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【ワレコオーディオ】XLRコネクタ種類・規格・取付穴図面【ITTキャノン・Neutrik比較】

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ワテの場合、時々オーディオ機器を自作する。

最近では、金田式超多機能DACやぺるけ式ヘッドホンアンプ、ぺるけ式秋月USB-DACなど自作した。

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そんなワテが、今年も何かぺるけ式のプリアンプなど作成してみたいと考えている。

ぺるけさんのサイトに沢山の製作例があるので、どれかを参考にさせて頂いて作成する予定だ。

ぺるけさんの製作例では、キャノンコネクターを使っている製作例も多い。

XLRコネクターとも呼ばれる。

プロ用とかPA用のオーディオ機器で良く使われるコネクターだ。

2ピンから7ピンまであるが、よく使われるのが3ピンだ。

Ground、Hot、Coldの三つの信号を使ってバランス伝送に使われる。

平衡伝送とか平衡接続などとも呼ばれる。

当記事では、キャノンコネクターを初めてアンプに使う予定のワテが、キャノンコネクターの規格とか仕様とか取り付け穴の加工図面など調査してみた。

では、本題に入ろう。

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バランス伝送の基本

3ピンのキャノンコネクターを使う場合には、以下のように接続するのが一般的だ。

1pin Groud (接地)

2pin Hot (正相)

3pin Cold (逆相)

ただし、2pinと3pinの極性を逆にする接続もあるらしい。その辺りの解説はぺるけさんのサイトに詳しい。

さて、キャノンコネクターとは、その名の通り製造元である ITT CANNON社の商品名だ。

現在では、ITT社以外でもNeutrik社、Amphenol社、日本航空電子工業(JRE)、ヒロセ電機、その他、多数のメーカーが製造している。

なので、以下ではキャノンコネクターと呼ばずにXLRコネクターと呼ぶ事に統一する。

そのXLRコネクターであるが、接続ピンにはオスとメスがあり、ピンの数も2ピンから7ピンまであるのは良いのだが、大きな問題がある。

それは、パネルに取り付ける場合の穴の径や、ネジ穴の位置、ネジサイズが数種類あるのだ。

さらに悪い事に、ITT CANNONとNeutrikの製品とでも、パネル取り付穴径やネジ穴の位置、ネジサイズが異なる。

XLRコネクター初心者のワテの場合、何が何だか分からなくなってしまった。

と言う事で、自分自身の備忘録としてITT CANNONとNeutrikのXLRコネクターの主要な製品の仕様を調査してまとめてみた。

ITT CANNONのXLRコネクター

以下の情報は、ITT Cannon社の公式サイト

株式会社アイティティキャノン

から引用させて頂いた。

XLR-3-31とXLR-3-32

歴史的な事は良く知らないが、最初に紹介するこの二つのコネクタ(メス、オス)が古くからあるキャノンコネクターのようだ。

XLR-3-31

角型フランジソケットレセプタクル

【Female Rectangular Flange Receptacle】

XLR-3-32

角型フランジピンレセプタクル

【Male Rectangular Flange Receptacle】

寸法は mm(inch) です。[Dimensions shown in mm(inch)]

図 XLR-3-31とXLR-3-32の仕様 引用元 http://www.ittcannon.jp/

XLR-3-31(メス)とXLR-3-32(オス)の特徴としては、上図のようにオスとメスで取り付け穴の大きさやネジ穴の位置が異なる。

しかしまあ、XLR-3の3は3ピンを表すが、その次に来る31がメスで32がオスなのだが、何でこんなに分りにくい型番を使うんだろう。

それにオスとメスでパネル取り付け穴やネジ穴の位置も異なるし。

ワテには出来ない発想だ。

恐らくその理由は、XLRコネクターを使ったオーディオ機器を製造する場合の間違い防止かもしれない。

つまり、パネルに開けた取り付け穴にXLRコネクター取り付ける場合に、オスとメスとで取り付け穴の大きさもネジ穴の位置も違っていたら、どんな作業員がやってもオスメスを間違えて取り付ける間違いは絶対に起こらない。

