、このあとで一方を黒色に変更した。

このケーブルを使って下写真のようにAC100Vの入力部(左)と出力部(右)を配線した。

写真 LVYUANハイブリッドインバーター 左:AC100V入力(E, L, N)、右AC100V出力(L, N)

これでAC100V関連の配線は完了だ。

なお、上写真のようにAC100V入出力部分の接続端子は圧着棒端子を差し込んでネジ止めするタイプだ。

ネジはマイナスネジなのだが、安物のマイナスドライバーはネジ頭を舐めやすいので要注意だ。

ブレーカーを取り付けて配線

AC電源関連の配線が完了したので、次はブレーカーの取り付けと配線を行った。

下写真で黒色のやつが2P30Aのサーキットプロテクタでソーラーパネル出力に入れる。白色のデカいやつがノーヒューズブレーカー3P150Aでバッテリー出力に入れる。これらのプロテクターやブレーカーには直流が流れるので、どちらもAC/DCの両用タイプを選んだ。

下写真のように針葉樹合板の端材にこれらをネジで固定した。

写真 サーキットプロテクタとノーヒューズブレーカーを端材に固定した

この3P150Aのノーヒューズブレーカーは新品で買うと1万数千円だが、ワテの場合は中古電材屋でたぶん未使用品を安く買ってきた。

ワテはジャンクの達人と呼ばれている。

大きい方のノーヒューズブレーカーはかなり重いので下写真のように針葉樹合板にM4のネジでしっかりと固定した。

写真 スターエムの竹用ドリルで穴掘り加工

スターエム竹用ドリルは本当によく斬れて、切り口もきれいなのだ。ワテの場合はΦ3からΦ12まで買い揃えた。本当ならΦ13からΦ21までも欲しいのだが、全部一気に買うと高いので必要に応じて買い増ししたい。

下写真のようにM4ネジを使って重いノーヒューズブレーカーを固定した。

写真 M4ネジを使って重いノーヒューズブレーカーを固定

このあと、この縦長板を先ほど紹介した木製台座に木ネジで固定した。

2枚のソーラーパネルを直列接続で配線

次の作業は二枚のソーラーパネルの直列接続と、LVYUANハイブリッドインバーターまでの配線作業だ。

写真 RENOGY レノジー単結晶ソーラーパネル 12V/100W

ソーラーパネルの接続端子は、「MC4型 コネクター」と言うのが一般的らしい。

ワテが購入したRENOGY レノジー単結晶ソーラーパネル 12V/100W 2枚セットもMC4型だ。

下写真のようなMC4コネクタが付いた延長ケーブルも売っている。

あるいは下写真のようにMC4型コネクタ(オス、メス)セットも売っている。

ワテの場合はMC4型コネクタ(オス、メス)セットを購入して、接続ケーブルを自作した。

写真 MC4型コネクタ(オス、メス)セットを購入して接続ケーブルを自作

このIWISS社(アイウィス )の MC4コネクタ用の圧着工具(SN-2546B)も購入した。

MC4コネクタを使ったケーブルの自作は初めての経験だったが、特に難しい点は無かった。

写真 MC4コネクタを使ったケーブルの自作の様子

注意事項としては、MC4コネクタはオスメスに分かれていて、それぞれ形状が異なる。

かつ、外側プラスチック部分のオスメス形状が異なるだけでなく、内部電極もオスメスで形状が異なる。

なので、外側オスメスと内部電極オスメスを正しく組み合わせて組み立てる必要がある。

写真 MC4コネクタを使ったケーブルの自作の様子

ここで用いたケーブルは手持ちに有った8SQケーブルを使ったのだが、5.5SQや3.5SQでも良かったと思う。というのは100W12Vソーラーパネルの配線なので、最大でも10Aも流れないからだ。