まあそう言うメリットはあるとは思うのだが、自作派にとってはオスとメスで穴サイズが違ったり、ネジ穴の位置も違うと面倒な事この上ない。

もしワテがXLRコネクターを設計するなら、

  • XLR-3-Female
  • XLR-3-Male

などとする。

そしてオスもメスも全く同じ取り付け穴サイズ、ネジ穴の位置も同じにするなあ。

とボヤいていたら、そんなタイプのキャノンコネクターが有った。

XLR-3-31-F77とXLR-3-32-F77

ワテ好みのキャノンコネクターがこれだ。

 

XLR-3-31-F77

角型スモールフランジソケットレセプタクル

【Female Rectangular Small Flange Receptacle】

XLR-3-32-F77

角型スモールフランジピンレセプタクル

【Male Rectangular Small Flange Receptacle】

図 XLR-3-31-F77とXLR-3-32-F77の仕様 引用元 http://www.ittcannon.jp/

オスメスで同じパネル取り付け穴形状であり、ネジ穴の位置も同じ。

ただし、取り付け穴上部の直線部分(図中A)はロックピンがあるメス(31)には必要であるが、オス(32)には無くても良い。

仮に上図の加工穴にオスを取り付けた場合には、コネクターの長方形フランジ部分で覆い隠されるので、A部分が見える心配は無い。

なので、オス、メスのどちらを付ける場合でも上図のように加工しておけば良い。

まあ、オスメス共通の取り付け穴を開けておけば良いので、最初に紹介したXLR-3-31とXLR-3-32よりは自作派には扱い易い。

でも、メスの取り付け穴が円形ではなくて、直線部分の加工があるのが難点だなあ、自作派にとっては。なぜ単なる円形にしないんだろうかと思う。もしかすると、この場合も組み立て作業でパネルに取り付ける時にコネクターの向きを間違わない工夫なのかも知れない。

でも、そうだとするとオスは円形なので矛盾するが。

多分真相は設計者があまり深く考えなかっただけかも知れない。XLRが商品化された当時は自作派が個人的にパネルを加工するなんて想定していなかったんだろう。製品向けに使うからパネルの加工もNCマシンでやるから丸でも角でも機械がやってくれるし。

このXLR-3-31-F77とXLR-3-32-F77は、サイズ的には最初に紹介したXLR-3-31とXLR-3-32よりも縦横共に数ミリ小さい。

なので、スモールタイプと呼ばれているようだ。

しかしまあ、このスモールタイプもヘンテコな型番だ。

F77って何なんだ?

ITTキャノンのサイトから引用すると以下の通り。

XLR - 3 - 11C - ** - F

この** の部分は

モディフィケーション【Modifi cations Arrangements】

と言う属性らしい。

モディフィケーション

説明

F77

角型スモールフランジレセプタクル ( シェルスタイル 31 および 32 タイプのみ )

[Rectangular Small Flange(Receptacle 31 and 32)]

F512

角型ミニフランジレセプタクル ( シェルスタイル 32 ピンタイプのみ )[Rectangular Mini-Flange(Receptacle 32 only)]

A176 

角型ソケットレセプタクル

[金メッキコンタクト( 2 – 6 芯)Gold plated contacts(for 2 – 6 pins)]

* 7 芯の製品は金メッキが標準で、-A176 を付記しません。

7 pins are gold plated contacts as standard, -A176 not necessary.

表 XLRコネクターのモディフィケーションの説明 引用元 http://www.ittcannon.jp/

つまりまあ、F77が付かないやつが最初に紹介した標準サイズ。

F77が付くやつが上で紹介したやつ。

F512が付くやつはこの後で紹介するが、F77よりも小さいやつだ。

しかしまあ、この型番の一貫性の無さ、意味不明の数字、一体全体ITTキャノンの人はどんな発想でこんな意味不明な型番を採用するのだろう。

ワテには全く理解出来ない。

シェルスタイル【Shell Styles】

ついでに、同じくITTキャノンの公式サイトから引用すると以下の通り。

シェルスタイル

【Shell Styles】

説明
11C ソケットプラグ[Female Plug]
12C ピンプラグ[Male Plug]
31 角型ソケットレセプタクル[Female Rectangular Flange Receptacle]
32 角型ピンレセプタクル[Male Rectangular Flange Receptacle]

 

表 XLRコネクターのシェルスタイルの一覧

う~ん、型番の数字や記号の一貫性の無さはここにも表れている。

ITTキャノンでXLRの型番を考えている人は、凡人には想像できない考えの持ち主なのか。

さて、本題に戻って、長方形のフランジ部分がさらに小型のXLRコネクターもある。

XLR-3-32-F512

XLR-3-32-F512は角型ミニフランジピンレセプタクルと呼ばれている。

 ❺

XLR-3-32-F512

角型ミニフランジピンレセプタクル

【Male Rectanglar Mini Flange Receptacle】

無い?