一方、ケーブルの反対側は黒色のサーキットプロテクタに接続するので丸形の裸圧着端子を圧着した(下写真)。

写真 ソーラーパネル接続ケーブルの反対側は丸形裸圧着端子を圧着し黒色のサーキットプロテクタに接続

ノーヒューズブレーカー150AとREDODOバッテリーの接続ケーブル自作

さて、150A用の巨大なノーヒューズブレーカーとREDODO 24V 100Ahバッテリーを接続するためのケーブルも自作した。

この手の接続ケーブルは自作しなくても下写真のように両端に圧着端子が付いた完成品も売っているので購入しても良い。

それに自作するとなると、ケーブルだけでなく圧着端子や圧着工具も必要になるからだ。

ワテの場合は、この際、38SQサイズの裸圧着端子を圧着出来る圧着工具を購入してこれらのケーブルを自作する事にしたのだ。

その理由は、今後もソーラー発電システムには関心があるし、あるいは車載用のサブバッテリーシステムも先日自作したが今後も改良を加えたい。そうなると38SQや22SQなどの太いケーブルの圧着作業が必要になる場面も今後有り得るからだ。

写真 下段:38SQの赤黒ケーブル、上段:2SQの赤黒ケーブル

圧着端子はニチフのやつが定番だ。

R38-8なら38SQケーブル用でM8用のネジ穴が開いている。

同じ38SQ用の圧着端子でも、R38-8Sの場合にはリング部分のサイズが一回り小さい。必要に応じて使い分けると良い。

写真 38SQケーブルにR38-8の丸形裸圧着端子を圧着

38サイズの裸圧着端子を圧着出来る圧着工具はマーベルやロブテックスなどの有名国産品だと1万円前後だ。

下写真のような海外製の安いやつでも機能的には問題は無いと思う。

ワテの場合はリサイクルショップでタイミングよくマーベルのやつの未使用品を安く購入することが出来た。

R38の裸圧着端子の圧着は初めての経験だったが、かなりの力が必要だがやれば誰でも出来るだろう。

写真 R38-8裸圧着端子の圧着

下写真のように絶縁用のTVCキャップを被せて完成だ。

写真 38サイズのTVCキャップを被せて完成

下写真が完成した38SQケーブルだ。

写真 バッテリーとノーヒューズブレーカー接続用の自作ケーブル(38SQ、約70cm)

ちなみに上写真の小型の圧着工具はワテが普段よく使っているロブテックス ミニ圧着工具 裸圧着端子 裸スリーブ用 AK2MAだ。

大型のやつはマーベル 圧着工具 裸圧着端子 スリーブ用 MH-38なので、その巨大さが分かるだろう。

ノーヒューズブレーカー150AとREDODOバッテリーを接続

完成した極太38SQケーブルを使ってREDODO 24V 100Ahリン酸鉄リチウムバッテリーとノーヒューズブレーカー3P150Aを接続する。

写真 REDODO 24V 100Ahリン酸鉄リチウムバッテリーのプラス極にケーブルをボルト固定

下写真のようにREDODOバッテリーのプラス極とノーヒューズブレーカーを接続した。

写真 REDODOバッテリーのプラス極とノーヒューズブレーカーを接続

ノーヒューズブレーカー 150A

この極太ケーブルは最短距離で配線すれば30cm程度で足りたのだが、今後設置場所を変更する可能性もあるので、汎用性を考慮して少し長めの70cm程度で作成したのだ。

下写真では、LVYUANハイブリッドインバーターとノーヒューズブレーカーは未だ接続していない。

取り敢えずこの状態でノーヒューズブレーカーをONにしてみて出力にバッテリー電圧が来ている事を確認した(下写真)。

写真 ノーヒューズブレーカーをONにしてバッテリー電圧が来ている事を確認

その結果、下写真のように26.6Vと計測された。

写真 26.6Vならバッテリー容量90%なので、ほぼフル充電(27.0V)に近い

REDODOの説明書を見ると26.6Vならバッテリー容量90%なので、ほぼフル充電(27.0V)に近い状態だ。

ちなみに今回の作業で使っている工具類は以下の通り。

写真 今回の作業で使っている工具類

下写真のフジ矢のケーブルカッターはよく切れる。38SQのケーブルさえも軽々とスパッと斬れる。

同様にして下写真のように38SQケーブルに二種類の裸圧着端子R38-6SとR38-8を圧着した。

写真 38SQケーブルにR38-6S(左側)とR38-8(右側)を圧着

このケーブルを使ってLVYUANハイブリッドインバーターのバッテリー接続端子(下写真)M5ネジ部とノーヒューズブレーカーを接続した。

写真 LVYUANハイブリッドインバーターのバッテリー接続端子M5ネジ部にR38-6S裸圧着端子接続

下写真が接続完成した状態だ。

写真 LVYUANハイブリッドインバーターのバッテリー接続端子とノーヒューズブレーカーを接続完了

ちなみに下写真のように38SQケーブルはかなり太いのでLVYUANハイブリッドインバーターの底部にある穴にギリギリ通すことが出来たが、ケーブル保護用のブッシュがあると通らなかったのでは外す必要があった。