引用元 http://www.ittcannon.jp/

取り付け穴サイズも、パネルの長方形フランジサイズも、上で紹介したF77よりさらに小さい。

ところでF512シリーズのメスは無いのか?

少し探したが見付からなかった。

なので、もしこのスモールタイプF512を使って機器を接続する場合には、機器側パネルには全てこのオスのコネクターを使うのかな?

そして接続ケーブルは両端がXLRメスを持つもので繋ぐのかな?

あくまでワテの推測なので、間違っているかもしれない。

Mini-XL Seriesなんて言うのもある

ワテは見た事が無いのだが、超小型のキャノンコネクターがこれだ。;

写真 Mini-XL Series 引用元 http://www.ittcannon.jp/

 

従来製品 XLR- * -31-F77 のフランジ外形(W25mm × H30mm)に対し、Mini-XL フランジ外形(W18.9mm × H24.5mm)と同タイプにおいて面積比で約 40% 減を実現。

引用元 http://www.ittcannon.jp/

まあ、ワテの場合は標準サイズのキャノンコネクターで十分だ。

そんなに沢山使う訳では無いから、大きくても困らないし。

ITTキャノンのXLRコネクター取り付け穴サイズまとめ

パワーポイントで作図してみた。

ITTキャノンの公式サイトの図面を見ながら書いたのだが、ワテのウッカリミスで数字の間違いが有るかも知れない。

XLR-*-31

XLR-*-32

XLR-*-31-F77

XLR-*-32-F77

表 ITTキャノン社のXLRコネクターの取り付け加工穴の比較

まあ、結論としては、F77タイプを使うとオスもメスも取り付け穴の形状は同じで良いので分かり易い。ただし、取り付け穴が円形ではなくて、直線部分を切り取る必要があるので、自作派はヤスリでシコシコ削る必要がある。

あるいはハンドニブラで切り取るなど。

また、F77タイプはフランジの長方形のサイズも小ぶりなので、自作には向いているのかな。

さて、これでITTキャノン社のXLRコネクターに付いては理解が深まった。

ところが、世の中、そうは問屋が卸さない。

Neutrik社(ノイトリック)と言う別のメーカー製のXLRコネクターもあるのだ。

Neutrik社のXLRコネクター

キャノンのコネクターの元祖はITTキャノン社だ。

後発メーカーの中には、元祖ITTキャノンと互換性のある製品を作っている場合もある。

それらの製品を使う限りは、パネルの取り付け穴の形状などは同じだ。

ところが、Neutrikの製品では元祖ITTキャノンとは全く互換性のない取り付け形状のXLRコネクターがある。

つまり、ITTキャノン用に開けた取り付け穴にNeutrik社のXLRコネクターを取り付けようとしても、穴のサイズも固定ネジの位置もサイズも合わないのだ。

ただし、コネクターのピンの形状や位置はITT社のXLRコネクターと同じなので、例えばNeutrikのXLRオスコネクターをITTのXLRメスコネクターに挿すなどは可能だ。

あくまでコネクター取り付け穴の加工形状が異なるのだ。

注:ぺるけさんのサイトの情報では、6ピンのXLRの場合、Neutrik独自の規格があるとの事なので、必ずしも全部のXLRコネクターでITTとNeutrikとで互換性がある訳では無い様だ。でも、普通に良く使う3ピンXLRでは、ITTとNeutrikを混ぜて使っても実用上は問題無いと思う。

Neutrik社のXLRコネクターは種類が多い

 

図 Neutrik社のXLRレセプターの一覧 引用元 http://www.neutrik.co.jp/

Neutrik社の特徴としては、キャノンコネクターの本家ITTキャノンよりも種類が多いのだ。

それと、低価格帯から高級品までラインアンプが多いので、自作派には嬉しい。

NeutrikのPシリーズはXLR-*-31/32と取り付け互換性あり

上図の左下にあるPシリーズと言うのが、ITTキャノン製品と互換性がある。

PシリーズはXLR-*-31/32と取り付け互換性のあるXLRタイプのレセプタクルコネクターです。

さらに弊社のPシリーズではブラックボディ・金メッキコンタクト仕様もお選びいただけます。

引用元 http://www.neutrik.co.jp/

ITT純正ではシルバーしか無いが、Neutrikなら色んな色がある。

従って、黒色のXLR-*-31/32を使いたい場合にはNeutrikのPシリーズを使えば可能だ。

ITTならこれだ。

なおITTの

  • XLR-*-31-F77
  • XLR-*-32-F77

などのF77が付く製品は、NeutrikのPシリーズには相当品は無いようだ。

Neutrik DLやDLXが定番商品

さて、Neutrikの製品の場合、上図においてDLで始まる型番の製品が定番商品らしい。

Neutrik社のサイトから引用すると以下の通り。

DLシリーズ

DLシリーズは定番のDLXシリーズの基礎を築いた高信頼性フルメタルハウジングのレセプタクルコネクターです。取り付けパネルの厚みは1.0~3.0mmに対応します。

 

DLXシリーズ

フルメタルハウジングを使用した高信頼性レセプタクルコネクター「DLシリーズ」がさらに性能を高め「DLXシリーズ」へと生まれ変わりました。より確かな接地を実現するための「2点接地仕様」を採用。また新設計のハウジングは特にRFノイズへの対策に向けられ、総合的に対ノイズ性能を飛躍的に改善。次世代の幅広いアプリケーションに対応します。取り付けパネルの厚みは1.0~3.0mmに対応。

 

DLXクリンプシリーズ

DLXクリンプシリーズは、プロオーディオのディファクトスタンダードコネクターとして世界中で広くご愛用いただいておりますDLXシリーズレセプタクルコネクターの圧着タイプです。はんだ不要の特徴は様々なシーンで有効です。

 

DLX-HEシリーズ

DLX-HE(High-end)シリーズは、より高品質な仕様のXLRタイプコネクターです。ハウジングのメッキは上質感のあるベリクロームメッキを採用、プラスチック材は耐熱性を大幅に高め、メス側コンタクトは切削加工によるくり抜き構造を採用しています。

引用元 http://www.neutrik.co.jp/

 

NC3FD-LXの例

Neutrik社の公式サイトにある製品一覧のPDFファイルを見ると、定番のDLXシリーズの中にも多数の製品があるのだが、その中にある3ピンのXLRコネクターの例を示す。

NC3FD-LXと言う型番だ。

写真 NC3FD-LX 引用元 http://www.neutrik.co.jp/

シルバーだけでなく色違いで黒もある。

NC3FD-LXの特徴

  • レセプタクルコネクター
  • XLRメス
  • DLシリーズ:表側・裏側どちらからも取付け可能
  • 角型26mm
  • シルバー

 

NC3FD-LXの取り付け穴

左の図はリアサイドから見た図なので、左右を裏返せば今まで上で紹介したITTキャノンのXLRと同じく、左上と右下にネジ穴が来る。

図 NC3FD-LXの取り付け穴 引用元 http://www.neutrik.co.jp/

ノイトリックのDLやDLXシリーズは取り付け穴が円形だけで構成されていて、かつオスメス同じ取り付け穴で良いので自作派には嬉しい設計だ。

上図はDLXシリーズの例だが、ワテが調べた限りでは、DLやDLXシリーズに関してはどの製品もこの寸法のようだ。

ただし、全部の製品の寸法を全部チェックした訳では無いので、最終的にはご自身が利用する予定の製品の型番でNeutrik社の公式サイトを検索して、正しい値を調べるのが安全だ。

 