写真 ケーブルブッシュを外して38SQケーブルをかろうじて配線完了した

ノーヒューズブレーカー側は六角穴付きボルトなので六角レンチで締めて固定した。

写真 3P150Aを2Pで使うので中央端子は使わずに両側の端子に配線した

 

ソーラーパネル用サーキットプロテクタとハイブリッドインバーターを接続

最後に、下写真のソーラーパネル出力に入れたサーキットプロテクタとLVYUANハイブリッドインバーターを接続する。

実は下写真は赤黒の配線がサーキットプロテクタの上側と下側とで逆になっている。

写真 サーキットプロテクタの配線で間違った例

赤黒ケーブルなので間違うことはないだろうと言う油断が間違いのもとだ。

このあと、修正しておいた。

一方、ソーラーパネル出力に入れたサーキットプロテクタから出たケーブルはLVYUANハイブリッドインバーターのソーラーパネル端子(PV+、PV-)に接続する。

その端子は下写真のようにマイナスネジ式の差し込みタイプだ。

写真 ソーラーパネル入力端子にサーキットプロテクタ出力の赤黒ケーブルを接続した

この部分は本当なら圧着棒端子を使えば良かったのだが、手持ちに無かった。

そこで下写真のOAタップコンセント用の差し込みの銅電極を利用して自作する。

これは以前にOAタップの差し込み部を切断して普通のコンセントに改造したのだが、そのOAタップの銅電極が有ったのでそれを利用したのだ。

下写真のようにヤスリで削って細板状に加工した。

写真 OAタップコンセントの銅電極を加工した

そして、下写真のようにケーブルに圧着した。

写真 自作の板状形の裸圧着端子

あとはビニルキャップを被せて完成だ。

このように自作した板状端子を使って上で紹介した写真のようにLVYUANハイブリッドインバーターのソーラーパネル端子(PV+、PV-)に差し込んでマイナスネジを締めて固定したのだ。

まあ、多少危なっかしい感じもするが、自己責任と言う事で大丈夫だろう。何かあればその時に対処すれば良い。

下写真が全ての配線が完了したワテ自作のソーラーシステムだ。オフグリッドソーラーシステムなどとも言うようだ。

写真 LVYUANハイブリッドインバーター、REDODO 24V 100Ah リン酸鉄リチウムバッテリーを組み合わせたソーラーシステム

上写真のように主要な部品はソーラーパネル、バッテリー、ハイブリッドインバーター、ブレーカーなど数点なので配線作業も簡単だ。

38SQなどの極太ケーブルを使う点が、一般にのDIYでは馴染みが無いのでその部分が少々ハードルが高く感じる。

でも専用の圧着工具、圧着端子、ケーブルを購入すればあとは作業をするだけなので、やれば誰でも出来る作業だ。

配線完了したのでソーラーシステムの動作確認する

早速動かしてみる。

AC100V機器を動かしてみる

注意事項としてはLVYUANハイブリッドインバーターの説明書にも記載があるのだが、まずは24VバッテリーとLVYUANハイブリッドインバーターを接続しておいて、ソーラーパネルは接続せずに、LVYUANハイブリッドインバーターの電源をONする。

写真 バッテリーとの間に入れた150AノーヒューズブレーカーはON

そこで上写真のようにバッテリーとの間に入れた150AノーヒューズブレーカーはONして、一方、ソーラーパネルとの間に入れた30AサーキットプロテクタはOFFにしておいて、LVYUANハイブリッドインバーターの電源を入れた。

そうすると電源ONから数秒後にシステムが起動して液晶ディスプレイに表示が出た。

写真 LVYUANハイブリッドインバーター起動直後の液晶表示

これでLVYUANハイブリッドインバーターは24Vバッテリーを認識するようだ。

このあとでソーラーパネルとの間にあるサーキットプロテクタもONしてLVYUANハイブリッドインバーターと接続することで、ソーラーパネルが認識された。

取り敢えず、下写真のようにAC100V出力部の電圧をテスターで測ってみた。

写真 AC100V出力部の電圧をテスターで測ってみた

その結果、97.94VACと計測された。

写真 AC100V出力部の電圧をテスターで測ったら97.94VACと計測された

まあ、無事に動いている感じだ。

次に、扇風機を回してみた。

写真 消費電力30W程度のサーキュレーターは正常動作した

上写真の扇風機は消費電力が30W程度なので問題なく動作した。

設定画面でバッテリーをリン酸鉄リチウムバッテリーに設定した

LVYUANハイブリッドインバーターの設定方法はマニュアルに詳しく説明がある。

その中で、バッテリーの種類を鉛電池、リチウムバッテリー、リン酸鉄リチウムバッテリーなど選択出来る。確か初期設定は鉛電池だったので、それをリン酸鉄リチウムバッテリーに変更した。

なお、リン酸鉄リチウムバッテリーも充電電圧に応じて三種類(LF07, LF08, LF09)から選べる。

何を選ぶべきなのか当惑したが、REDODO 24V 100Ahバッテリーの推奨充電電圧は説明書に 28.8±0.4V と書いてあるので、LF08(定電圧充電電圧28.4V)と言うやつを選んだ。たぶんこれで大丈夫だろう。

写真 LVYUANハイブリッドインバーターの設定画面08 の例

この実験時の天候は曇りなのでソーラーパネルからの電力は少ない。

でもこの時点ではLVYUANハイブリッドインバーターの動作モードは主電源優先モード(デフォルト)だ。

その結果、入力AC100Vを使ってREDODO 24Vバッテリーを充電しながらAC100V出力も利用出来る状態だ。

要するに現状ではこのシステムはUPS(英: Uninterruptible Power Supply、無停電電源装置)として機能していることになる。

写真 配線が完了したワテ自作のソーラーシステム(ハイブリッドインバーター採用)

バッテリーを充電中はファンがかなり大きな音を立てて回転するようだ。

兎に角、大きなトラブルも無く組立作業は完了した。

パソコンをバッテリーで駆動する

ワテの居室のパソコンやオーディオ機器の電源は下写真の壁コンセントから取っている。

写真 パソコンやPCオーディオ機器の電源を取っている壁コンセント(現状)

上写真の壁コンセントから電源を取るのではなくて、ソーラーシステムのAC100Vからパソコンなどの電源を取ることにした。

そこで下写真のようにオレンジ色の延長ケーブルを使ってソーラーシステムまで配線した。

写真 ソーラーシステムのAC100Vからパソコン関連の電源を取るための延長コード

オレンジ色の延長コードを下写真のようにソーラーシステムのAC100Vコンセントに挿した。

写真 ソーラーシステムのAC100Vからパソコン関連の電源を取る

このように配線を済ませたあとで、LVYUANハイブリッドインバーターの設定画面01で現状の主電源優先モード(UTI)をインバーター優先モード(SBU)に変更した。