パワーポイントでNC3FD-LXの取り付け穴を書いてみた。

NC3FD-LXの取り付け穴

図 NC3FD-LXの取り付け穴

もし間違いなどありましたら、下のコメント欄からお知らせ下さい。

NeutrikのDL/DLXシリーズの取り付け穴径はΦ23.6

NeutrikのDLやDLXシリーズの取り付け穴径はΦ23.6なのでちょっと半端な数字だ。

自作で加工する場合なら直径24ミリのホールソウで穴開け加工すれば良い。

では、加工業者さんに依頼する時には、Φ23.6にすべきかΦ24にすべきか迷う。

一応、この点は気になったのでノイトリック社に確認してみたら、以下のような回答を頂いたのでワテもその意見に従う予定である。ただしノイトリック社公式見解ではなくて、サポートメールで問い合わせたら、それに対する回答を送って頂いた担当者さんの個人的なアドバイスです。

そのアドバイスを要約すると以下の通り。

もしコネクタをパネルの裏側から差し込むなら、コネクタとパネルの隙間が見えるのでΦ23.6にすると隙間も目立たずにピッタリと嵌るのでΦ23.6がお勧め。

でもコネクタを前から取り付けるなら多少の隙間が空いていても長方形のフランジで隠されるので隙間は気にならない。

その場合は、Φ24で開けておく方がコネクタの円筒部分がスムーズに嵌め込めるので作業性が良い。またカナレ電気などの既成パネルもΦ24だが殆どの場合、表面から差し込む使い方をする。

と言う事である。なるほど。その通りだ。

さて、これでITTキャノンとNeutrikのXLRコネクターの取り付け穴の形状が詳しく分かった。

皆さんもお気付きだと思うが、どれも微妙に寸法が異なるのだ。

  • 長方形フランジの縦横寸法
  • 大穴の直径
  • 二カ所のネジ止めの穴位置、穴直径

などだ。

Neutrik社が何故ITTキャノン社のコネクターと取り付け寸法で互換性の無いコネクターを発売しているのかは、未確認だ。

僅か1ミリとかの違いなら、わざわざ違う値にしなくても同じにすれば良いと思うのだが。

まあ、現実は異なっている。

従って、XLRコネクターを買う人は、以下の四種類のXLRコネクターは取り付け寸法が異なる点を注意する必要がある。

  • ITT XLR-*-31
  • ITT XLR-*-32
  • ITT XLR-*-31-F77, ITT XLR-*-32-F77
  • Neutrik DL/DLXシリーズ
XLR-*-31 XLR-*-32

XLR-*-31-F77

XLR-*-32-F77

NC3FD-LX

 

注意事項 Φ23.6穴では入らない場合がある

実際にワテもNeutrik社の幾つかのDシリーズXLRコネクターを購入して、シャーシにΦ23.6の穴を開けて取り付けてみた。

その結果、下図の問題が発覚した。

図 NeutrikのDシリーズコネクタはΦ23.6の穴には嵌らなかった

その問題とは、パネルの前面から取り付けた場合は問題なくΦ23.6の穴に嵌る。

でも背面から取り付けたら、嵌らないのだ。

原因は、上図の通り、フランジの前面部分に若干のフィレットと言うかRと言うか、が入っている。ノギスで計測したらΦ23.7くらいだった。

あかんがな。

従ってΦ23.6の穴にはピッタリと根元まで嵌らない場合があるのだ。嵌るものと嵌らないものとの違いは良く分からない。この型番なら嵌ったがこの型番なら嵌らないと言う明確な調査をした訳ではない。また同じ型番でも嵌るものと嵌らないものも有ったりした。