写真 インバーター優先モード(SBU)で動作中のLVYUANハイブリッドインバーター

インバーター優先モード(SBU)。バッテリー電圧が不足しているか、パラメーター[04]の設定値を下回っている場合にのみ主電源に切り替えます。

引用元 LVYUANハイブリッドインバーター説明書

要するにインバーター優先モード(SBU)で動かすと、バッテリーの電圧がある限りバッテリーの電力を使ってAC100Vを出力するのだ。

REDODO 24V 100Ahリン酸鉄リチウムバッテリーならフル充電状態なら2560Whのエネルギーを持っている。

もしワテのパソコンの消費電力が250W程度なら、約十時間のバッテリー駆動が可能になる計算だ。

現状ではバッテリーは90%程度の充電状態であったがバッテリーで運転してみた。

その結果、十時間は持たなかったが約七時間くらいはバッテリーでパソコンを駆動することが出来た。

バッテリーが0%になる前に自動的にAC100V駆動に切り替わり、パソコンが瞬時停電することもなく安定して連続使用することが出来た。

素晴らしいぞ。

無停電電源装置(UPS)として大活躍

その後、ワテはこのソーラー発電システムを日常的に使っている。

LVYUANハイブリッドインバーターは主電源優先モード(UTI)に設定していて、通常は壁コンセントのAC100Vを優先している。

今は6月なのでこれからは梅雨の季節だ。突然の雷雨などで雷が落ちて停電する事もある。

その場合でも、LVYUANハイブリッドインバーターを使ったソーラー発電システムでパソコンを駆動していれば、停電しても自動でバッテリー駆動に代わるので安心だ。

ワテ自作のソーラー発電システムは無停電電源装置としても使えるのだ。

実際に停電したら、その時の状況をここに追記したい。

まとめ

ワレコ
ワレコ

ワテもいよいよソーラーシステムにチャレンジだ!

当記事ではワテ自作のソーラーシステムの設計や製作過程を詳細に紹介した。

計画を立てたのが今年の4月頃だ。

その当時のワテはソーラーシステムに関する知識は殆ど無かったので、まずはネット検索してソーラーシステムの知識を習得する努力をした。

YouTubeにも参考となる動画が沢山あるので勉強になった。

そして設計作業にも数週間を要した。最終的に当記事で採用したLVYUANハイブリッドインバーターを使う方式に決めたのが4月中旬なので約二ヶ月前だ。

取り敢えずLVYUANハイブリッドインバーターをアマゾンで発注した。

バッテリーはRedodo 24V100Ah リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを使う事に決めている。

あとはソーラーパネルの選定やソーラーパネルの設置場所、設置方法など、幾つもの仕様を決めなくてはならない。

ソーラーシステムの自作は初めての経験だったので、なかなか決められない性格のワテは選択肢が多いと迷いに迷う。あかんがな。

その間、5月の連休ではリン酸鉄リチウムバッテリーにソーラー充電器を組み合わせた自作の昇圧型走行充電サブバッテリーシステムを使って車中泊の旅に出掛けた。

そして、ソーラーシステム自作の計画を立案して約二ヶ月後に無事にワテ自作のソーラーシステム(Ver.1)が完成したのだ。

少し使ってみた限りでは、かなり実用性はある気がする。

ただし、REDODO 24V 100Ahのバッテリーは大型ではあるが、容量2560Whでは家庭の全電力を賄うには容量不足だ。

2560Whなら256Wで10時間と言う計算になるので、もし1KW(=256W x 4)くらいの電力を10時間供給するなら最低でもその4倍のバッテリー容量が必要になる。

かつ、バッテリー容量を増やすだけでは駄目で、ソーラーパネルもそれに応じて増やす必要がある。

現状では100Wパネルが二枚で200Wだ。快晴の日の昼間の時間帯なら200W近い電力を発生出来るがそれが何時間も続くことは期待出来ない。朝夕には太陽の光量が少ないので発電量は少ない。曇の日なら一日中発電量は少ないし。

それに現状では窓ガラスの内側にソーラーパネルを設置しているのでその点でも発電効率は悪い。

という訳で、ワテ自作のソーラーシステムVer.1は初めての自作で不安が有ったが、結果的には期待以上の完成度だ。今後様々な実験を通して有益な情報を得ることが出来るだろう。

それらの経験を元に、より大規模なソーラーシステムVer.2を構築したいと言う野望が湧いてきたぞ!

ソーラーワレコと呼んでくれ!

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コメント

  1. より:

    全く同じメーカーの3kwシステムを購入して、商用電源とつなぐのに抵抗(怖い)があり、作り方も分からなかったので細かく書いてあるこのブログがすごく参考になりました。
    真似してやってみます。

    • wareko より:

      剛様
      この度は小生の記事にコメントありがとうございます。
      私はいつもは数ミリアンペア程度の電流しか扱わない電子工作しかやっていませんので、100Aなどの大電流を扱うのは怖かったです。
      そこでLVYUANハイブリッドインバーターを採用した結果、他の部品が殆ど必要なくなり、配線作業も簡単でした。
      でも記事中で紹介しているように赤黒ケーブルをうっかり入れ替えて配線すると言う間違いを犯しました。通電する直前に気づいたので大事には至りませんでしたが、ウッカリミスには要注意ですね。
      では、剛様もウッカリミスには十分注意してソーラーシステムを構築して下さい。
      大電流のショート事故は怖いですからね。