つまりΦ23.6は本当にギリギリピッタリなサイズなのだ。実際に開けるなら、少し余裕を見て大き目にすべきだな。

なので、取り敢えず前面から取り付ける事にした。

ちなみにΦ23.6穴の加工はタカチさんに依頼したので、加工精度は間違い無くΦ23.6で仕上がっているはずだ。

と言う事でもしNeutrikのDシリーズを背面から取り付ける予定の人は、Φ23.7かあるいは安全を見てΦ23.8くらいで加工をすると良いだろう。

あるいはΦ23.6の穴を紙やすりなどで軽くグリグリと回転させて擦れば、Φ23.8くらいに簡単に広げられるので、そうするかな。

いや、100ミクロンくらいの隙間を気にするよりも、Φ24.0にしておけば確実だろう。

なお、これらに関してはあくまでワテの個人的調査結果なのでNeutrik社の公式見解などでは無いのでご注意下さい。

ITTとNeutrik DLXのどちらでも合う取り付け穴

上図の左から二番目のXLR-*-32に関してはネジ穴の位置が左右中央にあるので、他の製品とはどう考えてもネジ穴を共通化するのは困難だ。

でも残りの三つに関しては、

  • 大穴の直径は23.5~25
  • ネジ穴の間隔 横16.66~19
  • ネジ穴の間隔 縦23~26.16

なので、これら全部のXLRを取り付けられる穴形状を算出してみた。

要するに以下の三つの図面を重ね合わせてみた。

  • XLR-*-31(ITT標準サイズ メス)
  • XLR-*-31-F77(ITTスモールサイズ メス)/XLR-*-32-F77(ITTスモールサイズ オス)
  • NC3FD-LX(定番のDLXシリーズ)

その結果が下図だ。

 

図 ITTとNeutrikのパネルフランジのどれにでも合う穴形状

う~ん、まあ、結論としては、大穴はXLR-*-31のΦ25サイズにして、ネジ穴は三つの穴がずれて重なった形状だ。

自作する時にボール盤を使ってシャーシに穴を開ける時に、ウッカリ穴位置を間違えて開けてしまい、細いヤスリで穴を広げたような形状だ。

あるいは、ITT標準サイズは使わないとすれば、ITTのF77とNeutrikのDLXの二つに共通の穴なら、両者の値の違いは僅かなので、共通化した穴を開けても実用上は問題ないかも知れない。

まあ要するにバカ穴を開けると言うやつだ。

キャノンコネクター購入のお勧めサイト紹介

キャノンコネクター(XLRコネクター)を買うならITT CannonかNeutrikを使いたい。この二社は有名だし、プロの人も使っているので。

でも、NeutrikのXLR3ピンのコネクターで最も安いやつですら、普通のお店で買うと500円前後はする。

自作オーディオが趣味のワテの場合、1円でも安くパーツを購入するのが習慣になっている。そんなワテが見付けたのがサウンドハウスさんだ。

知る人ぞ知る楽器や音響機器などの激安通販サイトのサウンドハウスさんなのだ。

でも実はワテの場合は、ぺるけ式アンプを作った時に初めてXLRコネクタを使ったのだが、その時までサウンドハウスさんの存在すら知らなかったのだ。

下の画像をクリックするとサウンドハウスさんで販売している多数のNeutrik製のXLRコネクタが一覧表示出来る!

サウンドハウスさんは2000円以上で送料無料なのでお勧めだ。

サウンドハウス

サウンドハウスさんのページでは、商品検索も細かく設定出来る。
キーワードだけでなく、製造メーカーを選ぶチェックボックス☑もあるので、それらを組み合わせれば膨大な商品の中から目的とするコネクタを見付ける事が出来るだろう。

XLRコネクタの場合なら、「Neutrik XLR」のキーワードに加えて、

  • パネル      パネル取り付け型のみ選びたい場合
  • コネクター    ケーブルに取り付けるコネクタを選びたい場合
  • オス       ピン(プラグ)が出ているタイプ
  • メス       ピンが刺さる穴(ジャック)のタイプ

などのキーワードを追加すると、絞り込みやすい。

なお、Neutrik製品に関してはワテの知る限り、サウンドハウスさんが数多くのネットショッピングサイトの中で最安値だと思う。それに2000円以上で送料無料なのが嬉しい。

また、XLRコネクタ以外にも、各種オーディオケーブルの切り売りもやっていて、値段が安いのだ。

ワテもBelden(ベルデン)、Mogami(モガミ)、Canare(カナレ)などのケーブルはサウンドハウスさんで買う事が多い。

まとめ

ITTキャノンとNeutrikとで、XLRコネクターの取り付け穴の形状の違いを調査した。

ITTの標準サイズに関してはNeutrik社もITT互換の製品を出している(Pシリーズ)。

それ以外は、フランジの取り付け穴、ネジ穴位置に関して互換性は無い。

もし自作でITTやNeutrikをミックスして使う可能性があるならITT標準サイズがお勧めか。

でもNeutrikのほうが自作派には扱い易いと思う。

その理由は以下の通り。

  • 取り付け穴が円形だけで構成されているので加工し易い
  • 取り付け穴がオスメス共通
  • XLRコネクターの取り付け穴に合う多数のコネクタがある(RCAジャック,USBコネクタなど)

これらのコネクタは、どれも

  • フランジの寸法 縦31 x 横26
  • 大穴の直径 Φ23.6
  • ネジ穴の間隔 縦24 x 横19
  • ネジ穴の径 Φ3.1

なのでNeutrikのDL/DLXシリーズのコネクタならどれでも合う。

従って、自作機器にXLR, RCA, USBなどのコネクターをミックスさせたい場合には、NeutrikのDL/DLXシリーズがお勧めかも知れない。

でも、自作の場合、RCAジャックは普通のこんなやつを使う場合が多い。

またUSBコネクタを使う状況と言うのは、例えばぺるけさんのサイトで人気がある秋月USB-DACを使う場合などだ。あまり多くは無い。

と言う事で、自作機器にXLRコネクターを使うなら、好きな奴を選べば良いと言う事になる。

まあそうだな。

キャノンコネクターの本家が良いならITTキャノンだ
自作派なら種類の多いNEUTRIKがお勧めか
物凄く安くて人気あるのはクラッシックプロ

ワテも使っているのがこのクラッシックプロの製品だ。

Mogami モガミ 2534 Neglexは定番のマイクケーブル

モガミ電線のケーブルは、世界中のレコーディングスタジオ、プロ用のオーディオ機器など、プロフェッショナルな人が使う定番のケーブルだ。物凄く高いものもあるが、低価格で良いものも多い。

ワテは、この超有名な定番マイクケーブル(モガミ 2534)とクラッシックプロのXLRコネクターを使って自作のXLRケーブルを数本作成した。

青白青白の4芯とシールド網線の構造だ。

二本の青、二本の白をまとめて使う。

XLRの1はグラウンドなのでシールドの網線を接続。

XLRの2はホットなので青色線。

XLRの3はコールドなので白色線を半田付けする。

Belden ベルデンも有名

モガミと並んで世界中で使用されているのがBeldenだ。

この8412マイクケーブルはBeldenのベストセラーの2芯シールドケーブルだ。

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この記事には読者の方からコメントが 2件あります。
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コメント

  1. 上山 より:

    はじめまして。
    XLRの初心者として大変興味深く当サイトを拝見させて頂きました。
    コメントでは無いのですが分かる範囲で結構なのですが質問させて下さい。
    XLR3-12Cの様なオス型のコネクターで引張っても抜けない様にメス側にロックする為のツメが有りそのツメがオス側の長方形の穴に嵌る様になっていますが、私の手元に有る3-12Cはその穴の開いている物と開いていない物と2種類が有ります。
    穴の開いている物の品番はまた別に有るのでしょうか? また何故2種類存在するのでしょうか?
    分かる範囲で結構です。宜しくお願い致します。

    上山

  2. wareko より:

    上山さん

    コメントありがとうございました。
    さて、私の場合、XLRコネクタに関しては全くの素人でして、当記事で紹介したように、
    2018年に「ぺるけ式平衡プリアンプ」を自作した時に初めてXLRコネクタを使用しました。
    その時に使ったのは、

    Neutrik社の定番のDシリーズコネクタで、
     XLRメス NC3FD-LX
     XLRオス NC3MXX

    などです。

    それらはラッチロックが有るタイプです。
    XLRコネクタにはラッチロックが無いタイプもあるようですが、その辺りの詳細は私は詳しくありません。
    キーワード= XLR ラッチロック 有無
    などでネット検索すると情報が得られましたので少し調べてみましたが、
    ラッチロック有り無しを組み合わせて利用出来るのかどうかなども分かりませんでした。

    なお、この動画を見る限りは、ラッチロックのピンを取り外す事も出来るようですね。
    https://youtu.be/os-tpWad7Uc?t=95

    あまりお役に立てなくて申し訳ないです。
    では、また何か良い情報などありましたら、お知らせ頂けると嬉しいです。